佐野・森組が早大の一番手にストレート勝ち/関東学生トーナメント大会6日目

2016.05.07
 佐野真代(文4=津田学園)・森美咲(法4=富士見ヶ丘)組が昨年の室内インカレ王者を下す大金星で準決勝への切符をもぎ取った! ゲーム途中雨で延期となり、二日間にわたり行われた今試合。第一シードである林・上(早大)組をストレートで下し明大女子史上初のベスト4入りを決めた。準決勝と決勝はともに明日行われる。一方で男子は諱五貴(営4=松商学園)・澁田大樹(商4=富士見ヶ丘)組は強敵相手に善戦するも、スペシャルタイブレークの末に準決勝で敗退。シングルスの西脇一樹(国際4=松商学園)もゲーム途中ケガのため棄権し、ベスト4で終わった。

女子ダブルス4回戦
 ここ一番の集中力で強敵を凌駕した。林・上組と大学テニス界屈指のペアを準々決勝の相手に迎えた佐野・森組。第1セットの第1ゲーム目から15―40とブレークポイントに持ち込まれるも「ファーストは思い切り振れた」と森。余念がない強力なサーブでエースを決めると、主導権をつかみジュースの末にサービスゲームを死守した。勢いそのままにミスの少ないテニスでラリーを制し、正確にボレーを決めるプレーを披露。順調な試合展開でブレークを重ね、5―1のセットポイントまで追い込める。一度はブレークを許し5―3と迫られるも、9ゲーム目のサービスゲームを守り切り、第1セットを奪った。雨天延期後の第2セットも「絶対に攻めてくると思ったので慌てないよう心掛けた」(佐野)と冷静に対処。サービスゲームは安定のサーブで確実にキープ、リターンゲームも「ポーチは全部決めることができた」(森)と絶好調なプレーを見せブレークと圧倒。最終的に6―3と第2セットをものにしたストレート勝ちを収めた。試合全体を見てもサービスゲームを落としたのはたった一回。強敵相手にこの上ない快挙を果たした。 
相手の弱点を決して見逃さなかった。室内インカレ3連覇を達成した林の膝のケガに着目。前衛の上(早大)をロブで抜き、林を集中的に狙い走らせ体力を削った。「相手のコンディションを見ながら戦略をたてられた」と森。余念のない戦略が今回の快挙につながった。

男子ダブルス準決勝
 接戦演じるも決勝進出は果たせなかった。連日抜群のコンビネーションを見せつけてきた諱・澁田組。「勝って決勝に行きたい」(諱)と強い気持ちを持ってダブルス準決勝に臨んだ。第1セットの序盤は1―3とリードを許すも「ファーストセットは思いっきり動けていた」(諱)と主導権は渡さず第8ゲームでブレイク。その後試合は拮抗(きっこう)したものの、常に一歩前に出た諱・澁田組が7―5で第1セットをものにした。そのまま流れをつかみたい諱・澁田組であったが「勝ちたい気持ちが前面に出すぎて考えなしのプレーが出てしまった」と澁田。勝てば決勝という大切な試合ゆえの緊張感からミスを多発してしまう。また「サーブのコースがバレバレで、最初できてたことがセカンドセットで通用しなくなってしまった」と諱が語るように、相手に2人のプレーを読み取られスキを突かれる展開に。そのまま4―6で第2セットを奪われ、試合はタイブレークにもつれ込んだ。10点先取のタイブレークでは、終始早大ペースで進んだ。最後は坂井(早大)の強力なサーブに圧倒されリターンできず、5-10で試合の幕を閉じた。

男子シングルス準決勝
 満身創痍で迎えた準決勝は、無念の棄権負けだった。左足のケガを負いながらも、第2シードである上杉海斗(慶大)との対戦を迎えた今試合。
下した決断は棄権の二文字だった。第1セットはケガの影響で本来のコートカバーリング力が精彩に欠けた。長いラリーに持ち込み切れず、1―6で早々に第1セットを奪われてしまう。「(試合への出場を)医者には止められたが、一矢報いてやろうと思った」(西脇)。第2セットでは脚に爆弾を抱えながらも、1―1とサービスゲームを死守した。しかし第3ゲーム目でついに限界を迎え、審判に棄権を告げる。やり切れなさと痛みで顔を歪める西脇は、足を引きずりコートを後にした。

 いよいよ春関も大詰めを迎え、残すは最終日。男子は決勝に進出することはできなかったものの、単複ベスト4に入賞する好成績を収めた。佐野・森組は準決勝に挑む。「優勝して明治の女子テニス部の歴史を刻みたい」(佐野)と意気込み十分だ。

[島村昭二・江原璃那子・藤田幸大]

試合後のコメント

「本当にうれしいです。多分、最終日に女子が残ったのは明大史上初だと思いますし、早稲田をこないだのインカレインドア優勝したペアに勝てたのが、本当にうれしいです。試合はまず昨日ファーストセットは自分たちはシードは守りましたし、失うものはありませんでしたので、相手は第一シードということで、後は本当に思い切りやるだけだと思って試合に挑みました。向こうは追いかけられてる側で、こっちはチャレンジャー側だったのでそういう面でも気持ち的には強く持てたと思いますし、それもあって攻める展開が多く、思い切りできたのはよかったです。途中ファーストセット終わりかけの時とセカンドセットの最初は相手のペースにのまれ気味だったのですが、うまいこと雨が降ってくれて今日に持ち込みになりました。今日は林さんがシングルスで長い時間やっていたので疲労もあるだろうなと思っていました。そういうのも気にせず、自分たちのテニスを昨日みたいに競れば勝つ可能性はあるなと思っていました。もちろんうれしいですが、ここで満足しないで次勝って決勝に進みたいと思います。サーブもファーストで入れてリターンミス誘えたり、ボレーもミスなど無く、ポーチも全部決めることができました。相手がうまいとわかっていたので、自分たちの集中力をすごく高めることができ、変なミスすること無く試合を進められました。林さんがボレーもストロークもうまいと分かっていたので、膝をケガしていたので上さんの上をロブで抜いて足にくるよう走らせることを意識しました。他にもロブ待ちしたり、それをやってくれて私がスマッシュを決めるパターンを固定したり、相手のコンディションを見ながら今日は戦略立てられたので良かったです。ベスト4に入れたのはうれしいですけど、有明はラストなので優勝して明治の女子テニス部の歴史を刻みたいと思います」

佐野
「昨日ファーストセットを取ってリードをしてはいましたが、セカンドセットは0-1と相手に流れがいっている状態での中断だったので、ここで気を引き締めて2人で昨日のようなプレーをしていこうと話して試合に臨みました。昨日の私たちのテニスは上手くいってはいましたが、私たちがリードをしていても今日の相手は絶対に攻めてくると思ったので、慌てないように心掛けました。美咲が良いボールを打って私がポーチに出たり、私がロブで頑張って美咲がスマッシュを打ったりと自分たちのパターンにもっていけるようにしました。相手が途中攻めてきて、いつもは焦ってしまうのですが今日は落ち着いてできたと思います。強い相手なので、少しでも隙を見せたらそこを狙われてしまうと思うので、あまりミスをせず、かつ消極的にならないように自分たちでポイントを取りに行くように意識しました。いつも早いテンポで試合をしていますが、今回はゆっくりしています。試合中も美咲のことを信じてラリーができます。信じているので、私がラリーをしていたら美咲が出てくれると考えていました。反省点は、何球か緊張して相手にチャンスを与えてしまったことです。明日は慶応で、ノーシードで上がってきています。勢いがあると思いますが、4年生の意地を見せたいと思います。おそらく初めて女子部でベスト4に入ることができ、嬉しいです。ここで満足はせず、狙うのはタイトルを取ることです。美咲と2人で女子部の新たな歴史を刻みたいです」


「今回試合をするのは3回目で、今までの反省を生かして臨んだ準決勝でした。最初はうまくできてファーストセットは取れましたが、あと一歩足りなかったです。ファーストセットはリードされてしまいましたが、風の影響もあって相手も強打してこなくて、小堀のサーブが右利きなのでそこでゲームを取ろうと2人で思いっきりやりました。ジャッジにも助けられました。ファーストセットは思いっきりうごけていたし、拾えていました。良い内容でした。セカンドセットはサービスゲームをブレイクされて、ブレイク仕返して4-4でキープできるかと思っていました。ニューボールになったので相手もリターンをミスしてくると思ったけどきちんとリターンされてしまいました。サーブのコースがバレバレで、最初できてたことがセカンドで通用しなくなってしまいました。リターンのミスも無くなり、ラリー戦になったのでサーブのコースを変えないとと思います。勢いも減ってしまいました。最後はリードしたかったですが、相手の方が勢いがありました。速い球がきて対応が遅れてしまったり、単純なミスが増えてしまいました。同じことしかやらなかったことが敗因かなと思います。強がって貫き通してしまいました。渋田とは励まし合い、2人が思ったところに打とうと話していました。シングルスが負けてしまいダブルスにかけていました。とても悔しいです。今までは追う立場でしたが、今回は第一シードで追われる立場になって変なプレッシャーにやられてしまいました。一旦就職活動を頑張って、十分な時間インカレとリーグにむけて準備していきたいです」

澁田
「勝ちたかっですけど、大事なところでゲームが競って、そのセットがかかったポイントに近づくにつれ、サーブだったりリターンのミスがかなり増えたというのは感じてそれが敗因に直結したかなと思います。相手が思い切り来たというのもあって、自分たちはいけなかったのでそこが悔いに残ります。ワンショットにかけて、これ取れれば良いなって感じでいったので、粘ってリターンを返してそこから取ろうという感じではなく、無理矢理入った感があったのでそこが良くなかったと思います。3回目の対戦で五分五分の力だというのは分かっていたので、だからこそちからがはいったというのもあり、最初は相手が緊張していたのもあって取れたんですけど、勝負が競って拮抗した長い時間がやってくると、勝ちたい気持ちが前面に出すぎて考えなしのプレーが出てしまったと思います。逆に彼らでなければ、冷静に行けたのかなと思います。(今までの成績としては)一回も勝ってないです。インドアでは競って負けて、対抗戦ではボコボコにされて、今回も競って負けたって感じでした。(苦手意識はあったか)苦手意識はなかったですが、いけそうでいけない感じが逆に緊張してしまいました。坂井が左利きで玉が早いので小堀のほうでポイントを稼ごうと考えてそれが最初はまったのですが、後半にパターンが一緒になったのがばれて、同じようにやってしまったのがありました。(インカレへの意気込み)関東でベスト4入れて、あいつら倒して優勝する実力はあると思います。まずインカレで就職活動も終わる頃なのでしっかり練習してインカレでは絶対。口だけで優勝しますって御託を並べるのではなくて、本当に狙える位置にいると思うのでむしろ取らなくちゃいけないと思うので、優勝目指して頑張ります」

西脇
「昨日無理して試合をして、(今日の試合は)医者からは止められていましたが、やれるだけやろうと思っていました。最後まで試合は続けられないと思ったので、1ポイントでも多く食らいついてやろうかなと思って試合をしていました。怪我が無くても、厳しい試合にはなったと思いますね。今後の抱負は、同期全員が大きな大会でベスト4以上には入ったことのある選手になってきたので、そういう立場として、夏までにレベルアップして一気に周りとの差を広げていきたいです」