ルーキー2人がベスト16/東日本学生新人選手権
立ち合いが勝敗を分けた。藤原の決勝トーナメントを懸けた予選3回戦は名門高校・埼玉栄の同級生対決に。171㎝・115㎏の藤原に対して、相手の納谷(中大)は183㎝・140㎏。藤原は体の大きい選手と対戦しても落ち着いていた。「狙ってやった」と立ち合いから圧力をかけてくる相手の中に入り、自分の間合いに持ち込んだ。すばやく左を差して、土俵際まで追い込むと寄り切って、かつての同志との一戦を勝利で飾った。予選トーナメントは終始冷静な相撲を繰り広げた。続く決勝トーナメントは初戦で敗れベスト16という結果に「もう一つ上には入りたかった」と藤原。今日の結果には満足せず、身体も精神も大きくすることを誓った。
同じくベスト16の東は仕切りから険しい気合の表情を見せた。集中力を高め勝負が決まったのは一瞬だった。突っ込んでくる相手を落ち着いて右側へはたき込みベスト16を決めた。しかし東も自分の結果に納得していない。「上を目指すために前に出る相撲をしなければならない」(東)と小川清彦総監督も指摘した課題を振り返った。
躍進の可能性を秘めた新人がそろった。4年ぶりに新人全員がケガなく今大会に臨んだ。中でも「藤原は勝たなきゃいけない」と小川総監督は期待を込める。藤原は今回の大会でベスト16を収め、また今月3日の選抜宇佐大会ででは1年生にしてレギュラーになった。「4年間でどれだけ一生懸命自分で考えて稽古して、花開けるかどうか」と守重佳昭監督。飛躍を誓い、1年生たちは体を鍛え直すことから始める。
[鈴木貴裕]
試合後のコメント
小川総監督
「(2名がベスト16に入ったが)あそこまで行けば、もう1つ、ベスト8、ベスト4をつかみ取る積極的な相撲を取ってほしかった。ちょっと積極性が欠けたね。東はちょっと緊張していたようだけど体は動いていた。(決勝トーナメント1回戦は)相手が小さくて動く相手だけれどもうまく上手を取って、そこから攻めるところを、上手を取った時に腰が引いたところを投げられた。うまくしのいで上手を取った時に一瞬スキができた。そこを相手が逃さなかった。その前の一番もよく相手を見ることはできていたけれど。藤原は勝たなきゃいけない。相撲はもともとうまい子だけど、まだパワーがない。負けたのは弱い相手じゃないけど、やっぱり当たっていかないと。悪い当たりではなかったけどもっと当たって攻め込んで前に行く相撲を取ると良かった。2人とももう一つ勝ったら次も勝てる勢いがあったから、そこで負けちゃったのが残念。1年生は基本を中心に、当たって押す練習を中心にしている。みんなまだ体もないし当たる力もまだまだ大学生の力はないけど、これから。今日で4人とも、大学入って寮生活して試合に出て、やっていけるという気持ちになったんじゃないかな」
守重監督
「今大会優勝、準優勝の2人は力が飛び抜けていたが、あとは勝てない相手ではなかったと思うのであと1つ2つ勝って欲しかった。(1年生全体で)どっちが勝ってもおかしくない五分くらいの試合だったので、そこまで稽古が足りていないし、体もこれから大きくしないといけないし成長途中。具体的にこれからの1年生は、4年間でどれだけ一生懸命自分で考えて稽古して、その4年で花開けるかどうか。「3年先の稽古」が大事なので、目先の勝ち越しではなく、将来的に安定して勝てる選手になれるようになってほしい」
東
「3回戦の相手とは体格差があったが、立ち合いでしっかりやればいいので気にならなかった。左から攻めようと思っていた。初めての公式戦だが、緊張は思ったほどなかった。今日の目標はベスト4だったが、ベスト16で負けてしまい、決勝トーナメントでは勝てる相手だったが前に出る相撲が出来なくて、後ろに引いてしまったので、前に出る相撲を取れるようにしたい。今後の目標は、全国大会で団体優勝が出来るような力をつけたい。(新しい生活は)熊本から東京に来て、寮生活は初めのうちは土俵の掃除など仕事が大変だと感じた」
藤原
「ベスト16に入ったが自分は満足していない。今日の目標はもう一つ上のベスト8だった。(緊張は)先日に出場した宇佐大会では緊張したがのびのびすることができた。そのせいか今回は緊張せず、体調は良かった。(今日の初戦は)土俵際で相手の体勢が崩れたので決めるべきところを決めただけ。特にパワーとかで押したとかではない。(3回戦の納谷選手は)意識はやっぱり少しした。でも勝負事だから気持ちはすぐに切り替わった。(きれいに技が決まったが)相手は自分よりも大きいので下からいってうまく左をさすことができた。立ち合いからうまく入れた。狙い通りです。決勝の初戦は相手の方が立ち合いがうまかった。(大学4年間の目標は)4年後個人戦で優勝すること」
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