拓大に敗れ4強ならず 順位決定戦へ/関東大学選手権

 昨年の再現とはならなかった。17年ぶりのベスト4入りを決めた昨年の準々決勝と同様、今年も拓大との対戦。第1クオーターから拓大のアウトサイドシュートが決まり、10点ビハインドの苦しいスタートになる。その後は一時は4点まで点差を縮めたが、最後はターンオーバーが重なり主導権は拓大へ。79―91で敗れ、順位決定戦に進むことが決まった。

 スターターは、會田圭佑(法4=市立柏)、齋藤拓実(営3=桐光学園)、吉川治耀(情コミ3=京北)、濱西秀人(国際3=国学院久我山)、今川友哲(営2=大阪桐蔭)。

 追い続けた背中は、最後に振り切られた。8点差で迎えた第4クオーター、拓大のエース・バンバや成田に得点を奪われながらも、森山修斗(政経2=瀬田工)や會田の3Pシュートで対抗。取られても取り返し、点差を6点以内に抑えながら試合を進めた。しかし「1本欲しいところでこっちがうまくいかなかった」(齋藤)と要所での勝負強さが足りず。速攻でゴールに持ち込むことに成功しても、あと一押しのところでリングを揺らすことができない。そして残り6分には「一番悔しかった瞬間」と今川が五つ目のファウルにより退場。今川を失ったインサイドはバンバを止められず、ことごとくゴール下を決められていく。終盤も前半から見られたターンオーバーやパスミスが頻発。流れが拓大に渡ると、フリースローでもじわじわと点差を広げられ、最後は79―91。2年連続の4強入りはかなわなかった。

 爪痕は残した。13点ビハインドを追う第3クオーター開始1分、オフェンスリバウンドからつないだチャンスを齋藤の3Pシュートで終わらせると、會田はドライブからレイアップを決め、すぐさまスティールから速攻。そして今川と齋藤の3Pシュートを含む連続得点で、4点差にまで追い詰めた。特に會田はこの日チームハイの24得点をマーク。「思い切りやろう」と3Pシュートも3本決めた。大会前には「シュートの精度が上がってきている」と話した通りの完成度を披露した會田。ラストイヤーは好調な滑り出しを切った。

 この借りは秋に返す。ディフェンスはバンバ対策にダブルチームで徹底マークすることを決めた。終盤の猛攻により合計40得点を奪われたが、人数を使って守ったことでミスショットに封じた場面も見られた。だからこそ「バンバ以外の相手をもう少し抑えられたら」(齋藤)。多田をはじめとする拓大シューター陣へのカバーが遅れ、フリーで打たせてしまった。ディフェンスが課題に残ったものの、第3クオーターの追い上げも含め「自分のプレーが通用するというのもわかってきたと思う」(田中井紘章主将・政経4=山形南)と収穫も得た一戦だった。バンバのマークマンを担った今川も「リーグ戦でやり返すしかない」。勝負の秋のリベンジを誓った。

 順位決定戦となる次戦は中大と対戦する。中大を倒さなければ5位決定戦には進めない。「5位で終わるのと8位で終わるのとは全然違う」(田中井主将)。ベスト4は逃したが、まだ終わったわけではない。最後まで気持ちを切らさずに、一つでも上の順位を目指したい。

[田中愛]

試合後のコメント
田中井主将

「最低限の目標であるベスト8に到達した一昨日の国士舘戦で得た一番の反省点が、自分たちのやりたいバスケができなかったこと。だから今日の試合は、まず最初に自分たちのディフェンスをして、早い展開に持っていって簡単なシュートを決めるということを意識した。今までやってきたボックスアウトやチームオフェンスをみんなでやっていこうという話をしてから試合に臨んだ。それが今日はできたというのは自分たちでも大きい成果になった。拓大は結構自分の中では上の存在だと思っていて、案外やってみたらできるもんだなという自信にもつながり、みんなも多分自分のプレーが通用するというのもわかってきたと思うから、あとはリーグ戦までに、18番の1年生のシューターの子に決められたっていうダメだったところを修正し、リーグ戦でリベンジしたい。1クオーターのときに攻めのディフェンスができていなかったことが一番の反省点。そのせいで1年生のシューターの子に3Pを何本も決められたということもあった。自分たちの一番の強みであるはずのディフェンスがまだまだ甘かった。残りの試合は、一試合一試合やることをしっかりみんなで話し、前の国士の時のように意味のないというか自分たちのやりたいこともやらずに終わる試合にはならないようにしたい。5位で終わるのと8位で終わるのとは全然違うと思うからみんなで楽しく勝っていきたい」

會田
「バンバをフルフロントで守ることと、ローポスト入ったときのクイック、カバー、ダブルチームを意識して試合に臨んだ。できたところもあればゴール下やられたところもあった。バンバの外のスリーは仕方がないとして、ある程度守れたかな。(前半は)インサイドの部分では守れていたが周りのシューターにやられていた。そこのローテーションとかダブルチームいく人のことを修正しなくちゃいけなかった。試合前に健一さんからマイボールになったら全員走って、ファーストブレイクって言われていてその部分は入りはできていた。全員がリング向かっている時間帯はあったし、弱気になって、最後はターンオーバーしてっていうのもあった。最後まで強気でいくのが課題。去年までは弱気になってリング向かえないこともあったが、今日は吹っ切れて思い切りやろうと思っていた。それがいい結果につながった。ここで1本欲しいってところで決め切れるセットプレーが欲しい。ターンオーバーで終わっちゃったのでガードとしても反省している。今川のファールトラブルもあったが、相手のスリーも止められなかった。(反省は)ターンオーバーが全て。(バンバ)コミュニケーション取れて、裏も取れたので良かった。後半は外のシュートが多くなってきて、ドライブがないってベンチから言われていた。そこで誰が強く中にいけるかが課題。(順位決定戦)まだ終わったわけじゃないので。ここでやれる経験を大切にしたい」

齋藤
「ベスト4に入りたいという気持ちはみんな持っていたけど負けて、10点ちょっとの差だったけど力の差を感じた。自分たちのチームはまだまだ若かった。でもその分今川だったり森山だったりがバンバについたりして経験できたっていうのが、この試合で一番大きなことだったかなと思う。ある程度やられるのは分かっていましたけど、バンバを止めるというプランだった。ただ、チームディフェンスとして多田だったり成田さんにやられてしまったっていうのを感じた。バンバ以外の相手をもう少し抑えられたらもっと試合運びを楽にできたのかなと思う。バンバにダブルチームにいった時に富山だったり55番にリバウンドを取られたりしたのが一番もったいなかった。4点差に詰めてもすぐ次しっかり決めてくるし、ずっと6点8点のシーソーゲームが途中ずっと続いたが、1本欲しいところでこっちがうまくいかなかったり、逆に向こうは成田さんがコントロールしてバンバの能力を生かしてきた。そこもチーム力の差かなと。ターンオーバーはチームみんなでやっちゃってる感じがあった。ターンオーバーも痛い場面、本当に要所で出て、やっぱりチームが若いなって。大事な部分が分かっていればそういうプレーはしないだろうし。去年だったら伊澤さん(実孝・現パスラボ山形ワイヴァンズ)はターンオーバーが少ないインサイドプレーヤーで、それと比べると森山や今川はどうしてもターンオーバーが多くなる。チームのターンオーバー数が増えないようにするためには、やっぱりガードがゼロを目指してやらなければいけない。さっきのミーティングでも話したが8位で終わるよりは5位で終わる方がチームのためになる。チームみんなが納得いくような勝ち方で終われるようにしたい」

今川
「試合前に40分出るぞって覚悟はしてたけど、しんどかった。(ファウルアウトは)一番悔しかった瞬間。やってくれるって信じて下がるしかなかった。(バンバとのマッチアップは)裏ばっか取られていた。どう止めたらいいんかって試合中もずっと考えていた。どうしようもない。フィジカル付けるしかない。リーグ戦でやり返すしかない。裏は仕方ないからファール取られずにやることやれって言われてて、でも前半で3回やっちゃって。前半はびびっていたし、自分的には全然良くなかった。後半は1発目で打っていいって言われてて。それを意識して、速攻でレイアップいけたところも打つぞって気持ちでいって入って良かった。(3Pは)入って良かった。流れ良くなってもう1本決めたかった。入るようになったのは成長。拓殖は最後は結局バンバのところで決めてきた。そこをどうしたらいいか。(順位決定戦は)5位を絶対取る」

森山
「(試合を通して)今日はチーム全体でバンバを止めることを課題にしていたので、自分はバンバに付いていた今川をカバーする形になった。いつもと比べてバンバを抑えられたと思う。リバウンドを取られたことがあったり、バンバについていた今川にあまり休みを与えることができなかったので次また拓大とやるときは課題をしっかりとこなしたい。(反省点として)前半タイミングが悪く内に入れずシュートにバラつきがあったので、内外でもっと流れを作りたかった。(後半の連続得点について)ハーフタイムで学生コーチから言われた『外ばかりにいるとガード陣に負担がかかる』ということを意識した結果、内外をうまく使うことができて得点につながった。(今川が抜けた時間帯は)今川の位置も練習していたので、練習でやってきたことをそのままやればよかった。高さでは劣っていたがディフェンスでもチームで動いて相手が落としたボールを確実に取るということをやっていた。(次の試合に向けて)拓大に負けてベスト4は逃してしまったが次試合でも自分達がやることは変わらないので、与えられた役割をしっかりこなしたい」