
主将のブザービーターから爆発 国士大下しベスト8/関東大学選手権
スターターは、會田圭佑(法4=市立柏)、齋藤拓実(営3=桐光学園)、綱井勇介(文2=大阪学院)、濱西秀人(国際3=国学院久我山)、今川友哲(営2=大阪桐蔭)。
主将の気迫が空気を一変させた。39―37で迎えた第3クオーター残り1分。田中井がブザービーターとなる3Pシュートを含む連続得点を挙げた。ゴール正面から3Pシュートを沈めるとガッツポーズをし、ほえた。「やっとキャプテンらしい仕事ができた」(田中井)。第1クオーター以来の7点リードとなり精神的にも優位に立った明大は、第4クオーターで23得点のゴールラッシュ。点差を広げられず重苦しい試合展開が続いたが、主将の踏んだアクセルで爆発した。齋藤のパスから森山修斗(政経2=瀬田工)、濱西と2本のアリウープが飛び出すなど、観客をもうならせる攻撃で国士大を圧倒。終わってみれば67―47と20点差を付けた。
特別な思いがあった。2年前の新人戦。今と同じく田中井が新人戦主将を務め挑んだが、3回戦で国士大に敗れた。63―64と1点差だった。今大会、チームが「最低限の目標」と定めたベスト8入り。雪辱の意味も込め、あえて掲げたベスト8だった。宿敵を下し「壁を一歩クリアできたというか、国士舘にリベンジを果たせたことは素直にうれしいこと」と田中井。勝利の喜びもひとしおだ。
求める理想は高い。この試合は第3クオーター残り5分で逆転されたシーン以外は1度もリードを渡さなかった。総失点も47と数字だけ見ればよく守ったと言えるだろう。しかし山本健一監督は「今日の試合内容は最低。守れていたというよりも、相手のシュートの成功率が低かっただけ」と不満顔。「気の緩み」を指摘し、改善を求めた。選手も「我慢して守らなきゃいけないとこで我慢できていなかった」(田中井)と反省した。20点差の快勝にも慢心の様子はない。
準々決勝は2年連続で拓大との対戦が決まった。昨年はシーソーゲームを1点差でものにし、17年ぶりに4強入りを決めた。カギはインサイド。この日チームトップの23得点を挙げた今川も「やっぱりバンバ。そこを守れば」と気を引き締めた。実力が試される大一番、チーム一丸で勝利をもぎ取る。
[尾藤泰平]
試合後のコメント
山本監督
「今日の試合内容は最低。相手に合わせてしまったので、1クオーターは11-0で始まったがあの辺で選手たちに気の緩みが出て、チームとしてやらなきゃいけないバスケットが機能していなかった。11-0も練習でやったことをしっかりできたからあの点数を取れたのであって、そこからは全然取れていない。やっぱり気持ちに緩みがあって試合に集中できなかったことが、3クオーターでああいうふうに競った要因。(ディフェンスは)守れていたというよりも、相手のシュートの成功率が低かっただけでそこに助けられたという感じ。必ずしもディフェンスが相手にプレッシャーをかけたことで相手の成功率を下げられたわけじゃない。(拓大戦は)強力なセンターがいるのでそこをどうやって攻略するか。あとは、拓大さんは一人一人のワンオンワンの能力が高いのでそこにディフェンスがどこまで通用するかを確認しながら頑張っていきたい」
田中井
「1クオーターの出だしで自分たちのやりたいバスケができていたが、逆にそれがあだとなってしまった。気持ちよくバスケットをできている時こそもっとハードにディフェンスをやったりしなければならなかった。前半はターンオーバーが多かったので、上に行けば行くほどその数は減らさないといけないと思うし、そうじゃなきゃ勝てない。自分たち的には守れていたと思ったけど、監督さんから見たら、まだまだ相手に気持ちよくシュートを打たせていたということで、相手もスムーズにオフェンスをできていた。正直な話、相手が外のシュートが入らなかったのがでかかった。我慢して守らなきゃいけないとこで我慢できていないディフェンスをしてしまったのが駄目だったところだと思う。そういう反省点を踏まえて拓大戦に臨みたい。(ブザビは)正直拓実(齋藤)からパスが来ると思ってなかった。まあ決められて良かったというのと、キャプテンらしい仕事ができたんじゃないかなと思う。新人戦でふがいない思いをしたので、そういった意味では壁を一歩クリアできたというか、国士舘にリベンジを果たせたことは素直にうれしいこと。勝ったことは本当にうれしい。勝ちに満足するんじゃなくて、ベスト8に残ったチームは全部強いので、それを相手に自分たちのバスケができるか。ここからが勝負になる」
今川
「インサイド強い相手に対して、自分たちはインサイド一人しかいられない時間帯もあったけど秀さん(濱西)とか森山が頑張ってくれた。相手のインサイドに寄れたことで、シュートが外に外れてくれた。ローテーションしっかりできて守れた。外のディフェンスが中をカバーして、外も自分らインサイドでやれた。外の人にはだいぶ迷惑掛けたけどチームとして守れた。相手もインサイド強いけどそこを怖がったら負けって健一さん(山本監督)からも言われてて、僕らでっかい三人組で、中もリバウンド取りに行こうと話していた。(3Pは)たまたまやって言われますけど、もっと決めていきたい。これから。今日は点取りにいけって言われていたので、取れて良かった。(得点が取れない時間帯は)あの重い時間帯を守れたのは強み。点取らないのは弱みだけど、ディフェンスは60点以下なんて本当にいい方。相手のオフェンスが悪かったのもあるけどチームとして良かった。(課題は)僕もそうですけどポロリポロリが多くて、精度を上げなきゃいけない。ディフェンスもフリーで打たれてたら、強いチームには通用しない。1ピリからバッテバッテやったんで体力付けなきゃいけない。いつもは7分くらいで交代するけど今日は出ずっぱりで。人数少ないからつらいって言ってられない。(拓大戦は)やっぱりバンバ。今日は臼井さんと馬っていう二人がいたけど、拓大にはバンバしかいないかもしれないのでそこを守ればと思う。絶対勝ちます」
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