河面2試合連続FK弾も桐蔭横浜大と1-1ドロー/関東大学1部リーグ戦

2016.04.30
河面2試合連続FK弾も桐蔭横浜大と1-1ドロー/関東大学1部リーグ戦

 価値あるドローで勝ち点1をつかみ取った。第4節終了時点で首位を走る好調桐蔭横浜大との一戦は、前半39分にクリアボールをカットされてそのまま先制点を献上。強風の風上に立った前半だったが決め手を欠き、1点ビハインドで前半を折り返す。選手交代、システムチェンジで攻勢に出た後半はゲームの主導権を握り多くのチャンスをつくった。そして後半38分、ゴール正面で得たFKを河面旺成(政経4=作陽)が直接決める。その後も最後まで逆転を狙い続けたが、1-1の痛み分けでタイムアップとなり3試合ぶりの白星とはならなかった。

 2試合連続で正確無比な左足が火を吹いた。1点を追い掛ける後半38分、ペナルティエリア手前で途中出場の岩田拓也(商4=FC東京U―18)が倒されFKを獲得。凛とした表情でボールの前に立った河面は、短い助走から柔らかく左足を振り抜いた。「壁が低いところがあったので、そこを狙うイメージをしていました」(河面)。壁の前に味方を立たせGKからボールを隠せば、あとは自慢の左足と頭の中のイメージを共有するだけ。抑えられたボールは緩やかに巻かれ、ゴール左隅に吸い込まれていった。前節に続き直接FKを沈めた河面は「決めていくことで自信を深めていければ」と笑顔。チームに欠かせないレフティのプレースキッカーとして存在感を高めていく。

 思い通りのゲーム運びはできなかった。強風が吹き荒れる中、前半風上に立った明大は立ち上がりから中盤を省略するロングボールを多用。しかし、丹羽詩温(文4=大阪桐蔭)、土居柊太(政経3=浜松開誠館)の2トップに効果的なボールを供給することができず。中盤以降でもパス回しのテンポが上がらず、道渕諒平(農4=ベガルタ仙台ユース)、渡辺悠雅(営2=横河武蔵野FCユース)らサイドアタッカーが孤立する場面が何度も見られた。「前半20分、30分くらいは攻守において頭の切り替えの部分というのが遅くて相手に先手を取られて何気なく試合が運んでいってしまった」と道渕。立ち上がりからいかに明大らしいサッカーを展開し主導権を握っていけるかが目先の課題といえよう。
   
 チームの共通意識は高まっている。後半開始から2人目、3人目のサポートが早くなりポゼッションを高めていく。後半15分に岩田が入り前線を活性化すると、続く25分には岸本英陣(商3=帝京大可児)に代わって櫻井敬基(政経3=藤枝東)が投入され3-4-3にシステムチェンジ。「3バックにしたら攻撃的にいくというチームの共通意識があります」(河面)と前の人数を増やすと、ゴール前の細かいパス交換から何度も桐蔭横浜大ゴールを脅かした。中盤のスペースは柴戸海(政経3=市立船橋)、牛之濱容(法3=アビスパ福岡U―18)のダブルボランチがしっかりとケア。セカンドボールを拾うことで攻撃に厚みをもたらした。同点後もゴールへと向けられた矢印はブレることなく、最後まで逆転ゴールを狙い続けることができた。

 貴重なドローを次節へとつなげる。「追い付いたことを良しとして、また切り替えて次節に向かっていきたいと思います」(栗田大輔監督)。開幕2連勝から一転、ここまで3試合白星から遠ざかっているものの焦りはない。長い目でシーズンを見れば、終盤で追い付いた今節も価値のある勝ち点1を手にすることができた。
 次節の相手は駒大。今節でも勝利を挙げ勝ち点8で暫定3位と好調をキープしており、シンプルなサッカーでアグレッシブに攻め続けるのが大きな強みだ。はっきりとした戦い方をしてくるであろう駒大に対し「それに合わせて自分たちも蹴らずにしっかりと下からつないでいきたいです」(河面)。自分たちのサッカーを貫き、4試合ぶりの勝ち点3をつかみにいく。

[鈴木拓也]

日付 対戦相手 会場 キックオフ時間 スコア
◆第90回関東大学リーグ戦 前期日程◆
(スコアをクリックすると試合の記事にリンクします)
4・2(土) 慶大 味フィ西 14:30 ○3-0
4・9(土) 法大 味フィ西 11:30 ○2-1
4・16(土) 流経大 たつのこ 14:00 ×0-1
4・23(土) 筑波大 川口 14:00 △2-2
4・30(土) 桐蔭横浜大 BMWス 14:00 △1-1
5・8(日) 駒大 中銀スタ 14:00
5・15(日) 専大 味スタ西 14:00
5・21(土) 順大 味スタ西 14:00
5・29(日) 国士大 多摩陸 14:00
10 6・5(日) 早大 浦和駒場 13:00
11 6・11(土) 日体大 味フィ西 11:30
※4月23日時点

順位 チーム名 勝点 総得点 総失点 得失点差
◆順位表◆
【第5節暫定】
桐蔭横浜大 11
早大 11
駒大
明大
法大
順大
慶大 10 -3
筑波大 -1
専大 11 -3
10 国士大 -3
11 流経大 -3
12 日体大 -5

試合後のコメント
栗田監督

「追い付いたことを良しとして、また切り替えて次節に向かっていきたいと思います。立ち上がり20分の入りが悪かったので、風上ということもあり単調にボールを蹴りすぎてしまった。始めから勢い良くやり切ってくれれば、後半みたいなサッカーができたのかなと思います。その辺は甘さというか固さかなと思います。(牛之濱の先発起用は)守備からきちんと入って牛之濱と柴戸で真ん中をしっかりと固めて攻撃につなげていこうという狙いがありました。ゲームを通してファイトしていたと思います。(岩田の投入で前線が活性化されました)前半の頭から丹羽と岩田が飛ばし過ぎてしまうと、どうしても後半運動量が落ちてきてしまうので、今日は途中から岩田を入れる頭を持っていました。そういう意味ではアクセントになってくれたと思います。(河面の2試合連続となるゴールについて)キックの精度はもともと素晴らしいものを持っているので、そこは良かったと思いますけど、ゲームの流れで点が取れていないことが今のうちの課題なのでそういうところも含めて来週1週間取り組んでいきたいと思います。(同点に追い付いた後も佐藤を投入しより攻撃的にいきました)桐蔭横浜の前に行く力というのが最後はあまり無かったので、ここで勝ち切らないと年間を通じてのチームの成長もないと思ったので攻撃的に行きました。(3試合勝ち星はありませんが)昨年のチームもこういうことはあったので、焦らずに来週の試合に勝つことが一番大事になってきます。まだ駒澤の試合を見ていないので、しっかりと分析をすることが大事ですけど、それ以上に自分たちのサッカーをすることが大事になると思います」

河面
「(ゴールシーンは)結構近い位置だったので、壁の前に味方を立たせてGKからボールを見えないようにして、壁を越えたら入るかなとは思っていました。壁が低いところがあったので、そこを狙うイメージをしていました。決めるという考えを持って試合に入っていますけど、ゴールを決めることで自信を深めていけたらと思います。今年は点を取ることもそうですけど、数字としての結果を残すことを目標に掲げているのでこだわっていきたいです。(2試合連続ゴールもチームは3試合勝ちがありません)前の選手がもっと点を取れるようになったら楽になるのかなと思います。流れの中からの得点は前の選手だけでなく、クロスの精度だったりラストパスの精度だったりが大事になるので、全体として底上げをしていかないといけないと思います。昨年と同じようにならないように、自分たちでミーティングをして勝つために何をやるべきかということを話しているので、1回勝てればもう1回勝ち続けることができるかなと思います。(風上に立った前半は)監督からも言われましたが、前半20分の立ち上がりが悪かったです。風上だったので前半のうちに試合を決めたいということは話していましたが、思ったような試合運びができなかったです。前半はボールを持っても孤立するというか、後ろに下げることが多かったので、後半はリズム良く動かして、パスのタイミングで走り出していることを意識していました。(岩田の投入からより攻撃的なシステムに)3バックになったら前の人数が増えますし、みんな技術があるので相手の嫌なところを突けたかなと思います。3バックにしたら攻撃的にいくというチームの共通意識もあるので、そこで点を取れたことは良かったかなと思います。(次節に向けて)次が駒澤ということで相手のサッカーは分かりますし、それに合わせて自分たちも蹴らずにしっかりと下からつないでいきたいです。下でつないで前にどんどん出ていってラストの精度を上げられるよう取り組んでいければと思います」

道渕
「今3戦勝ちなしという状況なんですけどやはりそこには原因があると思っていて、その原因というのは試合の入りというのがチームとして悪くて、前半20分、30分くらいは自分たちのサッカーができずになんとなく試合を進めていくうちに事故みたいな形で失点してしまっているので、もうちょっと立ち上がりというところを改善すべきなのかなと思っています。後半失点してから攻めにいくというか勢いが出たので試合開始直後からできるような準備であったりメンタル面であったり、そういう準備をしていかなければいけないなと思います。(前後半で変えた部分は)守備から攻撃、ボール奪ってからの切り替えがたぶん遅くて、前に入っても全体のラインが押し上がらずにサポートも遅くて前半は孤立する場面もあったと思いますけど、後半は特に変えた部分ではないんですけど、前半の残り15分くらいからは頭の回転も速くなっていて全体的なサポートも早くなっていったので、必然的に後半も勢いが出たのかなと思います。風上でチームして押し込んでいくというのが狙いだったんですけど、攻守において頭の切り替えの部分というのが遅くて相手に先手を取られて何気なく試合が運んでいくという、自分たちのサッカーができずに時間が過ぎていくという時間だったので、そういうところをしっかり改善していかないといけないと思います。(3―4―3に変更してから同点に追いつきましたが)3―4―3で勢いが出るというのは分かっていたんですけど、それを4―4―2でも試合開始直後からできないと、3―4―3に変えるということは自分たちのプラン通りに進んでないということなので、3―4―3は結構苦肉の策という感じです。勢いが出るのは分かっているのでその中で点は取れていないので1点しか、そこで逆転できなきゃ駄目だなと思います。(次節駒大戦)また明後日から、自分たちがやってきていることは間違ってないと思うので練習でしっかり準備して、毎週の積み重ねなので今回の試合で出た反省を生かして改善できるようにこの一週間取り組んでしっかりいい準備して臨みたいと思います」

牛之濱
「(試合を終えて)初スタメンなので固くなるかなと思っていたんですけど、緊張することなくのびのびやれて自分の良さは出せたと思います。でも前半の入りで結果につながんなかったのは課題になりました。風上だったので前半のうちにリードされてしまったが、風下になっても焦ることなく最後FKで点を取れて終われたのは大きいと思います。(起用について)やっぱり守備から入るということで、自分のストロングポイントが守備なので柴戸と二人で起用したという話はされました。柴戸とは試合中に守備について話し合いながらできたので、もう少し高めていけたらと思います」

柴戸
「立ち上がりが悪くて、自分たちが得意なゲームに進まなかったけど、最後同点に持ち込めたのは今後のリーグ戦を考えれば、良い結果だったと思います。自分たちの頭が止まってしまい、サポートだったり、次のプレーの予測だったりが遅くて一人一人考えることができていなかったことが一番の要因です。遅い部分は考えていない部分につながっていきますし、立ち上がりは全員がはっきり統一してプレーしてやっていかないと自分たちの流れにはなりません。流れが悪い時間に失点してしまうということは自分たちの弱さといえます。甘さや緩さがこのチームにはあると思います。後半の終盤では相手の足も止まってきて、自分たちが保持しながらやるのは練習から意識していますし、精度を高めてやっていかなきゃなりません。1点しか取れていませんし、前半の最初からできるようになるのが今後の課題だと思います。ロングボールが風下の時には多くなったり、DFラインの裏まで行くことがあったけど、そういう時はボランチの自分と容(牛之濱)がプレスバックをしてセカンドボールを拾うということで今回は拾える部分と拾えない部分がったので、自分たち2人がもっと拾えるようにしたいです。それをもっと攻撃につなげて自分たちボランチが守備から攻撃の精度を高めていきたいです。(牛之濱とのコンビは)攻撃もできますし、守備もできますのでやりやすいです。(3戦勝ちなしだが)勝つしかないと思うので、昨年ここから7戦連続で勝ちがなかったので次は勝たないといけないです。やるべきことをしっかりやっていきたいです」