
天王山は1-7で中大に大敗 またしても3冠逃す/関東大学選手権
焦りの連鎖が敗北を呼んだ。1点ビハインドで迎えた第2ピリオド、流れを中大に渡さないために積極的にゴールを狙っていった。5分には左サイドから駆け上がった高橋がゴール前に走り込んできたFW牛来森都(法2=北海)に合わせ、決定機をつくった。しかし、その2分後、左サイドでパックを持っていた坂本(中大)にDFが引き付けられ、手薄になったゴール前に鈴木(中大)が滑り込み追加点を決める。焦った明大は得点を必死に狙うあまりにラフプレーが増加、第2ピリオドでは4回のキルプレーを迎えた。逆に中大にチャンスを与えることとなり、キルプレー中に2失点。第3ピリオドでは右サイドでパックを持っていたFW上野峻輔(政経4=北海)がDFから背後の高橋を隠しつつラストパス、受け取った高橋がしっかりと決め、見事な崩しで1点を返す。しかし、悪循環自体は止めることができず。ゲームを物語ったのは18分、パワープレー中にもかかわらずダメ押しの7点目を許した。「無駄な反則が勝敗につながった」(高橋)と今試合を通して、8回ペナルティーを犯し、キルプレーから計4失点。また「自分で何とかしようという焦りがプレーに表れていました」(DF松金健太・法4=釧路江南)と今年のテーマだった連携の攻めではなく、一人で突っ込んでしまい、パックを取られるケースも見られた。「悔しいです、だたそれだけ」(FW工藤翔介・政経4=北海道栄)。昨年までの主力が抜けたことでチームを作り直した明大だったが、1-7と中大の壁は越えられず。ライバルにまたも敗れ、3冠の一つ目である春を落とした。
先制点を取られたことが試合を決めてしまった。「最初に押している時に点を取れなかったから難しくなった」(間中朗監督)。以前から立ち上がりの悪さに悩んでいた明大だが、今試合は順調なスタートこそ切っていた。「100%明治のペースだった」(松金)と序盤でいえばむしろ優勢で、第1ピリオド開始1分足らずで桂川がワンツーからゴールチャンスを見せる。その後も決定機を何度も迎えるも、「チャンスを生かせない」(間中監督)。そうしている間にキルプレーから先制点を許し、中大に流れを持っていかれてしまった。準決勝の早大戦の後にも「ノーマークやフリーの時に入れている方が決勝で勝つ」とチャンスを生かしてこそ勝利へつながることを話していた間中監督。試合を通して、チャンスを生かせなかった明大としっかり生かしてきた中大との差は歴然だった。
大敗を糧に前へ進まなければならない。中大に大差を付けられ幕を閉じた関東大学選手権。焦りから決勝で敗れたものの、コンビネーションの質、立ち上がりの良さ、準決勝までの少ない失点と新チームにとって多くの収穫はあった。「前向きに捉えたい」(松金)と味わった悔しさと得た収穫を胸に夏のサマーカップ、秋のリーグ戦に向けて選手たちはすでに前を向いている。「強い明治を意識して強い明治を作りたい」(FW川村一希・商4=北海道清水)。このままでは終われない。残り2つのタイトルは必ず明大が取る。
[渡邊弘基]
試合後のコメント
間中監督
「(試合を終えて)最初に押している時に点を取れなかったから難しくなって、流れが悪くなって先に入れられてからのこういう展開になってしまいました。入り方はだいぶ注意していたので、チャンスも作れていました。0―4になってきた時にバタバタになっていて、練習では向こうがどのようにやってくるか分かっていたのですけど、対応が全部遅れて点数取ることにばっかりいき過ぎていたというのが正直あります。焦りから反則が重なってその繰り返しでしたね。チャンスを作らなきゃいけないのにチャンスを逆に中大に与えていました。こういうビッグゲームになるほどシンプルにプレーしなきゃいけないのに最初点数を取られて2点目も取られてから悪い流れがずっと続いてしまいました。チャンスを生かせないことが昨年からの課題で、まだ上積みができていませんでした。磯部が7点取られましたけど、そこまで取られると思わなかったし、磯部はかわいそうでした。これから磯部は育ってほしいし、来年も良いGKが入ってくるので、そのGKに尊敬してもらえるように成長してもらいたく春を任せました。今までの明治にないようなGKとして成長してもらえれば。色んなタイプがあると思うが彼みたいに積極的にやってくれる選手も必要だと思います。(ワンサイドゲームとなったが)自分もホッケーを長くやっていましたけど、こんな大差で負けたことなかなかないので、一回リセットして進んでいきたいです。(試合後どのように声を掛けたか)中大の倍以上やるしかないと話をしました。今日は何言っても落ち込んでいるので、また別の場所で話せたらと思います。(チームの完成度の差)去年の3冠から続いて優勝なので向こうのが上だったんだと思います。まあ他の大学は打倒明治で来るので他の大学よりは大変な部分はあります。中央に勝つのもそうですけど、東洋や早稲田にも勝たないといけません。その辺ももう一回ちゃんと考えてやっていきたいです。練習するしかありません」
川村
「まさかこういう展開になると思っていなかったですけど、本当に明治関係者、OB関係者とかチームに申し訳ないです。先制点取られても大丈夫だと思っていましたが、2点、3点入れられた時、キャプテンとしてチームの士気を高めていく必要があったのですが、できなかったのが1つの敗因ですし、後輩に優勝させたかったです。キルプレーも多かったので、それでは点数取れないですし、点数取られるリスクが高まります。気をつける意識があまりなかったと思いますし、点数取られて集中力がなくなってきたと思うのでそれらが敗因だと思います。第1ピリオド0-1で負けていましたけど、流れはよく点数取って同点にしようって話したんですけどキルプレーがやっぱりあったので駄目でした。チームのは雰囲気は悪くなかったですが、細かいところが足りなかったです。勝ち癖は必要だと思うので、明治には勝てないという印象を持たれたいと思っていますし、させたかったです。強い明治を意識して強い明治を作りたいと思っています」
工藤
「悔しいです、だたそれだけです。雰囲気は良かったんですけど、みんなの準備不足っていうのがありますね。もっとしっかりとした準備が中央の方ができていたんだと思います。キルプレーの練習も結構していたんですけど、キルプレーのなかでの失点も目立っていましたし、そもそも反則をしてしまったことが負けへの道になってしまいました。もっと反則を減らしていかないと今後も勝てないと思います。(3ピリ前は)チーム内では別に下を向く選手もいなくて、絶対勝つぞっていう最後まであきらめない気持ちでした。(1―7で敗戦したことに関して)まさかこんな大差で負けるとは思わなかったですし、自分も最初から動きが悪かったですし準備していたつもりなのですが動きも悪かったので。だからこのへんは自分の反省点でもあるし、中央に良いプレーされて入れられるシーンとかそういうのを見ていても最初は1点で止まって。これからだって思っていたのがやっぱり反則が重なったのが本当に痛いところで。反則してしまったら、プレーの流れも悪くなってしまって。自爆だと思います。(秋に向けて)本当に気を抜けないチームばっかりなのでそこは一個一個の練習から積み上げていって、秋リーグは長期戦なので気をしっかり引き締めていって4年生が中心となって引っ張っていきたいです。とりあえずまず全試合負けなしで優勝したいと思います」
松金
「(試合を終えて)守りの詰めの甘さが明治の課題として明らかになったと思います。一点しか入れてないのも課題ではあるけど、FWだけの問題ではないと思います。良い守備から良い攻撃には絶対につながらないので、守りの部分で中央に劣っていたと思います。(キルプレーでの失点)反則というのは必ず流れを悪くするので、反則をなくしたいタイミングで取られたりして、明治の流れに持っていきにくい試合の流れでした。そこでまたキルプレーでゼロで終っていればまたチームの士気も上がっていたと思うのですが、そこで一人少ないとはいえ守らなきゃいけなかったでした。ペナルティーが多いと勝てる試合も勝てなかったり、もともと厳しい試合になるのは分かっていたので、自分たちの首を絞める形になってしまいました。(ワンサイドゲームに)ここまで差が開くとは。でも中央とすごい差があるのかと言ったらそうではないと思いますし、立ち上がりは100%明治のペースだったと思うので、そこで流れを寄せ切れず、中央の自力の強さが一枚上手でした。本音を言うと流れが良いうちに一点が欲しかったです。明治4年間いる中でベンチではネガティブな言葉が少なく、ポジティブな雰囲気でできていました。でもやっぱり気持ちのどこかには『自分で何とかしよう』という焦りがプレーに表れていました。一人一人のメンタルの弱さというか未熟さというか。これで分かって学べば、次はもっともっと試合の持っていき方もできると思うので、前向きに捉えたいです。(チャンスを生かせ切れなかった)ゴール前の固さや強さが明治は弱くて、中央は強かったです。3ピリの明治が1点取った後のパワープレーで失点してしまったのが一番痛かったです。チャンスをしっかり決めてくることは相手を褒めるのも嫌なんですけど、本当に素晴らしいです。ここまで点数を取りにいかなきゃいけない状況になるとは思っていませんでしたし、その状況でセットも少し変わっている中で、一人一人、そして5人で何をするのかというのが詰め切れなかったです。(今後に向けて)明治はこれまで個がすごく重要視されていましたし、個が求められると思います。一人一人が強くなれば自ずとチームの底上げになるし、自信も生まれます。ここから夏まで、一人一人やるべきことをやるだけですね。ポンポンと点数を取られた試合の中でも、状況打破できるようなプレーってできると思うので、そんな流れをひっくり返せる選手になりたいです」
高橋
「無駄な反則が勝敗につながったと思います。我慢するところは我慢しなくちゃいけないですね。点数を取りに行くってこと自分を使ってくれたんだと思います。去年、自分はケガのブランクがあって最初にシーズン入った時は調子良くなかったんすけど、試合の感覚を徐々に取り戻して良くなりました。負けは今後の勝利になると思うので、切り替えないと駄目です。2年生ですが、氷の上に立ったら学年関係ないので自分を出してチームを勝利に導けるようにしたいです」
磯部裕次郎(政経1=武修館)
「ただ悔しい気持ちでいっぱいですね。やっぱり負けて悔しっていうのもありますし、自分が7点入れられて負けたっていうのはすごく多い失点だったので自分に対しての不甲斐なさっていうのをすごく悔しい気持ちでいっぱいでした。試合が終わってこのふがいない結果に本当に先輩方に対して本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。(佐藤さんからは)『まだ秋もあるしインカレも残っているから、1年生っていう立場で重圧あったとおもうけどまたこれから練習して頑張ろう』っていう言葉をかけてもらいました。やっぱり点数入れられたのは自分であって、責任はすごく感じています。これから少しオフの期間に入るのですが、個人でもしっかり練習していかないといけないなと思っています。(1年生でのGKでプレッシャーは)やっぱりあったのですが、決勝っていう舞台に立つとこんなに多くの観客が入っている中でプレーできたことは本当にすごく良い経験になりました。これから戦っていくうえで、すごく力になると思います。(表彰前は)やっぱり自分の目標であった新人王であったり、ベストゴールキーパー賞も、この結果で当然もらえるわけもなく、やっぱ本当に悔しい気持ちでいっぱいで動けない部分もありました。試合中点数入れられても、自分が引きずっていたらチームにも悪い流れを与えてしまうかなって思っているので。試合中は入れられても笑顔でやるように、その失点はすぐ忘れて切り替えるようにしているのですがやはり連続で2点、3点って入れられて、明治も流れをつかめなかったので、自分の力不足で今回は本当に負けたなっていうのは感じています」
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