二ノ宮がデビュー戦準優勝 アジア・ジュニア出場権獲得/JOC全日本ジュニア選手権

2016.04.25
 堂々たる大学デビューも、不完全燃焼に終わった。2日間にわたって行われたJOC全日本ジュニア選手権。3回戦以降が行われる2日目に明大からは6選手が勝ち進んだ。その中でルーキーの二ノ宮寛斗(営1=岐南工)が決勝で惜しくも敗れるも、準優勝に。この結果により5~6月に行われるアジア・ジュニア選手権への出場権を獲得した。
 悔しい銀メダルだった。決勝で二ノ宮が対峙したのは同じルーキーの石黒(日大)。「組み合わせが出た時点で、決勝で倒すことしか考えていなかった」。昨年のインターハイ決勝で敗れていた相手だけ闘志が燃えていた。しかし、持ち味の俊敏なタックルが影を潜めてしまう。開始30秒で右足をつかまれるとバックを取られ2ポイントを献上。「相手がタックルできる選手とわかっていて、自分がタックルを切れなかった」と0-4で第1ピリオドを終了した。残り3分での反撃を狙ったが「体力と気力がついてこなかった」。第2ピリオド中盤には左足をつかんで投げ倒し、回転技を仕掛けようとするもあと一歩及ばず。2-5で試合が終了すると、マットにしゃがみ込んで悔しい表情を隠せなかった。
 それでも驚異の強さだ。2回戦から準決勝までは、第2ピリオドを待たずしてテクニカルフォールで勝ち進んだ。二ノ宮の長所を「あの階級にしてスピードがあるところ。逃げ腰じゃなくて向かっていくところがいい」と多賀恒雄副部長。しかし、自身は大学デビュー戦を終え「自分の力不足というのを痛感した」(二ノ宮)と現状に満足することは決してない。昨年まで2年連続で世界カデット代表に選ばれ、今年も国外選手との対戦切符を手にした。それでも貪欲なルーキーは大学での頂点を目指し、地道に練習に励んでいく。

 昨年以上の成績を残してみせる。大山博貴主将(営4=仙台育英)率いる部全体での初陣は来月に行われる東日本リーグ戦となる。昨年には総合順位を1つ上げて8位となった明大。今大会でも入賞の二ノ宮だけでなく、4人がベスト8の結果を収めた。チーム力を底上げするためにも下級生の活躍は絶対条件。選手たちの熱い闘いに期待したい。

[土屋あいり]
試合後のコメント
多賀恒雄副部長

「二ノ宮の2位は妥当なところだと思うよ。準決勝の相手が結構強い選手で、しかも地元の先輩だったんじゃないかな。レスラーってのはなかなか先輩に勝てないものだから心配してたんだけど、結局圧勝だったね。あと二ノ宮に言ったのは、二ノ宮はどちらかと言えばリーチのない選手で、向こうはリーチがある。例えば永井と事実上の決勝みたいになった内藤(国士大)とかさ。そういうタイプの選手には特に近付いていかないとダメなんだよね、でも、結局決勝では相手の間合いで試合をしてしまった。近付いていくやり方、この技術を覚えていかないとまた同じような結果になっちゃうよね。二ノ宮の長所はあの階級にしてスピードがあるところ。逃げ腰じゃなくて向かっていくところがいい。リーグ戦では1年生で大変だと思うけれど、多分彼が鍵を握っているよ。何としてでも去年以内の順位にしたい。なかなか簡単ではないけれど、こらから後10日ほど頑張ります」

二ノ宮
「少し減量はあったけど、調子も上手く調整できていたので優勝する気で臨んでいた。(日大・石黒選手) 組み合わせが出た時点で、決勝で倒すことしか考えていなかった。もうずっと倒すために練習をやってきた。フリースタイルであたるのはこれで4回目。リベンジしたいというのはインターハイで負けた時からずっと思っていた。(決勝戦) 相手がタックルできる選手とわかっていて、自分がタックルを切れなかった。全部取られたポイントがタックルだった。これから色々と見直していかないといけない。自分もタックルでポイントを取っているので、決勝でもタックルを切れれば勝てていたと思う。インターハイの時もタックルで負けたので、まだ成長できていない部分が大きい。最後取りにいこうと思っていても、体力と気力がついてこなかった。まだまだ自分の力不足というのを痛感した。もっと追い込んで練習したりだとか、体力でも気持ちの面でも頑張っていきたい。明日から練習があるので、とりあえず体力をつけて相手も体が大きいので、次やるときには自分が楽に勝てるぐらいにしたい。(大学レベルの試合) 同い年とか、高校生でも優勝している選手がたくさんいて、それに比べて自分はまだまだ甘いなと思った。他の大学とか年下の選手とかそれ以上に練習していかないといけない。技術の面では先輩とか先生にもアドバイスを貰ったが、自分の形というよりも、相手が何をしてくるというのを考えた上でそれに対応する組み手というのをこれからしっかり覚えていかないといけない。(これから)まずリーグ戦があるので、自分は出るか分からないが、出たら明治が勝てるように頑張りたい。アジア・ジュニアでは外国人と戦うことができるので、アジアでも優勝を目指して練習をしていきたい。新人戦でも勝ち上がれば必ず(石黒選手と)あたると思うので、そこでリベンジできるようにこれから毎日頑張っていく」