
男子最終戦は勝利で閉幕 女子は強豪・日体大に敗戦/関東学生1部リーグ戦
[男子]
粘りで手繰り寄せた白星だ。最後のリーグ戦第5戦は、中大を相手に約200点の差をつけ勝利。今回に向け掲げた目標の3900点こそ届かなかったが、4年生にとってのラストゲームでチーム全員の意地を体現した。
「悪い終わりではなかった」(佐藤瞭平主将・法4=世田谷学園)。約1カ月近くにわたって行われたリーグ戦も今回が最終戦。また男子チームは王座出場の夢が絶たれたことにより、部を率いた4年生の最終試合となった。50mは課題が残るも、そこで作ったリードを30mでも守り勝利。有終の美を飾った。最終成績は2勝3敗と負け越すも、チーム新記録を更新するなど手応えと実力伸長を実感したリーグ戦。男子は絶対的エースの存在を欠く中で、一人一人の層の厚さが際立つ試合を展開した。佐藤は「本当によくやってきてくれた」と感慨深げに話した。射線の一歩後ろで最後まで声を枯らし、チームを思い続けた主将。この強い思いを引き継ぎ、来年は雪辱を果たす。
新たなチームでリベンジを誓う。かじ取り役は次期主将・牧口和樹(政経3=明大中野)を中心とした3年生に引き継がれる。運営だけでなく「誰よりも練習して結果を出す」(牧口)。肩書きだけでなく、いちプレーヤーとしても覚悟を見せた牧口。同期、後輩にはリーグ戦でフル稼働の千葉祥平(法3=鎌倉)・高田健太(営2=関西大倉)をはじめ充実の戦力がそろう。今期と比べ主力選手に大きな変動が見られないのも安心材料だろう。「王座でも勝っていけるチームになってほしい」と、佐藤も期待を込める男子チーム。このリーグ戦で味わった悔しさをバネに、今ここから再出発だ。
[女子]
リーグ戦最終戦は強豪・日体大との対戦。序盤から「圧倒的な強さを見せつけられた」(河西真帆女子リーダー・農4=横浜緑ヶ丘)とその背中をつかむことはかなわず、160点差で敗北を喫した。それでも得点は目標であった2500点に乗る2514点を記録。満足の行く結果とは言えないが実りのある試合となった。フォースには渡邊里奈(政経4=聖徳大女子)、菊池遥(理工3=春日部共栄)、濱田真未(政経2=県立星稜)、吉原彩夏(文2=県立蕨)が入った。
圧倒的な強さの前でも『明治らしさ』を貫いた。日体大は一昨年の王座決定戦で優勝した経験を持ち、団体でも個人でも日本一を狙う名門中の名門だ。前半の50mから徐々に差が開き最終的には160点差。点数だけを見れば大敗と言ってもいいだろう。しかしチームは一切沈むことはなくいつもの明るい雰囲気のまま「最後まで自分たちの射に集中できた」(河西)。応援も人数の多い日体大に押される場面もあったが、最後まで射線の選手に声を届け続けた。点数もチーム記録に6点迫る2514点。精神状態に大きく左右されるアーチェリーというスポーツで自分らしさを貫くことは難しい。強豪相手に『明治らしさ』を貫くことができたのは大きな収穫だ。
Bグループ2位でリーグ戦を終えた明大は次戦、Aグループ2位との順位決定戦を行う。今回のリーグ戦に出場していない選手も出場する予定で「来年のための雰囲気を作る」と河西。また4年生の最後のショートハーフ形式の試合でもあるためさまざまな思いが込められる試合になるだろう。
[石渡小菜美・田中莉佳]
試合後のコメント
佐藤
「今日の試合は自力で王座には行けなかったんですが、他のレンジでやってる拓殖大対東京理科大の試合次第ではまだ王座に行けるっていう可能性がありました。ですが、途中で速報が入ってきて理科大さんが負けて王座はなくなってしまったということで試合の最後の方はやっていました。ただ王座には行けなかったんですが、3800乗っけられたっていうのは終わりとしては悪い終わりではなかったかなと思っています。最後負け試合ではなくて勝って終われたっていうのは不幸中の幸いというか、良かったかなと思っています。(課題であった試合の入りは)やっぱり最後までその課題は克服できなかったっていうのはありますね。どうしても50mの弱さっていうのは最初の頃に比べれば成長はしたんですけども、結果的に克服まではいかなかったと思います。基本ベースとなるメンバーは5戦続いて一緒だったんですが、今年のチームは層が厚いチーム。6番目、7番目、8番目から部全体で言うと12番目くらいまでが点数が拮抗(きっこう)していたので、その時に一番出せるメンバーを選んで出してきました。毎回1人、2人はメンバー変わってるのがありました。その時出せる最高のメンバーを出してきたので。層が厚いからできることかなって思っています。(チームに対して)まずは本当にここまでよくやってきてくれたなってのがあります。チーム始まったときは去年までの前田先輩(悠帆・平28法卒)・増田先輩(圭佑・平28商卒)・上岡先輩(慎平・平28政経卒)っていうすごい先輩たちが抜けて、点数としては下位レベルの点数だったんですが、58代(新3年生)を中心に点数上げてきてくれて記録としては3800にしっかりと乗せられるチームまで伸びてくれたのはうれしい。本当によくやってきてくれたと思います。来年もこのメンバー続いていくので、来年こそ3900乗るチームになってくれると思います。この一年間私たち57代の代だったんですが、点数出してたのは58代、59代(新2年生)のみんな。来年もほとんど同じメンバーでやっていけるということで、今年の経験とかこのリーグ戦の悔しさとかを生かして、来年はしっかり3900出して、王座に行って、王座でも勝っていけるチームになってほしいなと思っています」
牧口
「良い結果も出ず、満足できなかったっていうのが自分の中での思い出です。1戦、2戦は点が良かったんですがそこからどんどん落ちてきたので、それを最後止められずもっと点を出したいと言っていてそれができないのは悔しかったですし、自分の思うように射てなかったというか。しっかり射ってちゃんと10点に入れるっていうことや金的に入れるっていうことが今回できなかったので。それが課題でもあり、自分の中での感覚と当たりがうまくリンクしてない。それは自分の体の動かし方とかそういうものができてないので、これからそれをどうにかしようというきっかけになりました。点数つけるとしたら70点くらい。まだ分からないんですけど東日本大会に行けるかもしれないので、そこは良かったかなと。試合新を射てたり、去年よりは良い結果を残せて。秋くらいからの不調も今になってそれよりは点を出せるようになったので、成長を感じられたリーグ戦だったと思います。(次期主将として)自分の思うように練習できる時間が減ったりというのもあると思うんですけど、自分が見られる存在なので誰よりも練習して結果を出して。運営とかそういう面も頑張っていくんですが、選手としての姿を見せてそういったところで引っ張っていけるような主将になりたいかなと思っています。今年はインカレ全部に出て、全日本ターゲットに出られるような選手になりたいなと思っています」
河西
「初めて日体大との試合をやって、日体大の圧倒的な強さと確立された応援のすごさを目の当たりにした。圧倒されたけど、まだまだ明治もこれにならってやっていけるなと思った。日体大は圧倒的に強かったが、気持ちで負けずに最後まで自分たちの射に集中してできた。目標通り『明治らしく』いられた。2500点を4戦目以外維持することができて明治新ではないけど、それに次ぐ点数を出せたことは可能性を感じる。(課題は)今日だけで言ったら応援。70mまだ射ってないから課題であることはもちろんだが、やっぱり応援も頑張ってきて、明治はこういう応援っていうのができてきた。それでもまだ全国で1位を取るような日体大の応援を見るとやっぱりまだ足らない。(リーグ戦を振り返ってみて)色々な人に支えられた。私が思う以上に周りの人は強くて、精神的にも点数的にも。本当に助けられたし、楽しかった。今までのリーグ戦で一番楽しかった。(順位決定戦は)今まで試合に出ていなかった人が出れるので、その人たちが点数を出せるように、来年のための雰囲気をつくる。本当に本当に最後のショートハーフなので、頑張る」
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