順大に大逆転勝利!フルセットで見せた粘りのバレー/春季関東大学1部リーグ

2016.04.24
順大に大逆転勝利!フルセットで見せた粘りのバレー/春季関東大学1部リーグ
 フルセットを制し順大に逆転勝ちを収めた。これまで2勝2敗の明大に対し3勝1敗と格上の相手となる順大。1、2セット目は、サーブミスやレシーブミスを連発しリズムを作ることができずに敗戦を喫した。しかし3セット目では、序盤で点差を広げられるも中盤から徐々に差を縮め逆転勝利を挙げた。そのまま勢いに乗ったチームは4、5セットを連取し3―2で順大を見事に破った。

 凡ミスが響き流れをつかむことができなかった。「強気なプレーができなくてミスが続いてしまい相手の型に完全にはまっていた」(小林凌・政経4=桐生市商)。第1、2セット合わせて合計9本ものサーブミス、さらに7本のスパイクミスで順大に得点を献上した。1セット目こそ中盤まで競り合いを見せたものの、フェイントとスパイクを巧みに使い分ける相手スパイカーの攻撃に翻弄され徐々に点差を引き離される。15―21、濱中俊生主将(商4=弥栄)がライトから鋭いスパイクを決めるも次のサーブミスで差を縮められず。それに引きずられるように安井康平(政経4=倉敷商)のセンターから放ったスパイクもアウトとなり凡ミスが続く。最後は加藤寛樹(政経3=創造学園)のサーブミスで18―25と敗北。
 第2セットも明大リズムをつくれず大差を付けられての負けとなった。序盤から相手サーブに守備を乱され2―9と点を付けられる。さらにサーブ、スパイクミスで自滅する形で15―25と2セット目も敗戦となった。

 逆転勝利の火種となった第3セット。「セット重ねていくごとに相手のコースもわかってきて対応できて後半に連れてレシーブが良くなってきた」(濱中)とディフェンスの強度が上がり攻撃につながった。さらに小林凌や安井のブロックで高さのある相手スパイカーを封じ込め食らい付く。最後まで得点を競り合ったが24―23のマッチポイント、濱中がレフトから強烈な一本を叩き込み3セット目を見事獲得。

 勝利の光が見えてきた4セット目、コンビを多用し順大のリズムを崩していった。また9―7では大きく上がった二段トスを濱中がクロス真下へ打ち込むなど、決定力の向上も見えた。19―15、川村のサイドラインのぎりぎりを狙ったスパイクが決定打となり相手のミスにより4連続得点を獲得。最後は相手のサーブミスにより25―16と大差を付けて勝利を挙げた。
 15点マッチの最終セット。「こっちにリズムが来ていたので、加速させるために自分でも点を取りにいく」(辰巳遼・文3=清風)とスパイクだけでなく辰巳のツーフェイントなどを交え不意打ち攻撃で相手を惑わした。13―11には加藤が1枚ブロックを避け相手コートの真下にスパイクを叩き込みマッチポイントに。最後は濱中の強烈なスパイクがブロックアウトとなり15―11で最終セットを獲得。セットカウント3―2と逆転劇を見せ、フルセットの末大勝利を挙げた。

 課題と収穫が見つかった。「課題は序盤、自分たちのリズムが作れないときの戦い方」(辰巳)。これまで敗戦した筑波大と東海大戦では1,2セット目でなかなか波に乗ることができずにストレート負けで敗北している。今回も1、2セットで凡ミスが重なり苦しい展開となったが「1、2セット目のどん底の雰囲気から立て直せたというのは去年にはなかった部分。立て直すだけの雰囲気をつくる力があった」と濱中。試合を重ねるごとに成長していく。
リーグ前半の最終戦は王者中大との対戦となる。高さ、攻撃力、守備力と1部リーグでは群を抜く中大だが、今日の勢いそのままに明日の試合へ挑む。「名前負けしないようにこっちは4勝2敗で前半終えられるようにしっかり戦っていきたい」(辰巳)。リーグ前半という一つの区切りで勝利を収めて終えたい。

[長谷川千華]

◆春季関東大学1部リーグ戦日程表◆
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日付 対戦相手 場所 スコア
4・9
専大
立川市和泉市民体育館
○3{25―18、25―20、25―16}0
4・10
筑波大
立川市和泉市民体育館
●0{20―25、21―25、15―25}3
4・16
早大
東海大湘南総合体育館
○3{25―15、25―18、25―19、25―20}1
4・17
東海大
東海大湘南総合体育館
●0{19―25、20―25、19―25}3
4・23
順大
新日鐵住金君津体育館
○3{18―25、15―25、25―23、25―16、15―11}2
4・24
中大
新日鐵住金君津体育館
5・7
日大
日体大健志台米本記念館
5・8
学芸大
日体大健志台米本記念館
5・14
中央学院大
日体大健志台米本記念館
5・15
日体大
日体大健志台米本記念館
5・21
駒大
日体大健志台米本記念館

今日のコメント
濱中

「勝ち点を取れたのはうれしいけど、普通にストレートで勝てる試合だった。今日は悪い部分が出て、普段でない簡単なミスが出た。相手に決められる形というよりかは自滅、自分たちが何をやっているのかわからないパニック状態になってしまった。1,2セット目は本当何をやってもうまくいかなくて立て直すのが大変だった。(高い相手にも明治の攻撃が通用していたが)レシーブがセッターに返ることが前提で、最低限それができないと自分たちがやりたい攻撃ができない。だからレシーブ、守備面を重視して頼金を入れたりしている。それがしっかり返れば僕たちが今やっているバレーボールは通用すると思う。後半は硬さも取れてブロックの位置取りが良くなってブロックとレシーブの関係が良くなった。1セット目はブロックがあってもその裏にいたり全然違うところに着いてしまって、前と後ろの連携も難しかった。セット重ねていくごとに相手のコースもわかってきて対応できて後半に連れてレシーブが良くなってきた。こっちは早い攻撃やってクイックがよく効いてて特に小林凌とか。相手が的を絞れていなかった。(3セット目)こっちがサーブミスをしなくなって自分たちがブレークするチャンスが出てきた。(この1週間は)簡単なミスをなくすこと。センター線を使うこと。センター線が効いてくると時間差攻撃、パイプ攻撃も効いてくる。今日の試合の収穫は1、2セット目のどん底の雰囲気から立て直せたというのは去年にはなかった部分、今年は雰囲気をかなり重視しているので、立て直すだけの雰囲気をつくる力があったこと。ダメだった部分はサーブミス。1、2セット目みたいにあれだけ落としてしまうとゲームにならない。サーブはもう少し精度を上げる。興味みたいにレシーブが下手な相手だと通用するが、レシーブがうまいチームに当たった時に簡単に切り返されてしまう。(明日は王者との闘い)逆にやりずらいのは中大だと思う。優勝しているし背負っているプレッシャーがある。今日の終盤みたいな雰囲気で戦えればいい勝負できる。明日はスタートからフルスロットでプレーできるようにしていきたい」

小林
「今までフルセットで勝てたことがなかったのでうれしい。(1、2セットは)サーブカットが返らなくて強気なプレーができなくてミスが続いてしまい相手の型、ブロックに完全にはまっていた。コンビを組むのではなくてオープンサイドからリズムをつくるようにした。(雰囲気が変わったのは)後が無くなった3セット目の最後。(最終セット)川村が頑張ってくれたので。相手もメンバーガラッと変わってミスも出てきて。正直安心しきって2点差3点差までつめられた。全体的に気の緩み。攻められなかったということがあった。(自身のプレー)最後までブロックが止まらなかったのが悔しいとうか反省。最後だけ止まったからよかった。(明日の試合に向け)今日みたいな1、2セット目みたいな試合はしないで4セット目くらいの勢いを出していきたい」

加藤
「今日のゲームはチームメートに助けられた試合。仕事しようというのが自分であった。(1、2セット)サーブミスして相手のサーブに対してサイドアウトを取れなかった。3セット目で順大も崩れてきた。チームメートからも負けん気が伝わっていたのでなんとか仕事しようとがんばった。向こうが弱気になってたのでこのままいけると思った。セッターを代えてきた時に僕がもう2、3点取ってたらスムーズに勝てた。少しもたついてしまった。出だしがだめでも逆転できる。1、2セット目はダメだったけど3,4で自分たちの負けん気が出てそれが勝ちにつながった。(明日の試合は)今日みたいな試合をしていたら普通に負けるので捨て身覚悟でがんばる」

辰巳
「勝ち点とれたことは良かったけど、今日は良いところだけではなくて自分たちの課題が残った試合だった。課題は序盤、自分たちのリズムが作れないときの戦い方。自分たちのリズムがつくくれれば早稲田とかにも勝てるけど、作れなかったら今日みたいな3―0で勝てる試合も落としてしまう。試合運びも大事。2セット目の途中から川村が入ってきたので川村が入ってきたことにより2段トスの得点率が上がると思ったのでブレークの時は自分がゆっくり慌てさせないようにトスを上げていた。3,4セット目はリズムがこっちに来ていたのでセンター線だったり使えるところを使った、それが5セット目の加藤のマークが薄れたりにつながった。(2フェイント)こっちにリズムが来ていたので、加速させるために良いとこで自分でも点を取りにいく。3セット目の勢いのままに序盤は入れたのが良かった。高さ勝負でこっちで有利になってくるとネット下ではこちらが有利だったのが良かった。東海とか筑波戦みたいに1、2セット取られてずるずる3取られなかったというのは一番大きい。(明日へ向けて)中大も石川がいないので勝つ可能性あると思うし、名前負けしないようにこっちは4勝2敗で前半終えられるようにしっかり戦っていきたい」