初戦を勝利で飾るも課題が浮き彫りに/関東学生春季1部リーグ戦

2016.04.11
 関東学生春季1部リーグ戦開幕戦で東農大相手に勝利し好スタートを切った。前半14分、19分に谷光未有(法3=天理)がPC(ペナルティーコーナー)で、25分に平井一樹(文2=天理)がGKとの一対一の勝負を制し3-0で大きくリード。しかし東農大の猛追に苦しめられ同点まで追いつめられる。それでも終了間際に再び平井のゴールで勝ち越し、勝利を引き寄せた。次戦は駿河台大戦に臨む。

 高校時代からの先輩後輩コンビの活躍が光った。後半33分、ゴール前で谷光からのパスに瞬時に平井が合わせ、一度フェイントをかけて勝ち越しゴールを決めた。「なかなか点が取れなくてそこが課題だった」(宮田知監督)と、練習後に居残り特訓をしてきた成果がここで表れるものとなった。「点を取ってからは気持ちよく試合ができた」(平井)。また、試合を決めた決定点をアシストした谷光も平井同様に2得点を挙げ勝利に貢献。明大のプレースタイルとも言われるPCで今試合もゴールを決めた。巧みなドリブルで自らゴール前まで行き、天理高時代からの後輩・平井とのタッグで見せ、プレーでチームを引っ張った。得点力不足と言われる現在の明大にとって明るい兆しの見える得点シーンとなった。

 前半と後半で明暗の分かれるものとなった。前半は14分、19分と続けてPCを獲得すると、明大得意の形で谷光がゴール。そしてその6分後、千原史也(商2=横田)からのパスにサークルインした平井が合わせ、追加点を挙げた。「前半は流れが良かった」(谷光)と、3-0で大幅にリードする。しかし「3点入ってからの雰囲気があまり良くなくて押されムードになってしまった」(松波大介・営4=岐阜各務野)。前半終了直前に1点を取り返され、その雰囲気のまま後半に入ってしまう。後半開始早々追加点を奪われると流れは完全に東農大へ。19分には3-3に追いつかれてしまう。それでも最後は平井がタッチシュートで勝ち越し、何とか試合を制した。

 課題は山積みだ。今回の試合で出た「パスの回し方と回された時の対応」(松波)をはじめ、得点力不足を打破すべくFWの安定というのが必要となる。そのためにも「闘争心」(小池文彦コーチ)を各選手が持ち、2年連続の春季リーグ優勝に向け始動したばかりのチーム力を強化していく。

[石塚真維]

今日のコメント
宮田監督

「結果勝てて良かったというゲームだよね。前半に3点、谷光のPCを2本で決めたけど、前半の1点が余計だった。相手はリードされてから後半ガツガツ来るだろうから、しっかり攻める意識を持たなきゃだめだよと言ってあったのに引いちゃったのも良くなかった。(平井は)去年からスピードがあるのでFWで使い続けてきた。なかなか点が取れなくてそこが課題だったので、このシーズンはあいつだけシュート練習を居残り特訓させていたが、その成果が出たのかな。前半の1点なんかはGKと一対一の状況、ギリギリのところ。足腰の粘りがないとゴールに押し込めないので、よく粘ったかなと。これであいつも、俺も点取れるぞと自信がつくと思う。ただ他のFWにもう少し闘争心を持ってやってもらわないと、チームとして厚みがなくなる。DF陣が安定してやってもらえれば、堅く守るチームができる。FWは大嶋みたいな馬力があるのがいないので、PCとフィールドゴールをうまくかみ合わせながら得点していかないとだね。メンバーがそろったとき早めにチェックをしないと、攻めるディフェンスをしないと、と言います。(次戦に向けて)下手すると負けゲームだったのを取ったので、勝ち点3で良しと。次戦の駿河台は早大に負けているので、後がないと必死になってくるだろうから、その相手をがっちり受け止めて、叩きつぶすぐらいの気持ちでやっていきます」

小池コーチ
「前半はかなり点数が取れてPCの精度も高くリードしたけど、後半は相手のペースで思うつぼにはまってしまった。押してくるのは分かっていたが、それをうまくしのいでほしかったが、それが、失点が早くて押し込まれて同点に追い付かれた。最後はうちの10番谷光が闘争心を出してやってくれたのが、勝ち点3につながったと思う。前半は15分くらい耐えてからうちのペースにしていくゲームプラン通りだった。PC取って点を積んでいく。その中で3点目の平井のゴールはこの春彼の練習の成果が出たと思う。去年までだったら横にドリブルして終わりだったが、今日はシュートまで持って行けたということは彼の成長の証だと思う。これで自信を付けてくれればいい。FWも今のベストだけどまだまだ確定ではない。ベンチ入りしていない選手もまだまだチャンスはある。DFにも1年生二人が出ていないが、これもチャンスはある。谷光は今年も頼りになる選手だし最後の自分で取りに行く姿勢はたいしたものだし、他の選手特にFWの選手にはあれぐらいの闘争心を持ってやってほしい。松波も今日は最後足をつってしまったが、今伸び盛りの選手だし、キャプテンシーも出てきてかなり良くなってきている。やっぱり今年は松波主将を中心にチームを組み立ててほしい。来週早々と勝って王座を決めたい。去年優勝しているので今年も落とせない。苦しい試合だったが、今日勝ったということは非常に大きい。来週しっかりとしたプレーをして勝って勝ち点6。そしたら上は見えてくるのでその後も勝って全勝で予選プールを通過したい」

松波
「今年始まって初戦で、また僕らのチームが始まって最初だったので、落とせないというか最初から黒星だったらというある意味プレッシャーだったので、勝てて本当にほっとしている。前半は最初ぽんぽんぽんと3点入って。その3点入ったまでは良かったが、そのあとからの雰囲気があまり良くなくて押されムードになってしまったというのはもったいなかったと思う。みんな3点取って勝てると思ってしまったのか、少し余裕を持ちすぎてしまってその点はダメだったと思う。前半からの流れで、ハーフタイムもあまりみんなの感じは雰囲気が良くなかった。最初に点を取りたかったが先に取られてしまって、そこから流れを持っていかれて最後までそれが続いた感じ。3ー3でやっと目が覚めた人もいたしそのままずるずるいってた人もいたし少しバラバラになってしまったというのはある。農大の方がサークル内での組み立てがうまいし、というのはミーティングとかでも話していて、結構簡単にパスで枚数消されていたので課題点ではある。自分たちができていないし、対応もできていないし。今日の課題としては、パスの回し方と回された時の対応というのは明治が苦手だと思うので、しっかりやっていかなければならない。今年は得点力が低いといわれていてそう思うのだが、FWは点取れるのだったら取ってもいいし、無理だったら谷光君のPCで取ろうということで、今日の試合は前半はそれができていたかなと思う。取ったところで点を確実に決めてというのは。なので、DFはもう絶対失点はないようにするべきだったのだが少しもったいなかった。それも課題点。FWはまだ全然不安定で、がっちりしていないので。トラップもできていないし、課題が多すぎるかなという感じ。FWがしっかりやってくれればというのが今はある。今日は一応結果的には勝てたのでまあ良いスタートとは言えないかもしれないけれど、負けなかったという部分では良かったと思う。トーナメント上がる前は3勝して勢いつけて、トーナメントはぽんぽんといきたいなと。たぶん決勝で山学が出てくると思うので、そこを目標にしてやっていこうかなと思う」

谷光
「今日はいつも接戦になる農大なのでどっちに転ぶかわかんなかったが、みんな初戦ということで熱い思いはあったと思うので、それで勝ちにつながったと思う。前半は、流れが良かった。守るところ守って、決めるところも平井も決めてくれたしそれは良かった。農大が1点入れてから一気に勢いに乗ってきたので、その農大の良さに明治が負けすぎていたからああいうことになったと思う。具体的に言うと、1点決めたり良いプレーがあると農大はみんなで盛り上げる感じがあって、それがやっぱり農大はすごく良いところなので、明治はあまりワイワイがないチームなので、その辺で押し負けていたというのはある。気持ち的な面でという感じ。正直引き分けになるかと思ったが、最後FWもあまり今信用していないので、自分で行こうと思って自分で上がって、結果1点平井のゴールで入ったので、周りは追いつかれてからの気持ちの変化はあったと思うが、自分は勝ちにはすごく思いはあった。なので、勝ったと思う。平井と理さん(三島)がその中では自分の良さを出してきたけど、他はまだ良さを出しきれていないので、4年生も3年はいないけど、2年とかも先輩になったので、自分が引っ張るというのがまだ全然足りない。春季リーグ始まってスタートとしては、ぼちぼち。まあでも優勝目指して春連続で優勝できるように頑張りたい」

平井
「去年あまりうまくいかなかったので緊張して変なミスをしたが、点を取ってからは気持ちよく試合ができた。監督やコーチに言われたことや夜自主練の成果が出たと思う。点を取るという場面では2本のチャンスをものにできたのは良かったが、もっとチームがうまく流れをよくできるプレーができたのではないかと思う。ボールをしっかりキープしたりパスのつなぎ、MFが出しやすくDFがしんどくならないようにリードするとかそっちの面でもっとチームに貢献できたと思う。あと守備でも今日は相手が速くてうまくできなかったので次からもっと速くやっていかないといけない。2点目は高校時代から一緒にやっていた未有さんがドリブルしていたので、ああいうときは中で構えていたらいずれボールが抜けてくると思っていた。そしたら未有さんが相手の足を狙ったパスが抜けてきたのでそれを止めて1回フェイント入れてゴールにたたき込んだ。このリーグ戦では点取るのはもちろんだが、チームを優勝させたい。今日も4点目は俺が取るって気持ちでやってチャンスがきたので残りの試合もチームを優勝させるくらいの気持ちでプレーしていきたい」