8-0で神大に完封勝利し初戦突破 新チーム始動/関東大学選手権

 シーズン開幕戦は手堅い勝利を収めた。新体制のチームたちがしのぎを削る関東大学選手権の1回戦目は神大と対決。第1ピリオド4分、FW桂川涼(政経3=白樺学園)の得点を皮切りに主導権を引き寄せる。それ以降もペースを握り、第2ピリオドには新主将のFW川村一希(商4=北海道清水)がハットトリックする活躍を見せた。相手にゴールは割らせず、しっかりと守り切り完封勝利。次戦へ弾みのつく勝利となった。

 初戦から新チームのカラーが表れた。8得点を挙げて勝利した明大だが、そのうち4得点が連携によるものだった。第1ピリオド4分、センターラインにいたFW牛来森都(法2=北海)がDFの裏を取りつつ左サイドを駆け上がる桂川に絶妙なスルーパスを供給。パスを受けた桂川は勢いを緩めずゴール正面へ向かい、先制点を流し込んだ。「今年のテーマはコンビネーションで崩す」(間中朗監督)と狙い通りの形だった。FW大津晃介前主将(平28年法卒・現日本製紙クレインズ)やFW大椋舞人(平28年法卒・現日光アイスバックス)といった大学屈指のアタッカーを無くした今、5人全員で点数を取りにいく作戦だ。今試合では初戦でありながら、得点外でも速いパスワークで幾度となくゴールを脅かし、狙いがはっきり見えていた。「全員がヒーローになれる」(DF松金健太・法4=釧路江南)。コンビネーションが今年のカギを握る。
 一方でプレーに粗さも見えていた。無失点の完封勝利で、シュート数も3倍以上の差をつけたものの、神大に決定機を与えてしまう場面が随所に見られた。第3ピリオド12分には不用意なプレーが起点で相手選手とGK佐藤雄一郎(商4=軽井沢)との1対1を許してしまう場面も。失点にこそならなかったが「個人のミスが目立っていた」(松金)。格下の相手とはいえミスは危機に直結する。足元をすくわれないため、一瞬の油断も許さない。

 初戦を制し、堂々と再スタートを切った。次戦は土壇場で大東文化大に逆転勝利した日大との準々決勝だ。しかし「まだそんな強い相手が上がってくるわけではない」(川村)とあくまで見据えるのは頂点。昨季は戦力がそろっていながら3冠はおろか優勝もかなわかった。「必ず決勝まで行って去年できなかった優勝を絶対にしたい」と川村。昨季の屈辱は忘れていない。もう一度「常勝明治」を。リベンジの1年が幕を開けた。

[渡邊弘基]

試合後のコメント
間中監督

「(試合を終えて)初戦なのでまずまずかなと思います。しっかり相手が中で守ってくるのは分かっていたのですが、もう少し点が取りたかったですね。物足りません。でも点数よりも内容ですよね。一人で入れるシュートより5人で連動して狙ってほしいです。8点のうち4点くらいしかそういうホッケーができなかったので、もっとあってほしかったです。一つのセットの全員で点を取るというのを意識しています。パスだったり、コンビネーションとかを増やして色々な形で点数を取れるようにやりたいです。新チームになって初めての試合だし、神奈川大学はちょうどいい相手だったかもしれないです。(出来は)50点くらいじゃないですかね。辛口で申し訳ないです。8点取って気が抜けているところとかありました。でも失点がなかったことはよかったと思います。(河村選手の活躍が目立ったが)新主将としての自覚もあると思いますが、常にあれくらいやってくれればいいんですけど(笑)。(今後求められること)チームの団結力や今年のテーマの『コンビネーションで崩す』という部分ですね」

川村
「今日は1ピリオドはみんなの足が動いてなくて入りは良くなかったですけど、2ピリからいい流れでホッケーできて次につながった試合だと思います。(主将として立つアイスリンクはどうか)相手がちょっと下だとしてもキャプテンとしてのプレッシャーを感じました。(大会前の合宿は)今シーズンはオンとオフをしっかりしようということで限られた時間の中で練習をできたと思います。1年生は一生懸命走るとか1年生らしいプレーをしてほしいなと思います。練習内容も監督がしっかりやってくれているので、第2ピリオドからつなぎのいい攻めをできたと思うので、徐々に良くなってきていると思います。次は準々決勝でまだそんな強い相手が上がってくるわけではありませんが、自分たちのプレーをして、必ず決勝まで行って去年できなかった優勝を絶対にしたいと思います」

松金
「トーナメントなので勝つことが一番大切なので、ちょっと危ない場面も多かったですけど、失点ゼロで終われたことはよかったです。こういう試合は難しいんですよね。攻めに意識がいっちゃうんだけど守らなけばなりません。その中で個人のミスが目立っていたけど、それは各々改善してくれればいいので、どれだけチームとしてやるべきことをやれたかことがこういう相手では大切になります。そういう面で言うと悪くはなかったと思います。フォアチェックやニュートラルゾーンでの守りなど攻めからの守りを意識して今は練習しています。個人個人の強さというのは大事ですけど、それをうまく5人のセットのチームワークでやっていきたいです。個人が好き勝手やっていたら勝てないのはわかっていると思うので、お互い助け合いながら全員がヒーローになれるようなチームだと思います。自分を犠牲にする心が必要になります。(積極的にゴールを狙われていたが)相手のディフェンスが空いていたのでシュートは打ったんですけど、なかなかゴールにつながらなかったです。(新チームの出来は)まだまだじゃないですかね。もっとできると思います。明治は相変わらずスタートに課題があるチームなので、みんなで改善していきたいです」

池田
「自分のプレーは全体的にそんなよくなかったけど、パワープレーの時に良いパスが来たので、気持ちよく決められました。決められてうれしかった反面、ほっとしました。最初本当に悪くて、監督からも「このままじゃ駄目だ」って喝を入れられました。そこでしっかり気持ち切り替えられました。最終的に3ピリで足が結構動いてきたのでよかったです。緊張はそこまでなくリラックスしていました。(大学と高校の差)パスの精度やスピードや体の大きさが全然違いますね」