小川が世界ランク上位2人と激突 全日本ベスト4入り果たす/全日本選抜体重別選手権

2016.04.02
 リオデジャネイロ五輪日本代表を決める全日本選抜体重別選手権が行われ、小川雄勢(政経2=修徳)が初出場でベスト4に輝いた。初戦で、昨年同大会で準優勝を果たした王子谷(旭化成)に優勢勝ちすると、準決勝で世界ランク3位の七戸(九州電力)と激突。終始激戦となったがわずかな指導差で敗戦した。そして100㎏超級日本代表最終選考会となる全日本選手権で七戸との再戦を望みリベンジを誓う。

 ケガを抱えながらも冷静な試合運びに徹した。初戦の相手は小川にとって格上で世界ランク16位の王子谷。開始1分、けんか四つの組み手で互いに引手をつかみ合いながらスキを狙っていると双方に指導が与えられた。焦りを見せ始めた王子谷に対し「お互い指導取られるのも計算のうちだった」と小川。そこからお互いに技をかけ始め、残り1分になると王子谷から指導を奪いそのまま優勢勝ちを収めた。
 次戦は代表候補の七戸との対戦。193㎝・122㎏の七戸と190㎝・135㎏の小川にさほどの体格差はないが、経験値は七戸が上回る。しかし、初戦とは打って変わって序盤から積極的に組みにいく小川が七戸を圧倒する場面も。だが「最後まで決めきることができなかった」(小川)とチャンスを生かせず指導差1つでの敗戦となった。   
 1週間前に捻挫で歩けないほどだったという小川だが「いざ試合になったらケガを感じさせないくらいの動きをしていた」(猿渡琢海監督)。初出場にも関わらずベスト4と好成績を収め、新年度初の大会としては好スタートを切った。

 4週間後の全日本無差別級日本一決定戦に挑む。今回100㎏超級では五輪出場資格を持つ4人中2人と対戦し、実力差を感じさせなかった小川。同月に迫る全日本選手権へ向け「七戸選手ともう一度試合ができるかもしれないのでそこでリベンジできるように頑張りたい」とリベンジに燃える。

[長谷川千華]

★試合後のコメント★
猿渡監督

「1回戦の相手も一昨年の全日本チャンピオンだし、挑戦者のつもりでがっつりやってこいという話をして、気持ちの面で絶対負けるなよと。自分の得意とする形の組み手を徹底的にしながら勝つことだけ考えていってこいと言って、危なげなく勝てたので一回戦はまずよかった。負けた七戸はオリンピックの代表を争っている選手で、中身的には全然良かったと思うし結果として負けにはなった。組み勝った状態で投げられるチャンスも何回かあって、そこで組み勝った時に投げられる技をこれから磨いていかないといけないと思う。今度4月末には全に日本選手権あるので、そこでリベンジできるように厳しく鍛えていきたい。一週間前に足首を捻挫して、心配している部分もあったがいざ試合になったらケガを感じさせないくらいの動きをしていたし、本人も大丈夫ですという気持ちを持っていた。ケガした状態で試合に挑めたということもいい経験になったと思うし、試合の中ではケガの影響はなかった」

小川
「講道館杯で苦労してやっと出場権手に入れて、たった一回のケガで出ないというのは悔しいし、応援してくれる人たちのために頑張らないといけないと思って試合に出ました。一つ一つがヤマ場と思って今日の試合に臨んで、王子谷選手に勝ててうれしいけど次の試合で負けたのでなんとも言えない。(王子谷選手との対戦)相手は力が強い選手なので、投げて勝つのは難しい。いかに接戦に持ち込んで指導、有効一個でもどうやって勝つかを考えながら試合をしていた。ケガもあってなかなか練習できなかったので終盤に勝負かけるしかないなと。お互い指導取られるのも計算のうちだったので焦りはなかった。向こうが焦った。(七戸選手との対戦)七戸選手は積極的にくる選手なので先に前に前に出て思い通りにさせないようにしていた。自分が組み勝つことも多かったと思うけど相手が組み勝った時にチャンスをものにしたり技をつぶされたりした。最後まで決めきることができなかったのでチャンスをものにできたかどうかが勝負に差が出た。(ケガ)先週まで全く歩けなくて、やっと今日試合ができて順調に回復しつつあるのでまた今月末の全日本選手権では万全の状態で、もう一回試合ができるように頑張りたい。ケガをあまりしたことがなかったのでその中でも試合をするというのが自分にとってもいい経験だと思うし、選考会のピリピリした雰囲気のなかで試合ができたこともいい経験だった。(学年が上がって)掃除が無くなった。(全日本選手権へ)今日負けた悔しさもあるし、七戸選手ともう一度試合ができるかもしれないのでそこでリベンジできるように頑張りたい」