
慶大に3―0で完勝! 絶好のシーズン開幕/関東大学1部リーグ戦
PKを獲得し、追加点を決めた丹羽 接戦が予想された開幕戦もふたを開けてみると3―0で勝利、まさに完勝の二文字だった。試合開始から硬さがなく、攻撃はボールを早く回し、サイドから攻め崩す。守備では選手間の距離を縮め、昨年よりも速いプレスを展開。「全員が連動してつながっていくようなサッカーをやることが、やっぱり相手にずれを起こしてくる」(栗田大輔監督)と慶大もサイドから仕掛けてくるが思うようにさせず。前半15分には左サイドのペナルティーエリア手前でFKを獲得。道渕がGKの頭を越えるクロスボールを蹴ると、ファーサイドにいた岸本がダイビングヘッドをドンピシャで合わせ先制点。「マークも全然だし、改善してきませんでした。なので2本目のCKの時は『いけるぞ』って思いました」(岸本)と与えたずれを見逃さなかった。追い打ちをかけるように前半47分、丹羽が高い位置で望月(慶大)からボールを奪取、慌てた望月がペナルティーエリア内で後ろから止めに入り、レッドカードを与えるとともにPKを獲得した。そして丹羽が公式戦初得点となるPKを成功させて、前半終了。後半に入っても波に乗っている明大は止まらず相手エリアに幾度となく侵入し続けた。迎えた後半23分、道渕が蹴った左CKに合わせた岸本のヘディングシュートは相手GKに弾かれたが、岩田が押し込みダメ押しの追加点。最後まで全員が集中力を切らさず、連携のとれたプレーを維持し試合終了。「今までやってきたことが今日実践できた」(道渕)。理想のサッカーで慶大のシュート数をゼロに抑える完封勝利を収めた。
やはり持っている男だ。SBでありながらで1ゴール、チーム最多の5シュートを記録した岸本。後半23分にはアシストにこそならなかったが、ゴールへの執念が岩田の追加点を呼び込んだ。その前の後半8分でも、CKから相手GKに間一髪で阻まれたヘディングを見せており、空中戦では圧倒的な強さを誇っていた。昨季のインカレ順大戦で公式戦初出場、初得点の劇的弾を決めており「あいつも名物ですね。何かやってくれます」と栗田監督も笑みをこぼしている。昨季は出場機会に恵まれなかった秘蔵っ子だが、その名を知らしめる活躍を見せた。
一新したチームがその強さを見せつけた。和泉竜司前主将(平28政経卒・現名古屋グランパス)らの引退を受け、昨季のイレブンから半分以上が変わった今試合。しかし幾度となくゴールを脅かし、相手に決定機は与えず。3得点のうち、2得点が丹羽、岩田の公式戦初得点と開幕戦から結果を残した。また「適材適所でいかなる場面でも交代カードが切れる状態になっていました」(栗田監督)と3枚の交代枠を全て使い、サブの選手も多く起用。途中交代で入ってもしっかりとボールに触れ、試合に順応する戦術把握と能力の高さが光った。特に開幕戦で公式戦初出場のルーキー・佐藤亮(商1=FC東京ユース)も短い時間ながら積極的にゴールを狙い、確かな存在感を放っていた。「チームの総合力で戦っていかないといけない」(小出悠太・政経4=市立船橋)。テーマだった総合力を開幕戦から存分に発揮。各選手が十分戦えることを証明した。
この完成度を継続したい。次節の相手は昨季リーグ戦7位の法大。今試合を通して、周囲からの今季の懸念を吹き飛ばす内容と結果を見せることはできた。しかし、まだリーグ戦は、今季は始まったばかりだ。「過信せずに謙虚にひたむきに」(小出)と地に足を着けて前へ進まなければならない。まずは次節を制し、勝利のリズムをつかむ。
★新ユニホームでリーグ初勝利★
今シーズンからユニホームが一新。紫を基調とした色づかいはそのままに、高いデザイン性が魅力的だ。また上下合わせて4社のスポンサーを背負って戦うことになった。新ユニホームでのリーグ戦初勝利となったが「今はまだユニホームに着られているので、このかっこいいユニホームに見合うように明治も強くならないといけません」と岩田。栗田監督もスポンサーについて「選手たちも社会との接点ができるので、また一つ成長できるかなという狙いもあって新たな取り組みをしました」とコメント。新ユニホームはチャレンジを掲げる今年の明大を象徴する存在となるだろう。
[鈴木拓也・渡邊弘基]
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試合後のコメント
栗田監督
「(思った以上の快勝でしたが)みなさんにどう映ったのかは分からないですけど、逆に自分たちの実力というのをしっかりと知った上で自分たちに何ができるかという取り組みをこの2か月やってきたので、それが形として出たのが非常によかったと思います。(昨年以上のプレッシングの速さを感じたが)昨年みたいに和泉とか藤本がいて取って前に出したら1人で打開してくれて個人で試合が決められるというチームではないので、まず全体の距離を近づけてセカンドボールを拾うだったり、奪ってから攻撃に入った時に近い距離の中で全員が連動してつながっていくようなサッカーをやることが、やっぱり相手にずれを起こしてくるのかなということで、ハイプレスの練習は徹底してやっていました。シュート数が16本と0本と慶應のシュートを0で抑えました。僕も助監督含めてこの3年間でシュート0というのは初めての経験なのでできすぎかなとも思うのですが、選手がよく集中してくれてコンパクトで横へのスライドも含めて予測が早かったのかなと。セカンドボールをほとんど拾えていたのでそこは今日すごくやってきたことが出たなと思います。決して今年うちは強くないので、そういう意味ではここの基準をまた次のゲームで高めていくというようなことを22試合ずっとその前の試合より成長していく、結果は後から付いてくるぞということを徹底してぶれずにやりきりたいなと思っています。道渕は4年生になって重みというか雰囲気が出てきました。(今後は)その前の試合を次の試合で超えていくということで、結果は後から付いてくるぞということを徹底してやっていきます。(岸本の先制点は)あいつも名物ですね。何かやってくれます。(今日の采配については)今日の時点でベストの選手を11人選んでいたので、そういう部分でも適材適所でいかなる場面でも交代カードが切れる状態になっていました」
服部
「やることをチームの立ち上げからしっかりとやってきました。最初の入りを大事にしていい守備からいい攻撃へということをしっかりとやり通すことができたので、勝てたのかなと思います。開幕戦は緊張するのが当たり前だと思っているので、そこはしっかりと割り切って難しいことはせずに大きなことをやろうと話していました。(相手のシュートを0に抑えたが)相手が10人になってからはシュートを打たせないのが当たり前ですけど、11人の時にも打たせなかったことがよかったと思っています。前線からの守備もしっかりとはまっていましたし、相手に押し込まれた時も相手の正面に立ってシュートを打たせない基本的なことができていたので、それが0に抑えられた要因かなと思います。ずっと(3得点について)しっかりと取りどころで取れたのが大きいと思います。セットプレーは自分たちのストロングポイントだと思っているので、そういうところでしっかりと取れたことがよかったです。(開幕戦好スタートを切ったが)やることを変えないということと、やっぱり勝ちながらでないとゲームの悪かったところを反省して修正してということができないので、勝てたことをまずは前向きに捉えます。まだまだ蹴りすぎているところも多いですし、つなぐところはしっかりとつないで、明治らしいサッカーというのをまたやっていきたいです」
岩田
「正直ちょっと出来すぎかなとは思っています。練習試合でもあまり結果が出せていなかったので、とりあえず今日は絶対に勝ちたかったです。前評判は向こうの方が期待もされていたとは思うんですけど、その分やってやろうという気持ちも強くなりました。(チームとしての共通意識は)昨年からやってきたことを続けて、FWでしっかりと前から守備するということがはまったのかなと思います。(貴重な3点目を挙げたが)リーグ戦でのゴールは初めてです。やっと取れたなという思いが強いです。これまでずっと使ってもらっていたんですけどなかなか結果が残せていなかったので、開幕戦で結果を残すことができてほっとしています。今季は本当に自分が引っ張っていかないといけないので、4年生としてまずは結果を残せてよかったです。(和泉(竜司・平28政経卒=現名古屋グランパス)、藤本(佳希・平28文卒=ファジアーノ岡山)のツートップが抜け期待も大きいと思うが)僕が1年のころからその二人が引っ張っていて、あの二人がいなくなったから明治は点が取れないと思われるのは嫌なので、詩音(丹羽)と二人で点を取っていけたらなと思います。(開幕戦好スタートを切ったが)出来すぎだと思うので、うまくいかなくなった時にどうするかが大事です。明治はやっぱり守備からなので、自分たち二人がしっかりと前から守備をしていくことが大事になると思います」
小出
「始動からやってきた球際の部分だったり切り替えなど守備の部分でみんな頑張ってくれたので試合を通していい流れで、結果3―0という無失点で終われたのは本当よかったなと思います。球際の部分だったり距離感というのがよかったので、自分たちがヘディングではね返したボールを味方が拾ってくれるというのを繰り返していたので自分は楽に守備できました。距離感とかそういう部分は意識していました。セットプレーは練習していたので、そういうところで点が取れたというのはよかったです。(攻撃面は)流れの中で1点ほしかったというのと、蹴ってしまうことが多かったのでそれで相手が対応してきたら下でつなぐという、そういったところの質をもっと上げて両方できるようになっていきたいなと思います。セットプレーというのは強ければ武器になりますし、そういったところの質を高めていくというのは日頃の練習からやっていたのでそこで2点取れたというのは自信になりましたし、これからもつづけていきたいなと思っています。(得点シーンは岸本が後ろから来ているというのは分かっていたか)全員でコーナーキック蹴られる前に入る位置というのを決めていたので、あとは相手に嫌がられるような動き方だったり、ボールの質というところを決めていたので。自分が打てなくても次がいるというのが分かっていたので、そこは練習の成果かなと思います。(責任感というのは)経験という面では自分が一番試合に出場している時間が長いので、そういうところをチーム全体に試合が始まる前、始動からどう伝えていくかというのは常に意識していました。その中でコミュニケーションというのは必要だと思ったので、今日の試合でも学年関係なくどんどん話したしHTでも常に選手同士の会話があったのでそこは本当によかったと思います。これからも続けていきたいです。(昨年とのチームの違いは)昨年というのは本当に個の力が強くて、和泉さんだったり藤本くんだったり、そういった強い個があった中でも今年はそういう選手というのはいないので、本当にチーム全体でやることを統一してお互い助け合ってというチームの総合力で戦っていかないといけないと思っています。そこで守備の部分だったり「良い守備から良い攻撃へ」というところで発揮できると思ったので、今日は本当に守備もよかったのでそこはよかったです。球際だったりどこのチームにも走り負けないであったり、試合中応援している仲間たちのことも常に声かけていたので、応援してくれる人たちがいるというのは本当に力になりましたしそういうところが試合にも出ていたのかなと思います。(新ユニホームは)かっこよかったです。スポンサーが入ったことによって背負っているものの大きさとか注目度もまた上がってくると思うので力になりました。(次節は法大との一戦ですが)今日やってきたことというのを自信持つところは自信持って、過信せずに謙虚にひたむきにチーム全体でやっていきたいと思います」
道渕
「開幕戦を勝てたことは本当に大きいと思います。ずっと個々に照準を合わせてやってきたので勝ててよかったです。相手どうこうというよりは、自分たちは主力がごっそりと抜けて大きくメンバーが変わって特出したタレントがいない中で、しっかりと守備をして攻撃するスタイルでやってきたので自信はありました。こういう結果が付いてきたのはよかったと思います。(相手シュートを0に抑えたが)自分たちはコンパクト、スライド、球ぎわというキーワードを掲げています。それを11人が忠実に90分間やり通すことができたと思います。(3得点については)攻撃も今までやってきたことをベースに、足元と裏の使い分けを意識しました。開幕戦ということで簡単に裏に蹴ることも多かったんですけど、ツートップがしっかりと収めて起点になってくれたので攻撃につなげられたと思います。得点もセットプレーは狙い通りでした。PKのシーンもいい守備からボールを奪って相手のファウルを誘えたと思います。欲を言えば流れの中からも点を取れればよかったです。(先制点をアシスト)あれは岸本のゴールです。自分たちはセットプレーの絶対的な武器として英陣がいるので、そこを狙って合わせていきたいです。(開幕好スタートを切ったが)今までやってきたことが今日実践できたので、続けて勝つことでその質を上げていきたいと思っています」
岸本
「(試合を終えて)最初のCKでいい感触でヘディングできたのと、マークも全然だし改善してきませんでした。なので2本目CKの時は『いけるぞ』って思いました。それでうまいことボールが来たので、あとは飛び込むだけでした。決めてもまだ守備しなきゃいけないから、昨年のインカレとは違うゴールです。決めたあとは冷静にDFラインとしっかり話し合った。昨年のゴールはちょっと邪念がありましたけど。だから今回は絶対にそうゆうことは考えずに、集中しようと意識しました。ゴール決めたあとあんまはしゃげませんでした。少し抑えましたね。インカレで決めて一発屋ってなんかなっていたけど、今日決められたから一発屋じゃありませんでした。今まで出ていなかった分、今後はマークが激しくなるので、そこで決められたら本物かなって思います。(後半にあったヘディングは惜しかったが)あれは我慢できなかったですね。頭振っちゃいました。ハットトリックいけましたね。できなかったのが一番の悔い。自分の特徴はヘディングだと思いますが、それだけでなく対人とか抜かれないこととか意識しながらそこもアピールしていきたいです。(シュートは最多だが)シュートで終われたことはよかったです。ボールが来たからヘッドしただけですけど(笑)。でも結構攻めるのが好きで、シュートにつながったのかもしれないです。(利き足は)右ですが、そうは見えないように筋力でカバーしています(笑)(相手はシュートゼロだが)そうですが、自分のところでセンタリング2、3回上げられたから課題です。センタリング上げさせないっていうのが僕の中にあるので。(道渕選手がセットプレーは岸本選手に合わせていたと言っていたが)そうですね。みんなそうやって統一されていました」
鳥海
「守備陣としてはシュートが0本だったというのが収穫で3―0は10人だったので。蹴りすぎたというのがあったのでもっとつながないと、つないで勝ちたかったですね。今年のチームのスローガンに掲げているのが一心という、一体感を目標にやっているのでそういう日頃からやっているところがいい面として試合に出てくれたと思います。昨年は結構タレントが多かったんですけど今年はみんなで頑張らないと勝てないというのが分かっているので、それを分かっている分取り組みがよかったかなと思います。(セットプレーから2点)セットプレーは結構練習していてパターンがあってまだ今日は1パターンしか出してないんですけど、結構豊富にあるのでセットプレーで勝負したいなというのはあります。(全体での守備は)コンパクトにして前線からの守備というのを徹底してやっていて、拓也くんだったり詩温さんが前から追って自由に蹴らせなかったのが押し込まれなかった要因かなと思います。(この春にはドイツにサッカー留学に行きましたが)うまくいったかいってないかって言われたらあまりうまくいってないですけど、向こうのボールを奪うというところがすごく学べて、日本に帰ってきた時にドイツ人を相手にしていた分楽というかそういう面では強くなれたかなと思います。今日は相手が10人だったので何とも言えないですけど、油断せずに次節勝つことだけを考えてやっていきたいです。(守備の統一というのは)一輝くんはずっと声出してくれるので、あとはもう結構決め事でここに行ったら全員で守備に行くというのが決まってはっきりしているので、その分みんな分かって全員が意識していました。(次節は法大との一戦ですが)井澤総監督も言っていたんですけどちょっと蹴りすぎというのがあって、明治らしいサッカーをして勝たないといけないというのがあるので次節は0で抑えて明治らしいつなぐサッカーで勝てたらいいなと思います」
佐藤
「(試合を終えて)大学1年目からスタメンでやろうと思ってたし、目標だった開幕からスタメンはかなわなかったけど、途中から出場させていただいたっていうのは本当スタッフの方に感謝しています。自分がこれまでしてきたことが報われました。結果は出せなかったけど、に自信なるような試合でした。(次節以降の目標)今から次の試合に切り替えて、またスタメンを狙ってやっていくのと次は結果を出すことですね。同じ代にすごい選手がいる中で、自分がこうして最初にスタメンでやらせていただいているっていうことを踏まえてやっていきたいです。同じ年代の選手が早く上に上がってきてほしいっていうのもありますけど、大学でもどこでも自分の成長というのを一番に考えて、その成長をチームにつなげられるようになりたいです。先輩を追いかけて、さらに追い越していきたいです。同年代では一番上で引っ張っていけるようになりたいです」
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