2年連続で六大学団体優勝/関東学生春季大会

2016.03.27
 2年連続で六大学団体優勝を果たした。団体優勝に貢献したのは中村幸喜(農3=福岡一)。出場した全種目で入賞し、最優秀賞に選出された。冨永弥玖(商2=科学技術学園)も多くの種目で上位に入るなど明るい結果を残した。

 昨年のリベンジだ。大会3日目に行われた中障害で中村が優勝を飾った。ベノ・ファン・デ・ヘイデと減点0で走行した中村は、神(立大)とプライムローズMとペアを組んだ冨永の3人とともにジャンプオフに進んだ。減点0が2人以上の場合、障害を変えてもう一度走行するジャンプオフ。障害のバーの高さが約5cm上がるため、難易度も高くなる。昨年はこのジャンプオフで障害を一つ落とし、優勝を逃していた中村。リベンジとなる今回は「いいところに誘導できれば、必ず跳んでくれる」と愛馬を信じ、減点0。同じく減点0の神にもタイムで1.39秒上回り、昨年はかなわなかった優勝を決めた。

 複合でも明鳳とともに連覇した中村だが、課題も見えた。複合では馬場と障害が実施され、2種目の合計減点を競い合う。馬場でトップに立ったものの、中障害よりもタイムが短い複合の障害では、4点のタイム減点を取られた。馬場を最低限の減点で抑えていたため、優勝こそ決めたが「昨年はタイム減点はなかったので悔しい」。ただの優勝ではエースの気は済まされない。

 「全ては本戦のために」(佐藤五志監督)。今大会は6月に行われる関東学生三大大会のための力試しも兼ねていた。大舞台に標準を合わせ、体調を重視し今大会に出場させなかった馬もいる。総力ではなかったものの、六大学団体では優勝。「結果的に勝ててよかった」と佐藤監督も安堵(あんど)した。関東学生三大大会に向け、順調な一歩を踏み出した。

[田中愛]

試合後のコメント
佐藤監督

「年度末だけど、今年の一発目の大会であり、関東のための準備の大会。馬を温存した部分もあるので、勝つぞというつもりはなかったが、結果的に勝ててよかった。新しい1年生もこの前乗せて非常によかったので、関東に向けて順調。新人戦に使ったルークは、昨年の夏に来て、もともと乗馬の馬ではなかった。始めてまだ半年だけど、総合競技でレギュラーで使いたい。失権しちゃうというのはなかったから、それもまた収穫。昨年は馬のコンディションで計算が狂ったところもあったので、この六大学も出してなかった馬もいる。ちょっと具合悪いやつは出していない。全ては本戦のために頑張っている」

中村
「現在できることはできた。(昨年もジャンプオフ)昨年のルーナは速い馬だが、新人も使い、中障害も使い疲れていた。そういうところでジャンプオフで馬の体力不足があった。ジャンプオフになると高さが上がるので、人馬ともに余裕がなかった。今回乗った馬は、ポテンシャルがあるので、いいところに誘導できれば必ず飛んでくれると信じていたのでそれを意識して、思い切ってやった。馬を信じたら自ずと結果は出てくる。全身姿勢だけになると障害が落としやすくなる。仕掛けた分、難易度が上がる。(複合の障害)中障害より規定タイムがきつい。よりスピードな乗った中で次から次に飛ばなければいけない。それに人が対応できずに、落下はなかったがタイム減点があった。昨年も勝ったが、タイム減点はなかったので悔しい。どんなコースでも減点を付かないようにして、勝率を上げたい。(今大会は)思った以上に収穫はあった。残り3か月、人馬ともに取り組んで、結果を残したい」