
主将・女子リーダー対談
今回は、主将の佐藤瞭平(法4=世田谷学園)、女子リーダーの河西真帆(農4=横浜緑ヶ丘)にお話をうかがった。
――これまでの活動期間を振り返っていかがでしたか。
佐藤「一個上の前田先輩(悠帆・平28法卒)・上岡先輩(慎平・平28政経卒)・増田先輩(圭佑・平28商卒)という王座に出ていた三人の主力選手がいなくなったということで、男子としては厳しい状態から始まりました。一つ目の目標としていた関東個選での15人本選出場は、15人にはいかなかったんですけれども、昨年度の3倍くらいの人数が行けたっていうのは良かったかなと思います。そこから秋の試合シーズン落ち込んでたんですけども、冬からこの時期にかけて間違いなく地力が上がってきたかなと思っています」
河西「女子は去年と戦力が変わらなかったので、それをいかに最高の地点まで持っていけるかというのを今年は意識しました。2500っていうのをリーグ戦の目標にしてたので、その点数が12月の試合で出たのは成果として良かったかなと思います。そこで終わらないように、リーグ戦にピーキングを持っていきたいんでもっと力をつけて。来年のチームに向けて、今私たち4年生が得たことをいかに後輩に伝えていくかということを今までもこれからも重要にしています」
――就任時の目標は?
佐藤「目標というのが王座でベスト8に入賞するということなので、まだリーグ戦を勝っていかないと届いてないです。全国大会で入賞するのが一つの目標なので。それまではまだ3ヵ月かかりますけども頑張っていきたいなと思います」
――男女間での話し合いはありましたか?
佐藤「相当してますよね?」
河西「(笑)」
佐藤「1年生のときから学年リーダーというのをやってきて、学年をまとめる中でもやっぱり一番話してきましたし、幹部になってからも主将と女子リーダーという立場で。後は部の上の幹部5人くらいでかなり話し合いっていうのはしてました。最初の半年間はチームを作っていく最初の段階だったので、1週間に1、2回のペースでかなり濃い話というか」
河西「そんな話したっけ?(笑)」
佐藤「チーム内で幹部の上の中での話し合いっていうのはかなりしてましたね」
――お二人は代の中でも特にお話をされていたのですか?
佐藤「話は結構する方ですね。チーム運営のことも話しますし、あとやっぱり何話した?」
河西「男女のバランスみたいな感じですかね?」
佐藤「今まで女子は少なくて10人くらいしかいなかったのが、今年18人。そうすると今まで女子は男子についてくるっていうのがあったんですけど、今は女子が主体となってやってくれるので。けんかしたときも何回もあったんですけど(笑)、それもうまく収まったんじゃないかなっていうのはありますね」
河西「他の女子が私に『ああしたい、こうしたい』っていうのを言ってきて、私が『わかった、言ってくるわ』って言ってどーんと全部を言うというような」
――それではお互いのことをよく知っているのでしょうか?
佐藤「かなり言い合っていると思うので」
河西「確かに」
佐藤「たぶんお互いがある程度は理解していると思います。最初のころは遠慮がちとかあったんですけど、夏明けたくらいから本当に自分の言いたいことをしっかりと言って、それをお互いのことを理解し合えるようになったかなと思います。始まったときに比べたら本音で語り合えるように仲になったなと思います」
――目指した主将・リーダー像というのはありましたか?
佐藤「自分が去年の先輩とかみたいに、あんまり人がついてくるようなタイプじゃないのでとりあえず背中で語ろうというか、自分がひたむきにやればきっと誰かが気づいてついてきてくれるかなと思っていたので。何ていうか難しいんですけれども、自分が…」
河西「あれだよ、『孤高のリーダーを目指す』(笑)」
佐藤「っていうわけじゃないけども(笑)。背中で語るリーダーというか、あまりカリスマがあるわけではないので、ひたむきに自分は頑張ろう、そうすればみんなついてきてくれるかなと思ってやっていました」
河西「私は一番最初は深澤先輩(菜見・平26文卒)のような点数でも性格でもチームを引っ張るような存在になりたいなって思ったんですけど、やっていくうちにたぶん私は深澤先輩レベルの点数が出ることはこの4年間でたぶん無理と。目標としてないわけじゃないんですけど、そこは割り切ってちょっと引っ張るくらいの気持ちでいようかなと思って。ほどよく引っ張るくらいで行こうかなと。性格的にはもう私はわりと自己中なので(笑)」
佐藤・河西「(笑)」
河西「私はちょっとやることをやって。たぶんちょっと頼りないリーダーの方が逆にみんな自分がしっかりしなきゃってなるのかもしれない、と思っているんで(笑)。なので完璧なリーダーになろうとせずに、ほどほど引っ張るくらいでいいかなって思っています」
――現在のチームの調子はいかがですか?
佐藤「男子に関しては間違いなく上がってきています。秋の試合シーズンはどうしようもない点数で、監督とかに『2部落ちする』って言われてて。危険に思ってたんですけど、今ここまで来てればまず2部落ちはないと思ってて。あとは1人数点ずつ上がれば、間違いなく王座に行ける点数は出てくるので。リーグ戦は1ヵ月ちょっと続くので、後半にかけてさらに点数上がってくれるんじゃないかと。3年生に関してはもともと層が厚くて、ほとんどの人がリーグ戦に出る可能性は持っているんですけれども、それ以外に4年生で今まで点数が伸びてこなかった人がこの2、3週間で一気に点数が伸びて、試合選考にも絡んできているので。4年生が上がるとチーム全体の層も上がりますし期待はしています」
――点数が伸びた要因はどこにあるのでしょうか?
佐藤「たぶん4年生って部内で一番努力する代なんですね。今まで点数出てこない中でひたすら練習をずっとやってきたのがここに来て実ったのかなと思っています。自信を持って練習量は4年生が一番多いと言えます」
河西「女子はたぶん去年牛久保先輩(早紀・平28政経卒)が『今のチームは過去最高に強い』ということを言ったと思うんですけども、たぶんそれより絶対に強いです」
佐藤・河西「(笑)」
――それはどのようなことを踏まえて挙げられますか?
河西「4年生は一番経験を積んで、変な意味で言うと射て感がついたというか。まず気持ちで負けてない。3・4年はそういう経験がついてきてるから、もっと去年のリーグより強くなってきてます。2年生が未経験者ばっかなのになぜかポンポン点数を出すというのが今までのチームと全然違う。そういう2年生を見て3・4年がさらに頑張る。相乗効果みたいのが生まれて、だから今までのチームで一番強いし、点数が出る自信があるし。53代の加藤先輩という方がリーダーだったときに明治の女子のチーム新が出てるんですけど、それを抜きたいと思ってるし、抜くというのができるのは今年のチームだけだろうなという気持ちでいます。今年はもちろん王座で入賞することもあるし、そのために王座に行くこともあるんですけど、今までのチームの記録を塗り替えることが可能なくらい強いチームなので、とりあえず期待して大丈夫です(笑)」
佐藤・河西「(笑)」
佐藤「女子に関してはたぶんどうやっても負けないと思います、完全に地力がしっかりしているので。女子に関しては安心して見ています。男子に関して言うと層はかなり厚いんですけども、前田先輩のようなエース級の選手がいないので、どうしても点数が頭打ちになってるところがあります。後はもう全体の底上げ。今点数まあまあ出ている人をもう一段階上に上げるっていうことをやっていかないと、上位に行くには厳しいかなと思います。今の点数では正直王座は無理です。あと一人5、6点上げるだけで王座が一気に見えてくるチームなので。1点でも多く取りに行くってのを意識してと、練習中にもよく言っています」
――1学年上の史上最強ともいえる戦力が抜けた後を引き継がれましたが、プレッシャーなどはありましたか?
佐藤「最初の頃夏前なんですけども、一個上の代は前田先輩・上岡先輩・増田先輩、主将には伊藤先輩(達也・平28情コミ卒)っていうすごい人がいて。後輩たちからは自分がいきなり主将になったところで何も信頼がなくて。自分が何かやるごとに後輩からは『あの人は何をやっているんだ』って裏の方で言われていたらしくて(笑)。同期も夏前で幹部になった自覚があんまりなくて。ばらばらだったんですけれども、とにかく自分は周りにどんなことを言われていても、とりあえず自分の練習をがむしゃらにやっていたら、秋くらいから後輩が自分についてきてくれるようになって、今そういう後輩がありがたいなって思います。それでチームが一体感出てきたなというのがあります。3年生の代も個性ばらばらな代なんですけど、その中でも一つの明確な目標をみんなが持っているので、一体感はすごくあると思います」
河西「プレッシャーはそんななかったですかね。自分が牛久保先輩と違うことは分かってたから。私しゃべるのがめちゃくちゃ下手なんですよ。牛久保先輩はしゃべるのがすごいうまくて。競技的なプレッシャーとかは全くなかったんですけど、私のしゃべりが下手過ぎて伝わってんのかなみたいな。牛久保先輩だったらもっと筋立ててしゃべれてるからみんなもっと分かりやすくなってただろうなみたいな。しゃべりに関してのプレッシャーはありました(笑)」
佐藤「周りが結構しっかりしてたんで(笑)」
河西「今回の春合宿もそうなんですけど、私がしゃべってみんなが半分くらい分かったような顔をしてて『これは…』って思ってたら、同じ代の子がそれを具体的に『ああいうときにこうするってことだよ』っていうふうに話してくれて。補ってくれる人がいたので、不安にはならなかったです。プラマイゼロくらいになって良い方向に向かうかなみたいな」
――同期の皆さんと助け合いながら活動されていたのでしょうか?
河西「そうですね。結構助けられました(笑)」
佐藤「人前で、後輩とかに対してきちんと物を言えるのは河西しかいないので。そういう点でリーダーとしてすごく良いと思います。そこを補える同期がいるのも女子は強いとこかなと思います。それは同期の女子の中でも役割分担がしっかりできていて。前に立って言う人とそれをフォローする人っていうのがいるので、女子はまとまってますね」
――主将・女子リーダーをしていて辛かった瞬間はありましたか?
佐藤「秋の試合に関しては点数もどうしても出なかったりっていうことで、去年のチームと比べられるので。一時期点数悪かったときは自分でも点数のこと考えちゃいますし、監督とかOBさんとかいろんな方面から結構プレッシャー掛けられてたので。悩んだときはありますね」
河西「(試合で)チーム的な点数で見ると全然良いんですけど、じゃあ私個人(の点数)というかリーダーとしてその点数で良いのかとなったときは悔しかったです。自分以外の人が勝敗に関わる点数を出して、そういうのって普通リーダーがやるべきなんじゃないのかなって思ってたんで。チーム的にはマイナスの雰囲気になったことはないんですけど、やっぱりリーダーってなると『あれ?』みたいな」
――逆にやっていて良かった瞬間はありますか?
佐藤「12月くらいですかね。点数やばくて。男子の中では一軍・二軍っていうのがあって。一軍だけで一軍練やろうっていうことになったときに朝早いのにきついと思うんですけども、それでもみんな練習に来てくれて。そういう話もしてるときに、後輩が『昔は先輩のことなめくさってましたけど、今は先輩についていきます』と言ってくれたので、うれしかったですね。裏で言ってるのを同期が聴いたらしくて、それを伝えられました(笑)」
河西「(笑)」
佐藤「『佐藤先輩を王座に連れていくんだ』というのを言っていたみたいで、うるっと来ちゃいましたね」
河西「さっき言った冬の試合で2500っていう目標に一番近い点数が出たこと。2496が出て、その試合が一番チームの一体感が出ていたというか。その時期くらいからの試合とか雰囲気が私はうれしいことでした。一応2500を出すために呼び掛けてきたいろいろがあったんで、きちんと試合に点数として出たというのがうれしかったです。まだリーグ戦あるし王座あるんで、そこが一番うれしいことになるんだろうなって思いながらやっています(笑)」
――最高でもあと3ヵ月ですが、活動期間が残り少なくなってきたという意識はありますか?
佐藤「いや、そこまで短いなとは意外と思ってないですね。自分もさっき考えて『あ、リーグ終わるまであと1ヵ月ちょっとしかないんだ』って思ったぐらいなんで。まだまだチームは発展途上だと思っているので。あんまり思わないです、まだやっていけるって」
河西「あと3ヵ月?」
佐藤「マックス3ヵ月」
河西「あんまり考えてないようにしてるっていうか、考えてる暇がないっていうか。ただ練習しようみたいな」
――最後にチーム、個人それぞれの目標をお聞かせください。
佐藤「チームの目標としては間違いなく、リーグ戦で勝ち上がって王座でベスト8入賞することが最後の目標です。自分個人としては、一年間自分が引っ張ってきたチームなので、このリーグ戦ではしっかりと試合に出て運営だけでなく点数でもチームを引っ張っていける存在になりたいなって思っています」
河西「チームとしては王座ベスト8。その前のリーグ戦で2500を出すですね。個人としては数字で出るものじゃないからわかんないんですけど、今までのチームで日本一の応援を目指そうっていうのは言ってたんで。数では分かんないんですけど日本一の応援になったよ、っていう自信を持って言えるような試合の雰囲気のスタイルがリーグ戦で見出でたらいいかなというのが目標です。個人は最後の年になって絶対に点数を出したいっていう気持ちがあって、試合で640は出したくて。その自分が点数を出したことによって、チームにもプラスに働いて王座に行けたってなりたいし、自分も去年立てなかったところなので、王座の射線に立ちたいなと思っています」
――ありがとうございました。
◆佐藤瞭平 さとうりょうへい 法4 世田谷学園高出 176cm・63kg
◆河西真帆 かわにしまほ 農4 横浜緑ヶ丘高出 151cm
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