5年ぶりの団体3位 今林主将「やり切った」/全日本学生選手権大学対抗戦

◆3・4~6 全日本学生ボードセーリング選手権大学対抗戦(和歌山セーリングセンター)
▼明大――3位 

 有終の美を飾った。3日間に渡って開催されたシーズンの締めくくりとなるインカレ団体戦で堂々の3位入賞。5年ぶりに団体戦で3位以上に輝いた。稲葉敦史(商2=名古屋)ら2年生の好走もあり、大崩れすることなく3日間を戦い抜いた。各個人が持ち味を発揮した、チーム一丸でつかんだ表彰台だ。

 シーズンの最後に喜びが待っていた。3位で迎えた最終日。チーム全体としては苦手な強風の中、2レースをこなし、追いすがる同大を1ポイント差で振り切り3位を死守した。表彰台は実に5年ぶり。「予想以上の結果が出た。やり切ったし、とにかく良かった」。個人ではチームトップの6位となり、団体入賞の原動力となった今林大亮主将(政経4=修猷館)は満足げな表情で振り返った。

 秋の悔しさを肥やしにした。11月に行われた個人インカレではまさかの入賞者ゼロ。「個人インカレで負けたときはきつかった。それなりに自分たちも練習してきたつもりでいたけど結果が出なくて」(今林)。大会後はより良い練習方法を模索した。行きついた答えがメニューの変更ではなく意識の改革だった。各選手が練習前に目標を話し、練習後に振り返る時間を設定。また、従来のしゃべりたい人だけが話すミーティングを撤廃した。「自分がまとめがちだったので、俺の意見は最終確認くらいで他の人たちで答えを出させるようにした」(今林)と主将はあえて一歩引き、選手それぞれに考えさせた。その結果、個人個人の自主性がアップ。今大会に向けチーム力が大きく高まった。

 うれしいサプライズもあった。稲葉が個人13位と大健闘。出場した7レース中4本でシングル(一桁順位)を獲得した。同世代以下ではトップ。「大亮さん(今林)の近くにいることだけを意識していた。真似をすれば上位にいけると思った」(稲葉)。レースでは頼れるエースについていく戦法で結果を残した。2月の1カ月間は今林に付きっきりで練習やレースを繰り返した。「大亮さんの引退が近づくにつれて、盗めることは盗まないといけないと感じていた」と稲葉。エースのそばで遂げた成長を、目に見える形で表現した。

 最大5人がエントリーできる今大会において、4人が2、3年生という若いチームで戦った。主将の抜ける穴は大きいが、来季はほぼ現有戦力でチームを組める。「このままつなげていけるので、気持ち的には楽。この大会を目標にまた頑張りたい」と次期主将の前田海里(商3=横須賀総合)。今大会をきっかけにしたさらなる躍進に期待だ。

[尾藤泰平]