島田が得意のフリーでも8位入賞/全日本学生選手権(クロスカントリー部門)

2016.02.28
 二種目入賞で存在感を示した。島田正叡(政経3=南砺平)が10kmフリーで8位に食い込んだ。スタート直後からペースを安定させ、勝負所の後半7キロ以降ではスパートをかけ8位でフィニッシュ。この結果により、先日行われた30kmクラシカルと合わせて5ポイント獲得した。

 冷静なレース運びが大混戦のレースを制した。21番目にスタートした島田。後続の選手はいずれも各大会で成績を残していた実力者がそろっていた。そのため「多分抜かれるからそれについていこう」と切り替えレースに臨んだ。後半7キロ地点から続く上りの後に一気にスパートをかけてゴール。インカレ初入賞の30kmクラシカルに続き10kmフリーでも入賞し「今シーズンで一番良い滑りができている」と島田。それでも今回の10kmフリーでの入賞を手放しには喜んでいない。目標としていた5位入賞には約20秒ほど及ばず。島田は自身ののびしろを「最初のスタートと後半の2キロ」にあると分析した。体力、レース状況を考えながら、立ち上がりの部分でいかにスピードを上げられるか。明大クロスカントリーを引っ張る存在へ成長のカギだ。

 長い上り坂が勝負を分けた。今回10kmフリーに出場した選手のほとんどがコース内の傾斜のきつい上り坂について口にした。ランナーのチーフを務める西田大地(政経4=おといねっぷ美術工芸)も「上位に入っている選手っていうのはみんな、きついところで頑張れる人たち」と今回のレースを振り返った。二日後に控える最終種目のリレーでも、きつい時間帯にある相手との駆け引きが順位に大きく影響してくるだろう。

 一週間に及ぶインカレも残るはリレーのみ。現在明大は総合4位で、目標の総合表彰台には2点差の3位日大にリレーでひっくり返すことが必須条件だ。4人のランナーが明大の上位進出を手繰り寄せる。

[荒井希和子]

試合後のコメント
西田大地(政経4=おといねっぷ美術工芸)

「今日は前を抜かさなきゃっていう焦りがあって、前半から突っ込んでしまった部分があった。そのせいで後半落ちてしまった。後ろの選手の板が滑っていて、力不足なところもあるがさらに焦って空回りしてしまった。自分の思ったようなレース展開はできていないし、納得のいく滑りはできなかった。今日は周りの人に惑わされたっていうか、自分の思っているレース展開にはならなかった。周りを気にしないのも良くないが、自分の走りができていなかったのが今日の一番大きな課題。長くてきつい上りがあったが、そこでもうひと頑張りできていれば良かった。上位に入っている選手っていうのはみんながきついところで頑張れる人たち。今日実際走ってみたら足がパンパンで、一周目の上りでもう足が上がらなくなった。その足の状態で前半突っ込んでしまったのが問題。自分はこのレースで終わりなので、みんなにはこれから島田を目標に頑張ってほしい。みんなベストの走りをするのが一番だが、目標は5番以内。リレーが引退レースになるので頑張りたい」

島田正叡(政経3=南砺平)
「1周目は六番手で6~8秒差。インターバルスタートだったので、後ろから3人強い選手が来ていた。たぶん抜かれるからそれについていこうという作戦で行った。2週目に入ってから、後半7キロ地点からずっと登りが続いて最後スパートに入るので、そこが重要だった。入賞まで後ろも10秒もなかったので、ちょっとの緩みとかで前後してしまう。後半ちょっとその緩みで失速したが、前半はやり切れた。最後の2キロくらいで離れるというか、タイム差がそこでついてしまうのが課題。今日は晴れていて滑りやすかったし、日陰の多いコースなのでコース状況もそんなにコンディションが大きく変わることもなかった。板は滑っている人たちからするとそこまで滑っていなかった。目標にしていた5位までは20秒ほど、自分の中ではどうにかできたと思う。最初のスタートと後半の2キロがやっぱり重要。そこでスピードを上げたり粘れたりしたら上の順位は狙えた。インカレの前にあった国体ではリレーも個人も入賞できなくて悔しい思いをした。それはインカレでぶつけられたと思う。あと、コンディションについてもマッサージをしてもらったりして整えることができた。自分一人では入賞できなかったなと言う思いが大きい。実際、おととい、今日と調子は上がってきている。今シーズンで一番いい滑りができていると思う。(リレーは)去年よりも順位を落とさないようにする。遅れてきたら挽回するのもあるし、ラップタイムを取れるように頑張りたい」

渋井洋祐(文3=北村山)
「前の人に話されないようにと思っていた。今年はクラシカルの方が得意だったので、フリーでは目標としては30番以内に入ることだった。おとといクラシカルがあったがちょっと筋肉痛だったぐらいで特に影響もなく、それに今日は晴れていたので走りやすかった。今年は直すというよりも、取り組みが甘かった。一から組み立てていきたい。来年はスキーができる最後の一年なので、悔いが残らないように春から頑張っていきたい」

渡辺瑛仁(政経2=中野立志舘)
「後ろは気にしないで前の人を追っていこうと思っていた。ここのコースはあまり得意ではないけれど、周回を重ねるごとに自分の中でポイントをつかめるようになってきた。(おとといのクラシカルで)疲労は一日では全部抜けないけれど、ケアしてもらったので体調はうまく整えられた。登り切ってからの平坦な部分とか、下りとかで何回か休んでしまった。そこで一秒二秒変わってくるので、そこが大きい。来シーズンはインカレでも上位入賞を目指して頑張りたい」