チームトップは里野の16位 ポイント獲得ならず/全日本学生選手権(アルペン部門)

2016.02.27
 悲願の入賞とはならなかった。アルペン3種目の最後を飾る回転が行われ、チームトップはルーキー里野寛太(文1=中野立志館)の16位だった。明大から出場した6選手中、唯一の完走も結果には満足いかず。チームとしても全種目を終えポイントを獲得することができず、悔しい結末となった。

ルーキー2人が爪痕残す
 明大勢唯一の完走も、その顔が緩むことはなかった。「点に絡むことができなかったのがとても悔しくて、満足していない」(里野)。コースセットが難しく、出場した全84選手中60人が失格となった今回のレース。里野は高校時代のホームゲレンデが急斜面だったこともあり、2本を難なく滑りきった。しかし「守りに入ってしまった」と完走に終始してしまった。得意の回転種目なだけに、来シーズンは結果も追い求める。

 この借りは来年返す。同じくルーキーの関口快(政経1=白馬)は1本目を終え9位と入賞圏内に入るも、2本目終盤に無念のコースアウト。「つなぎからの緩斜面が苦手」とゴールを前にして勢い余ってしまった。初のインカレで入賞が懸かったこともあり、緊張から体の固さもあった。入賞目前での失格に、レース後には悔し涙を流した関口。その涙に来シーズンの部門復調の兆しを見た。

入賞へのカギは「気持ち」
 今年もならなかったポイント獲得。今シーズンで競技を引退する4年生2人は、技術以上に心の持ち方が重要だと話した。五十嵐玄(文4=山形中央)は「夏から『今年こそはポイントを取る』という強い気持ちを持ってトレーニングすること」と、長崎誠(商4=新井)も「メンタルを強くして挑んでいって欲しい」と普段通りの力を発揮することが入賞には必要とした。来年はルーキー1人を加えた計7人で、インカレでのポイント獲得を目指す。

 インカレもいよいよ最終局面。大会5日目の28日にはコンバインド、クロスカントリーの10㎞フリーが行われる。現在総合7位の明大。お家芸のコンバインドには曽根原郷主将(政経4=新井)はじめ6選手が出場。総合順位の押し上げをはかる。クロスカントリーではエースの西田大地(政経4=おといねっぷ美術工芸)が自身最後のインカレ個人種目で入賞なるか。熱い冬は、まだまだ終わらない。

[小田切健太郎]

試合後のコメント
長崎

「非常に申し訳ない気持ちでいっぱい。アルペンは毎年ポイントを取っていなくて、今年は取れるチャンスだったんですけれども、ゴールできなくて不甲斐ない結果に終わってしまった。今日は結局20人ちょっとしか残らなかったんですけど、サバイバルレースということで僕の中では作戦ミスじゃないけれど最後の緩斜面に入っていたのでグイグイいかなければならなかったので、そこでいった結果飛んでしまったという形。1番気をつけなければならなかったのはスタートしてすぐのところ、皆が見える落ちるところまでがすごい難しかったのでそこを気をつけていた。思った以上にバーンが固くて、固い中でも荒れて掘れていた。(4年間を振り返って)インカレ以外だと記録は出ているけれど、インカレだけは結局1回もリザルトに残すことができなかったので悔しい。インカレはセットが難しくて、毎年サバイバルレースになる。1番印象に残っているのは2年生の時のインカレ。1本目を10番代で結構いいところにつけて、2本目でまたいでしまった。そこが1番チャンスだったかなと思う。(来年以降ポイント獲得に向けて)今年、1年の関口がGSもSLも1本目の調子の良さはあるけれど2本目で失敗してしまっているので、メンタルの弱さが目立ったレース展開だったと思う。皆、メンタルを強くして挑んでいって欲しい。毎年、アルペンには学年1人ぐらいしか来なくて、人数も少なくて小規模だったけれど今年は1年生が4人も入って元気のあるようなチームだった。同期にスキーを続ける人が何人かいるので、後輩もこれから悔いのないようにがんばって欲しい」

宮崎優也(政経3=飯山)
「コースというよりは、雪質とセットが難しかった。自分は最後まで滑れなかったけど、聞いたところコースの場所によって雪質が変わっていたらしい。上のほうはガリガリに硬くて、下のほうが柔らかい。自分は上のガリガリの所で攻め過ぎた。板がかみ過ぎたのか、ポールまたいでしまった。雪に対応できなかった。サバイバルレースと分かっていたので、最初はゴールを意識して滑っていたが、途中いけるかなと思ってしまい、その瞬間やられた。(インカレを振り返って)惨敗感がすごい。ゴールできていないのは話にならないし、ゴールできているスーパー大回転もあまりいい成績ではない。情けない大会だった。(来季は)入賞が目標。特にスーパー大回転で入賞を目指したい」

佐藤優大(政経1=日大山形)
「ちょうどコース中盤で失敗してコースから出てしまったが、それまでの前半部分の最初の急斜面のパートとリズムの取りにくいセットの中では自分の想像していた通りの滑りができた。ちょうど自分が攻めどころと考えていたところミスをしてしまったので、自分の立てたプランが間違っていたのかなと思った。滑り自体は今シーズンずっとスラローム競技は調子がよくて。今日もそういう滑りができていたが、残念だった。2本目の方が難しかったと聞いたが、1本目も十分難しかった。去年のインターハイのセットよりは全然難しく立ってて、コースも今日はバーン状況が安定していなくて全然上手く滑れない人もいた。そうなるのはわかっていたから、とにかく1本目でゴールすることを目標に考えていたが、結果としてゴールできなかった。それでもインターハイの時に比べて全然いい滑りはできていた。今日みたいなコース状況になると、一番スタートに近い方が圧倒的に有利。来年のインカレに向けて一番やらないといけないのは、もちろん技術もだがスタート順位を上げないといけない。インカレ終わってからのシーズン後半のポイントレースで頑張って、来年のスタート順位を確保したい。一年生なので今年は当たって砕けろかなと思っていたが、本当に砕けてしまった。来年はしっかりまとめたい」

里野
「点に絡むことができなかったのがとても悔しくて、自分的にも満足していないですし、課題が残る試合だった。ああいう厳しいコースだったので、確実にいけばいいところまでいけると思っていた。2本目は割といつも通り、変に力むことなくいけた。(2本目前は)本当に点に絡みたかったので、1年生だし伸び伸びアタックできたらなと思っていたけれどちょっと守りに入ってしまった。1本目は緊張もあったし、絶対にゴールしなければいけないと思っていた。ゴールする自信は、高校の時に急斜面で練習していたのであった。緊張からくる固さがあったのかなと、体が非常に動かなかったので。振り返るとそういうところもあったのかなと思う。(インカレは)独特の空気感があったので、来年からはそこしっかり含めて精神面を鍛えていけたらと思う。練習通りの滑りが僕は求められているので、いかに大会に沢山でて練習の滑りを出せるかということ。来年は必ず点に絡めるように、夏からしっかり全力でやっていきたい」

関口
「1本目はよかったけれど、2本目は緊張があってダメになった部分がある。急斜面は多少失敗もあったけれど、緩斜面へのつなぎがうまくいった。急斜面は得意だれど、つなぎからの緩斜面というのが苦手なので、そこが今回のカギになるという風に思っていた。(2本目は)緊張があったというのと、スタートする時に少し余裕がなかったというのが結果につながってしまった。メンタル的な部分が弱いかなと思ったけれど、技術的な部分ではいいところまで仕上がっていると思う。(来季のインカレは)全種目で入賞、優勝を目指す中でやっていきたい」

山口晃(営1=日大山形)
「だいぶ早い段階で終わってしまったので何も思わないが、精一杯やったと思う。(コースは)すごく急で難しかった。最初の10ターンを終えるまでが一番難しくて、そこが終わってからはまた変わってくるので。どこででも失敗する可能性のあるコースだった。まずその最初の10ターンをクリアしないといけなかった。回転の方の調子も良くなかったので、それなりの結果だったのかなと思う。大回転の時にも良いイメージで滑れなかったが、回転もそのまま滑ってしまった。(去年のインターハイも花輪スキー場だったが)その時回転は出ていないが、今年の方が多少気持ちに余裕ができていたと思う。これも良い経験だと思うので、来年頑張りたい」