2種目終え入賞者現れず/全日本学生選手権(アルペン部門)

2016.02.25
◆2・24~3・1 (花輪スキー場)
▼アルペン スーパー大回転
宮崎――23位
五十嵐――41位
関口――49位
里野――56位
山口――74位
▼アルペン 大回転
関口――14位
五十嵐――33位
山口――34位
佐藤優――35位
宮崎、里野――失格

 念願の入賞までもう一歩だった。大会初日にはアルペン部門のスーパー大回転、2日目には大回転が行われた。両種目ともに入賞は逃したが、大回転では関口快(政経1=白馬)が14位と存在感を見せた。

〈スーパー大回転〉
 レース前の準備が勝負を分けた。明大のチームトップは宮崎優也(政経3=飯山)の23位に終わった。スーパー大回転は滑降とともに高速系種目に分類され、ターンの技術とスピードへの対応力両方が必要になる。今大会はセットの難易度が高くなく、その分速さを求められた。 
 宮崎にとって得意種目であるスーパー大回転だったが、レース前にコースを下見するインスペクションでうまく調整できなかった。事前にコースを把握し切れず、レース後半になると「頭が真っ白になって通過するのに精いっぱいだった」とスピードに意識を回せなかった。1年次には13位と健闘していた宮崎。「一番得意としていたのに悔しい」と後味が悪い結果になった。

〈大回転〉
 アルペン部門の救世主となるか。ルーキーの関口が最終14位と奮闘した。大回転はスーパー大回転と、技術系の回転の中間種目。「急斜面のコースは得意」という関口は、85人中37人がコースアウトした難度の高い1本目を攻略し、11位と入賞まであと一歩に迫った。「1本目の滑りをもう一度やれば入賞できる」と自信も持って臨んだ2本目だったが、終盤の緩斜面に入る手前でターンのミス。その際にスピードが落ち、惜しくも入賞には届かなかったが「失敗を含めて自分の実力は出せた」と冷静な関口。毎年なかなか上位に食い込めないアルペン部門の頼もしい新税だ。

 大会4日目の27日にはアルペン部門の最後の種目、回転が控えている。長年待ち焦がれる入賞者の登場に期待したい。

[田中愛]

試合後のコメント
五十嵐玄(文4=山形中央)

「夏場の練習からこのインカレに向けてトレーニングをしてきて、自分でもいい調整ができていたと思うので、この大会で全力を出し切ろうと思っていた。でも技術の面でまだ足りない部分が多くて、それを実感させられるレースになった。スーパー大回転では2月の中頃にあった学生チャンピオン大会で17位ぐらいには入れていたので、もう少し頑張って入賞したいと思っていたけれどそれができずに悔しい気持ちでいる。花輪スキー場はやはり難しいコースで、攻めていけるという情報ももらっていたので攻めていこうと思っていたけれど、自分の滑りができなかった。夏場は筋力トレーニング、中でも下半身のトレーニングをやってきた。脚力の強化のために。もっと高いレベルでやるためにはそこの強化が必要だと考えていた。(今年のアルペン陣は)夏場のトレーニングから1年生の若い力、雰囲気の中で僕たちもやることができた。去年よりもいい雰囲気で練習できていると思う。今年もまだあと1レースインカレがあるけれど、ポイント獲得のために夏から『今年こそはポイントを取る』という強い気持ちを持ってチーム一丸となってトレーニングしていくことが大事になると思う。(4年間を振り返って)はじめは大変な部分や忙しい部分が多かったけれど、段々と学年を重ねることで明治としての責任や明治大学スキー部の一員として結果を残さないといけないということで自分でもそう思って練習してきた。これまでのインカレで入賞することができなかったのはとても悔しいけれど、明治大学スキー部として誇りを持ってやって来られてよかった。今日も関口君が14位ということでポイント獲得まで残り僅かだったので、来年からも今の1年生2年生3年生がポイント獲得に向けて取り組んでいって欲しいと思う」

宮崎
 「(スーパー大回転は)思ったより厳しいレースになってしまった。雪面の状態は悪くなかったし、セット的には簡単だった。だからこそ技術力のある人と差が開くレースだった。自分の滑りは上ではできたけど、下は頭が真っ白になって通過するのに精いっぱいだった。アップのときコースにうまく合わなかったから、ぶっつけ本番みたいな形になってしまったのもある。普段はもっと広いコースでスーパーGやっていたが、今回はいつもより狭くて少しこわかった。(インカレ前は)今月の19日に大会に出て、その後体調を崩してしまい、あまりスキーをしないでこっちに来てしまった。この種目の順位は年々落ちていってて、一番得意としていたのに悔しい。(アルペンチームは)今年は人数が多くなって、1年生で一人速いのもいるし少し活気づいた。昨年までは5人しかいなかったので、空気も明るくなったし元気になった。(大回転は)難しいセットで、闇雲に突っ込みすぎた。インスペクションの時に感じてはいたけど、滑ってみたら余計難しかった。読みが甘かった」

佐藤優大(政経1=日大山形)
「緊張っていうのはあんまりなかったが、一本目で自分の滑りとはかけ離れたものになってしまったのと、大きな失敗も何回かしてしまった。情報も上がっていてインスペクションの時にも予想はできたんですけど、降りてくるラインがポールに対して縦になりすぎてしまった。気持ちの遅れだったりと言うのが大きな理由だと思う。そういう部分が上手く調整できなかった。それでも1年生ということもあるので、しっかりゴールすることを考えていた。来年再来年のために、明後日のスラロームのためになったらなと思っていた。二本目は明後日のスラロームを気持ちよくスタートが切れるようにとスタートした。大回転の方が今シーズンずっと調子が上がっていなくて、ずっとだめな感じで来ていた。自分としてもいける気がしなかったので、とにかく明後日のスラロームのことを考えていた。ただ、難しいコースっていうのをしっかり滑り切ったということでシーズン後半の調子が上がっていったらと思う。(明後日のスラロームは)とにかく自分の滑りをする。一本目しっかりリバースに入って、きれいなコースで120パーセントの滑りができるようにしたい。それで二本目では大きくジャンプアップしたい」

里野寛太(文1=中野立志館)
「(2種目を終えて)スピード系自体は得意種目とは言えないので、自分なりには頑張ったかなという感じ。スラロームが自分の中では得意だと思っている。今回のコースは日本の中でも急斜面な方だと思うけれど、僕の高校のホームゲレンデが急斜だったので滑り慣れているというか自信はある。スラロームでは順位だったり深いことは考え過ぎずに、自分の滑りをできたらなと思う。僕は緊張しがちなので、リラックスして滑りたいと思う。今年は頭で考えたことをいかに体で出せるかという事に重点を置いてきたので、それが少しづつ出来てきたので生かせればと思う。(今年は1年生のアルペン陣が多く)個々、高校の時は早かった人が何人かいるので、いい雰囲気でお互いに刺激し合ってできているのかなと思う。(大会4日目のスラロームでは)最低でも15番以内は必ず狙っていきます」

関口
「いつも練習しているところも急斜面なので、今日の急斜面のコースも得意だった。入賞はしたいと思っていた。2本目は1本目の滑りをもう一度やれば、入賞できるかなと思っていた。2本目は失敗したので仕方ないというのもある。(2本目は)最後の緩斜面に入る手前のターンで大きく飛び出してしまった。その緩斜面ではスピードが出なくて結果的に遅くなった。ただ、失敗を含めて自分の実力は出せたと思う。(インカレ前は)大それたことはやっていなくて、いつも通り練習してインカレに臨んだ。緊張はしてるにはしてるけど、いい意味での緊張感。精神的には余裕を持っていた。普段から練習をしっかり積んでたので、インカレも自信はあった。課題は2本目の気持ちの持っていきかた。1本目が良ければその気持ちのままに2本目もやって、もし1本目が悪ければ切り替えて巻き返す、ということが大事。今日も気持ちを変えないつもりではいたけど、やはり出てしまった。精神面的な部分を強くしていきたい」

山口晃(営1=日大山形)
「(初めてのインカレだったが)体が硬くなることはなかったが、今シーズンあんまりプラスなことがなかったのでネガティブな感じだった。良いイメージを持って滑れていない。今の結果は割り切って、来年に向けて頑張りたい。今回はコースも難しくてあんまり得意じゃないコースだった。去年のインターハイも同じところで滑ったが、それまでの調子は良かったのに全然自分の滑りができなかった。(スラロームが残っているが)切り替え方が分からないので、とにかくガッツで滑り切る。滑り切れなくても、思い返した時にあそこまでは良かったなと思えるような滑りをしたい。守ってゴールしてもしょうがないので攻めていきたい」