
野本大健闘5位 小林は7位で年間王者へ王手/埼玉クリテリウム
年間王者を手中に収める7位入賞だった。集団の最終スプリントで強さを見せた小林は大きな意味を持つ7位入賞を勝ち取った。序盤の新村(法大)のアタックから5人の逃げが形成され、4周目には後方集団と約30秒の差をつける。中切れも起こり脚を使っていた小林は先頭集団の逃げに反応し切れなかった。荒れた展開の中でも「前の逃げのメンバーも強かったので誰もちぎれないと思っていました」とあくまでも入賞圏内を狙うレースプランにシフトチェンジ。後方集団の中で時おり動きを見せる選手をつぶしていき、最後のスプリントで勝負を掛ける得意のレースを展開した。磨き上げてきた自慢のスプリント力があるからこそ、強みを最大限に生かすレース運びに踏み切ることができた。
最終戦を残し、昨年あと一歩のところで逃したRCS年間優勝に向けて首位を独走する小林。昨年の神宮では長距離を走った後のスプリントで力を出し切ることができず10位に沈んだが、今年は長距離を走りポイントポイントでもがく練習を多く取り入れた。万全のコンディションでなくともスプリント勝負に持ち込み、接戦を制してポイントを積み上げてきた。「チャンピオンジャージーを着て走るからには恥ずかしくない走りをしたいです」。最終戦、有終の美を飾り年間王者の座をつかみにいく。
野本もハイレベルなレースで積極性を発揮した。序盤に発生した逃げに乗った野本は「自分がどれくらい走れるか試してみようと思い、追い掛けてみました」。新村、今大会で優勝した小林(日体大)ら実力者がそろう集団の中でも物おじしない攻めを展開。ラスト1周で4人に離されることにはなったが、緩急の激しいレースで堂々の5位に入った。ルーキーながら年間順位では小林に続く2位につける。「明大が1、2位を独占というのはあまりないと思うので、しっかり狙っていきたいです」。伸び盛りのシーズンを最高の形で締めくくりたい。
神宮での最終戦には鹿屋体大やメルボルン大、国内外の強豪校も出場予定。注目度も飛躍的に上がり、大学対抗でのポイントも競われる。明大からは小林と野本、松本裕典(法2=北桑田)の3人がメンバーとして出場予定。「個人での優勝と大学対抗での優勝を狙っていきたいです」(小林)。悲願の個人総合優勝へ小林が、そして団体戦優勝へ向けチーム明治が最終戦へ臨む。
[鈴木拓也]
試合後のコメント
小林
「エントリーリストを見ても今日は朝日とか遠方の方から来ていたのもありますし、法政の強い新村さんが出ていたので結構荒れるだろうなと思っていたら、レースもその通りになったと思います。新村さんがいったホームストレートでいった2、3周目くらいからレースが決まってしまったと思います。自分も中切れが起きた時に一人で前に追いつくために脚を使ってしまっていたのでそこに反応し切れなかったです。前に野本が乗っていたので、集団をしっかり抑えて逃げてもらおうかなという走りをしていました。前の逃げのメンバーも強かったので誰もちぎれないと思っていましたし、後ろの集団で逃げる人をつぶして最後のスプリントに持っていけたらなと思っていました。コンディションは良いかなと思っていたんですけど、全体的に風が強い中でもペースが早くて向かい風のところでも前回のレースより早かったので、全体を通して踏む場面が多くて休めるところが少なかったかなと思います。(最終戦神宮に向けて)いくら神宮以外のレースで勝っていても、OBの方には結果をメールでしか報告できなかったのですが、神宮はOBの方も結構来られてそこで勝ったところを見せたいと思っています。ポイント差もあって最終戦はだいぶリラックスして走れると思うので、個人での優勝と大学対抗での優勝を狙っていきたいです。神宮はお客さんの数も多いですし、いろんな方が見てくれるのでチャンピオンジャージーを着て走るからには恥ずかしくない走りをしたいです」
野本
「自分がどれくらい走れるか試してみようと思い、追い掛けてみましたが、やっぱり先輩方は強かったです。逃げていたのは、日体大と立大と法大でした。(レースプランと展開について)クラス1は、普段17、18人辺りだが、今回は32人いた。シーズンで一番多かったので、展開もよく動くだろうなと思っていたので、序盤からとりあえず展開に反応できるようにしました。前の列に5人くらいいるところでスタンバイしていました。脚のそろっているメンバーだったので、これは絶対にレースが動くと思い、追い掛けて、最初は6人で回していましたが、一人そこから離脱して、そのまま5人という形になりました。作戦通りでは、あったが脚がついていきませんでした。今までの経験上、5人の逃げである程度距離がある時は、そのままゴールまでいくと思っていましたが、残り4周あたりで法大の選手が、ふるいを掛けるためにアタックをしてきて、それに日体大の選手だけ反応して、2人を追うしかなくなって、その時のペースに脚がきつくなり、残り1周で前4人と離れて一人でゴールしました。(スピードについて)たぶん、今シーズンの行田の中でも速いほうだったと思う。ホームストレートだと50〜60kmくらいで、バックだと30kmくらいで、差が30kmほどあって、アップダウンがすごかった。(意識していた選手は)1位だった日体大の小林さん。国体なんかでも優勝している実力者。他の選手も実績のある人ばかり。その中で、5位に食い込めたのはよかったが、僕としてはもっと上を狙っていきたかった。総合順位は2位を維持できました。ラスト一戦、最後表彰台に上れるよう、明大が1、2位を独占というのは、あまりないと思うので、しっかり狙っていきたいです」
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