
(9)「ここがスタートライン。本当に大事なのはここから」/室屋リオへの決意
室屋「一番は大会を通して安定したプレーを見せることができたので、そこは自信になりました。1対1と運動量という自分の良さは出すことができましたし、チームが優勝することができたのが一番の収穫かなと思います。マッチアップする選手には絶対に負けへんぞという気持ちがあったので、そういったところで強みが出せたと思います。技術的な部分よりもメンタル面が一番成長したかなと思います。自分自身も自信を持てるようになったのでそういう部分はFC東京に行っても見せていきたいと思います。でも攻撃参加の時や守備のポジショニングといった細かいところでのミスがあったので、そこはもっと詰めていかないといけないと思いました」
――手にした自信
室屋「やっぱり自信が一番欲しかったものですし、自信を持つことで高いパフォーマンスも発揮できると思うので良かったです。でも帰国してから電車とか乗っていても誰からも気づかれませんでした(笑)。まだまだですかね。大学で普通にテストも受けましたし(笑)」
――挑戦
室屋「五輪が懸かったプレッシャーのある中でのあの大会は自分の中ではすごく重要な時間となりました。その気持ちを感じながらサッカーをしたいと思いましたし、その気持ちが上のレベルでプレーしたいという気持ちにつながりました。東京という新しい環境でプロサッカー選手としての戦いが始まります。1年目のシーズンなので、謙虚さを忘れずに挑戦し続けたいですね。送り出してくれた明治大学には本当に感謝をしていますし、恩返しがしたいです。それは東京で試合に出て、リオで試合に出て活躍することで果たせるのかなと思います。ここがスタートラインだと思っていますし、本当に大事なのはここからだと思っています」
――リオへ
室屋「予選を戦ったからには、リオの本戦にももちろん行きたいです。それを考えた時に東京で試合に出ることがまず大事になってくると思います。代表でも東京でも厳しい争いが待っているので、そこに向けて全力でやっていきたいです。五輪は人生で1回しか経験できないものだと思っていますし、出場できるチャンスがあるなら挑戦したいと思うのが自然だと思います。そのために残された時間は多くありませんし、自分のやるべきことをしっかりとやってまずはメンバーに選ばれる。そしてメダル獲得を目指してやっていきたいです」
――試練
新たなスタートラインに立った室屋。FC東京でのキャンプ合流後の練習で負傷し、15日の精密検査で左第5中足骨の骨折と診断された。復帰には3ヶ月程度を要するとされており、今週中の手術も検討されている。最高の状態でFC東京へ入団した室屋にとってはあまりにも悲痛な試練といえよう。
室屋の名前「成」には「成し遂げる」、「成功」といった意味が込められている。筋金入りの負けず嫌い。最終予選を振り返った室屋は「相手が強いほど、逆境なほど燃えます」と力強く口にした。FC東京室屋成に与えられた最初の試練。リオ五輪出場という夢を「成し遂げる」ため、完全復帰へ全力を尽くしていく。
[鈴木拓也]
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