室屋成がJ1・FC東京へ新入団内定!

2016.02.06
室屋成がJ1・FC東京へ新入団内定!

 2月5日、室屋成(政経3=青森山田)のJ1・FC東京への新加入内定が発表された。室屋は当時J1・清水エスパルスからのオファーを断り、名門・青森山田高から明大に進学。1年次からサイドバックでの出場を重ねると、リーグ戦では新人賞を受賞。2年次にはU21日本代表に選出され、第17回アジア競技大会にも出場した。3年生となった昨年4月にJFA(公益財団法人日本サッカー協会)から特別強化指定選手に認定され受け入れ先となったJ1・FC東京でもプレー。公式戦出場こそなかったがハイレベルな環境でのトレーニングで心技体ともに磨き上げた。先月に行われたAFCU23選手権2016にも唯一の大学生としてU23日本代表に選出。右サイドバックで全6試合中5試合に先発フル出場。準々決勝で決勝ゴールをアシストするなど、リオ五輪の出場権獲得とアジア制覇に大きく貢献した。そんな室屋は来季「大学生Jリーガー」として新天地・FC東京でのチャレンジを誓った。

[鈴木拓也]

室屋のコメント

――FC東京への加入が内定した今の心境を教えてください 
 まずプロになれたことが素直にうれしいという気持ちと、こういう形でサッカー部を辞めることになってしまったんですけど、栗田監督(栗田大輔監督)をはじめ、井澤さん(井澤千秋ゼネラルマネジャー)など明治の関係者の方々が動いてくれて実現できたことなので、明治大学に本当に感謝しています。しっかりそれをプロでの活躍という形で恩返しできたらと思っています。

――サッカー部を退部するという形になって大学側とはどのようなお話をされたのでしょうか
 井澤さんと話してみて最初は「ダメ」っていう話を聞いていて、それで僕も仕方ないかなと思っていました。でもリオ五輪への出場が決まって、五輪は人生で1回しかないチャンスですし、そこ(五輪メンバー)に入るにはプロでやっておかないとなかなか厳しいのではという話になりました。そこで栗田監督や井澤さんが大学側に話を持ち掛けにいってくれて実現したという感じです。

――FC東京との本契約の話が浮上したのはいつ頃でしょうか
 東京からは昨年の12月ぐらいから「契約したい」という話はもらっていました。でもその時はサッカー推薦があったので、全然具体的な話はなかったです。東京の強化部や関係者の方々が契約できるように協力して動いてくれた結果ですね。本当に僕だけの力で実現したわけではないので色んな方に感謝しています。

――本契約へと踏み切ったきっかけはリオ五輪への出場を決めたことですか
 そうですね。五輪の最終予選に出て「もっと上を目指してやってみたい」と思いましたし、実際に五輪のことを考えると、時間がないとすごく感じました。大きなきっかけにはなったと思います。

――昨年はFC東京の特別指定選手として練習に参加されていましたが、公式戦出場はありませんでした
 昨年の特別指定の時はなかなか試合に出られなくて悔しい思いもしましたけど、あの時の自分と今の自分は違いますし、今はもっと成長した自分を見せられると思います。試合に出ることはありませんでしたが、プロとの練習で個人としては大きく成長することができました。ここからが僕の最初のスタートだと思います。そういう悔しさを含めてここで結果を残して試合に出られればいいなと思っています。

――FC東京というチームをどのように捉えていますか
 すごく真面目な選手が多くて練習前から準備を怠らない選手が多いのでとても勉強になることが多いチームということを感じます。そういった姿勢も昨年学んだことの一つですね。

――同じU23日本代表の中島翔哉選手(FC東京)とは入団に関してお話されましたか
 翔哉は本当にサッカー少年でサッカー大好きなので、あまり契約の話とかはしないです(笑)。でも最後に話した韓国戦に勝った後は「一緒に東京でタイトルを取れるように頑張ろう」とは話しました。

――FC東京のサイドバックには駒野友一選手(FC東京)や徳永悠平選手(FC東京)など代表経験のある選手がいます
 まずは徳永さん、駒野さんという選手がいる中で学べるものが多くあるので、多くを学んで自分のレベルアップにつなげていけばいいと思います。自分としてはまず焦らずに、そういうお手本になる選手がいるのは本当にありがたいことですし、吸収して徐々に試合に出られるチャンスをつかんでいきたいです。

――「大学生Jリーガー」として長友佑都選手(平21政経卒=現インテル・ミラノ)や武藤嘉紀選手(マインツ)と比較されることが多いと思いますが
 最近特に言われますが、あまり気にしていないというか、自分は自分です。でも長友さんもよっちくん(武藤選手)も大学生Jリーガーから海外に行っているので僕も負けじと活躍したいです。将来的には海外でプレーしたいと小さい頃から思っていたので、そういう気持ちはもちろんあります。

――明大に在籍したままとなりますが、大学で授業を受けることになるのでしょうか
 今回の追試のテスト次第だと思います(笑)。しっかり点数が取れていたらほとんど行かなくていいと思うんですけど、ちょっと失敗…いや大丈夫です(笑)。追試は最終予選から帰国してからすぐやって、でもレポートとかもあるのでまだ一つくらい残っています。頑張ります(笑)。

――FC東京の城福浩新監督とお話はされましたか
 まだ話したことがないんですよね。これからです。新体制にはなりますがそういうのは関係ないと思っているので、キャンプからしっかりアピールしていけたらなって思っています。

――FC東京は9日のプレーオフに勝てばACL出場が決まります
 試合数が増えるので単純に出場機会も増えるかなと思います。アジアのチームとも試合がしたいですし、FC東京は優勝を大きな目標にしていると思うのでそのチームの目標に向かって自分も目指していきたいです。合流はプレーオフの日のメンバー外練習からになると思います。

――明大だからこそ伸ばせたところはありますか
 朝起きるのに強くなりましたね(笑)。朝6時からの練習が普通なので目覚めが良くなりました。朝から対人をやるので、一対一の攻防であったりドリブルで仕掛けるところだったり、自分が今特徴になっている部分は明治で多く学べました。そこは明治に来たからこそ学ぶことができたと思います。

――明大で一番大変だった時期はいつですか
 やっぱり1年の時ですね。仕事が大変でした(笑)。みんなそう言うと思うんですけど(笑)。自分はビデオ係で比較的楽ではあったんですが、連帯責任とか当番とかいっぱいありましたね。

――明大で一番印象に残っている試合を教えてください
 優勝を目の前に負ける苦い思い出も多いですね。昨年のインカレや今年の総理大臣杯など悔しい思いをしたことが多かったです。

――今年4年生になる同期へ一言お願いします
 3年間一緒にやってきたし、普段から仲も良いです。一緒にやれないのはとても残念ですけど、僕は僕の選んだ道でしっかり結果を残したいです。今新しいチームになってすごいみんなが声を出して引っ張っている姿を見てすごいなって今日も思いました。昨年の4年生がプロ入りなどで良い選手が抜けていってしまいましたけど、それでも今年は必ずタイトルを取ってくれることを期待しています。

――明大でのサッカー生活を支えた原動力を教えてください
 プロで活躍するという思いですかね。その思いは大学に進学した時からあってずっと変わらず持ち続けていました。

――最後に今後の意気込みを聞かせてください
 今は最初のスタートの位置に立っただけで、これから自分の力を証明していかないといけないと思うので、まずは試合に絡んでいくことを目標にしてその上でチャンスがあればどんどん上を目指していきたいです

――ありがとうございました。

◆室屋成 むろや・せい 政経3 青森山田高出 174cm・65kg
ポジションは主に右サイドバック。守備での1対1と卓越したスピードが生み出す鋭いオーバーラップが持ち味。試合終盤でも全く疲れを感じさせない豊富な運動量も大きなストロングポイントだ。主な選抜歴はU17日本代表、U18日本代表、U19日本代表、U21日本代表、U22日本代表、U23日本代表。