小林が3位で年間首位をがっちりキープ 隈園はクラス1昇格/行田第3ラウンド

2016.01.24
 年間王者を大きく引き寄せた。小林和希主将(政経3=祐誠)は3位でのゴールで年間ポイントを220まで伸ばし、暫定1位をしっかりとキープ。野本空(政経1=松山工)も4位入賞でポイントを伸ばし、143ポイントで年間総合2位に浮上した。また、クラス2Aでは隈園郷史(政経1=明大中野)が優勝を果たし、クラス1への昇格を決めた。

 我慢のレースだった。強風が吹き荒れる中、クラス1の勝負は最後のスプリントにまでもつれ込む。優勝した伊東(順大)が早々にスプリントを掛け、集団での激しいけん制が起こった中で、小林は「確実に表彰台を狙っていこう」と冷静だった。激しい風を追い風に、最後まで粘り続け3位でのゴールを勝ち取った。
 序盤から数名でのアタックが起こり、レースは強風にあおられるように激しさを予感させた。それでも小林は向かい風区間でのペースダウンをうまく利用し、得意とするコーナーでの追い上げで先頭集団の逃げを許さなかった。数日前の体調不良により万全なコンディションとは言えなかったが、年間優勝をつかみ取るために割り切った「守り」の走りを展開。余裕すら感じさせる王者の走りで、ポイントをさらに積み上げた。

 ルーキー隈園が「やっとの」昇格だ。クラス2Aでは隈園がスプリントでの駆け引きを制し優勝。序盤から集団でチャンスをうかがい続け、ラスト1周で勝負を掛ける。前方で二人が逃げていたが、吸収できる距離感をキープしスプリント勝負に持ち込んだ。残り約300mで掛けたスプリントに周りは反応しきれず。得意の「掛け始めで突き放す」スプリントを決め、後続の追い上げを制した。
 1年目で見事にクラス1昇格を果たした隈園だが、レース後には「やっと結果が出せた」と一言。うれしさ反面どこかほっとした表情をのぞかせた。得意とする行田のコースで思うような結果を残せていなかっただけに、今大会での優勝は大きな自信になるであろう。次戦の行田第4ラウンドのクラス1でのレースでは「洗礼を受けると思う」(隈園)と苦笑い。伸び盛りのシーズンを駆け抜けるルーキーの、次のステージでの飛躍が大きく期待される。

 RCSはいよいよ残り2戦。首位をひた走る小林はしっかりとポイントを積み重ね、独走状態に入った。守りのレースとなった今大会だったが、残り2戦については「点差にも結構余裕があるので、しっかりと攻めるレースをしていきたい」(小林)。「守り切る」のではなく「攻め切る」上で、悲願の年間王者を目指す。

[鈴木拓也]

試合後のコメント
小林

「風が強かったので、逃げが多くなるとは思っていたが逃げが決まるとは思っていなかった。今週はあまり練習ができていなかったので、あまり逃げを追いかけずに脚をためる守りのレースになってしまった。野本は脚があるので、前を走っているときは前を引いてもらった。つぶしてとかは言っているわけではないが、結構そういう風に動いているので走りやすい。3位は今日のメンバーと数日前まで少し体調が悪かったことを考えると、表彰台に乗れたことは良かったかなと思う。何回か逃げが決まりそうで危ないなと思うシーンもあったが向かい風区間は誰も踏みたくないので、前の方でもけん制が起きていた。コーナーが自分は得意なのでコーナーごとで追いついてという感じだった。最後のスプリントはしっかりと脚があれば70km近くは出せたと思うが、その前の周で荒井くん(法大)が+掛けて、そこで自分も脚を使ってしまったので最後の方は我慢だった。自分は確実に表彰台を狙っていこうということで、自分も脚がなかったが周りも脚がなかったので、うまく逃げられたと思う。(残すは2戦となったが)点差にも結構余裕があるので、しっかりと攻めるレースをしていきたい。その上で孫崎(早大)には気をつけながら、1位で終わりたい」

隈園
「やっと結果が出せた。シーズン中のもう少し早い時期に上がりたかった。でも行田クリテは相性が良かったので。自分的に最後は集団スプリントに持っていきたい気持ちがあった。風の影響で逃げが決まりづらいというのもあったがキツいレースだった。無駄に前を引き過ぎないで、最後まで脚を残しておけるように心掛けた。最後のスプリントは自分の形に持ち込めた。前も二人逃げていたが、それを吸収できる距離感で、掛け始めで突き放す得意のスプリントができた。ロングスプリントになると自分はちょっと不利なので、狙い通りに300mくらいで掛けることができて良かった。クラス1はレベルが違うので次の行田も洗礼を受けることになると思う。最後までついていってクラス1を走り切れるように頑張りたい」

野本
野本
「(今日のレースプランは)風が強かったので、展開的に絶対スプリントになるだろうと思っていて、逃げが決まりそうな時は逃げをつぶして、最後のスプリントに備えて戦おうと思った。レースプラン通りにはいったが、レースのところどころでつらいところがあった。そのせいもあって、スプリントを決め切れず4位という結果で終わった。(小林さんをアシストすることは)打ち合わせはしていない。けれど、毎度毎度小林さんはスプリントに備えるので、僕もそれでいきたいと思っていたので、そういうとこも一致していた。後半最後の2周が5人くらいの逃げが決まりそうだったので、僕が1人ブリッジして前のペースを落とさせて合流した。(4位という結果について)クラス1になってから、まだ一度も表彰台に上がれていないので、4位という結果は少し残念。(総合順位について)ここまで、きたら総合3位以内で終わらせたい。2位にも届きそうな位置にいるので、願わくば2位も取れるように、より頑張って練習したい」