
明大最高位はシングルスベスト8/全日本選手権
丹羽 攻め負けベスト8
丹羽の五輪イヤーは全日本ベスト8で幕開けた。初戦から順調に勝ち進み準々決勝は日本リーグの顔、ベテラン・張(東京アート)との対戦。「張選手とやるといつも苦しい試合になる」と丹羽は守備型の張に苦手意識を持っていた。1ゲーム目を奪われると「接戦になると思った」(丹羽)という言葉通り、ゲームカウント2―2まで交互に取り合う展開に。ミスが少ない相手に、サーブから崩していくプレースタイルの丹羽は苦戦を強いられた。打たせてくる張に「フォアで攻めるのか、バックで攻めるのか」(丹羽)迷い続ける。第5ゲームでは長いラリーが目立ち、思うように決め切れず先に3ゲームを取られてしまう。第6ゲーム、後がなくなってからも丹羽のボールは決まらず。ベスト8での敗退が決まった。
万全なコンディションで挑んだはずだった。初戦は今大会の注目カードの一つ、小学校6年生の張本(仙台ジュニアクラブ)と対戦。張本に「どんなサーブが出るか分からなかった」と言わしめるほどの多彩なサーブを繰り出し、主導権を握らせずストレートで勝利を挙げた。続く2戦、3戦でも攻撃的なプレーで圧倒。準々決勝まで落としたゲームは1ゲームのみだった。サーブに加え「足も動いている」と調子も良く、また契約を更新し新しいラケット、ラバーで挑んだ初めての大会だったが手応えも良かった。残る課題は「ボールの威力」だ。準々決勝ではラリーになった時の競り合いに打ち抜ける1本がなかった。リオ五輪開幕まで半年、ナショナルチームでの合宿を重ねさらなる武器を手にしたい。

初のベスト8入りを決めた酒井
酒井 日本のトップにも善戦
堂々とした挑戦者だ。準々決勝は今大会優勝を果たした水谷隼選手(平24政経卒・現ビーコン・ラボ)と対戦した。「思い切ってやろう」と臨んだ酒井だが、第1ゲームをジュースの末に奪われる。第2ゲームも水谷のリードで試合が進み、先にゲームポイントを握られる苦しい展開に。しかし日本トップの実力を持つ相手にも簡単には終わらせない。3球目攻撃や速球を駆使し得点を重ね、またもジュースに持ち込む。お互い粘る時間が続いたが「サーブとレシーブが読まれていた」と有利にゲームを組み立てられず、16―18の接戦を落とした。相手のミスが目立った第4ゲームこそ奪ったものの、第5ゲームは序盤から相手のリードを許し6―11で敗戦した。
大健闘の活躍を見せた。酒井が入ったブロックではスーパーシードの吉田(グローバルアスリートジャパン)が棄権。強者の欠場も味方し勝ち進むと、6回戦で坪井(筑波大)を破りベスト8入りを決めた。昨年の選考会で右足にケガを負っていた酒井。今大会も万全の状態ではなかったが「ケガをしていることで逆にプレッシャーがなかった」と精神的に余裕が生まれた。全日本には過去6度出場している酒井だがベスト8は自己最高の成績。「ここまで来れるとは思ってなかったのでうれしい」と自身も驚きの快進撃を素直に喜んだ。

3連覇を果たせなかった森薗・三部組
ダブルス
今大会優勝ペアに3連覇の夢を絶たれた。2連覇中の森薗・三部組は5回戦で水谷・𠮷田(愛知工大)組と対決。第1ゲーム、序盤リードを奪うもそこから8連続でポイントを失って落とす。第2ゲームはジュースとなるが相手に要所で厳しいコースを決められゲームカウントは0―2。「第2ゲームで取れていればまだ分からなかった」と森薗。反撃したい第3ゲームもコートを広く使われ思うようなプレーをさせてくれずストレート負けを喫した。
五輪代表ペアも5回戦で姿を消した。丹羽・吉村組は早大の大島・上村組に挑んだが、連続失点が目立ち優位に進められなかった。それでもまだ組み始めたばかり。リオ五輪では団体戦で重要なダブルスがある。打倒中国へ、さらなる進化を続ける。
[田中莉佳・吉田周平・田中愛]
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