タイトル獲得ならず 上田がベスト8/JOCジュニア・オリンピック・カップ

2016.01.09
 ジュニア世代の選手が集い競うJOCジュニア・オリンピック・カップが行われた。明大からは6名の選手が出場し、上田果歩(理工1=伊那北)のベスト8が最高成績となった。その他岸貴範(営1=埼玉栄)が4回戦で惜しくも敗北。また鈴木武(政経1=羽島北)はフルーレとサーブルの2種目に出るも、どちらも良い結果を残すことはできなかった。この一年間で成長したルーキーたちの来シーズンでの活躍に期待だ。

[男子フルーレ個人]
 一気に突き放された。岸貴範(営1=埼玉栄)は8連続失点で逆転を許し4回戦で姿を消した。序盤からリードを奪い「考えてできた」と8―4で第1セットを終えた。しかし第2セットに入ると一転。「足が動かなくなった」と動いて翻弄(ほんろう)してきた高校生の狙い通りに点を奪われるようになると11―7の場面から8点を取られ試合終了。リードを保っていながらも大量失点で逆転負けを喫した。8―7と追い付かれかけた時点では「普段のプレーができた」とあまり考えられていない中でも練習通りの動きで3点を返したが、その後が続かなかった。2回戦では相手に追い付かれながらも一本勝負を制したが、連戦での4回戦では粘りを見せることはできなかった。「ベスト8と16は違う。悔しい」と内容もよかった勝ち上がりだけに悔しいジュニア最終戦となった。来年度はシニアでの戦い、大学としても最初にリーグ戦が待ち構える。時間を使ってじっくり戦うレフティーが男子フルーレ1部昇格への道を開くか、期待が高まる。
 池畑亮太郎(理工2=三重県私立海星)、道脇啓太(営2=熊本県立翔陽)、鈴木武(政経1=羽島北)は共に2回戦敗退に終わった。1回戦を危なげなく突破したが、リードを許す展開で追い付くことができず。池畑は6―9の場面から3連取で一本勝負に持ち込んだが最後を取り切ることができなかった。

[女子エペ個人]
 復活の兆しを見せた。このところ結果を残せていなかった上田果歩(理工1=伊那北)が不調をはねのけベスト8入りを果たした。準々決勝では互角の戦いを繰り広げたが、両足をつりかけ途中からアタックが失速。「純粋に戦術を考えられなかった」と自ら前に出ても3本連続で相手にシングルでポイントを奪われ9―11とリードを許した。1点差に詰め寄り最後まで追いすがったが、シングルで得点を挙げられず13―15で敗戦となった。それでも「やりたいことが分からなくて、今まで通りにやれたつもりでもうまくいかなかった」といま一つの成績が続いた今季。今大会も予選は47位通過と出遅れたが、トーナメント前に高校時代の先生にレッスンを受けると調子を取り戻した。準々決勝までは先にリードを奪い危なげなく勝利。ベスト8で敗退となったが、自身のプレーを見せ苦手とする相手との試合が続く中でも勝ち上がった。「悔しさとうれしさが半々」と優勝を狙ったジュニア最終戦でのベスト8には満足はいかないものの、糸口をつかんだことは大きい。来年度のリーグ戦でも女子エペが目指すのは王座出場。「自分が得点源に」と団体戦での大きな力になるため、苦しんだルーキーが2年目での飛躍を狙う。

[女子フルーレ個人]
 西塔奈々子(国際1=札幌光星)は予選プール1戦目において、先制はするもののその後得点できず敗北した。続く2、3、4戦目は延長戦の一本勝負になり、すべてで勝利をつかんだ。残りの2戦は「体力が持たなくて自分の力が出せなかった」(西塔)と惜しくも敗戦。計6戦の予選を3勝3敗で通過しトーナメントに進んだ。
 迎えた1回戦。開始30秒で2連続失点をするとその後も4連続失点を喫する。それでも1セット目終盤から巻き返し徐々に自分のフェンシングを取り戻す。だが「スタートが遅かった」と、逆転する前に試合は終了し5-10で敗北した。試合後は「ちゃんと自分の力を出していれば勝てた試合だった」(西塔)と、悔しさをにじませた。
 秋から入部した西塔。「入ってから正味3か月間の練習だったがそれなりの成長は見えた」と長尾康司監督(昭53商卒)。また「ようやく体力はまだまだだけど昔の感覚は取り戻しかけていると思う」(西塔)と、今後の成長にますます期待だ。

[男子サーブル個人]
 鈴木は7日の男子フルーレに引き続き本種目のサーブルにも出場した。予選プールでは大学生の意地を見せ、4勝2敗でトーナメントに進出。だが2回戦で当たった高校生に対しては思うようなフェンシングができず「最初の段階でケアレスミスが多かった」(鈴木)と振り返る。終わってみると3-10と大差をつけられ敗北。2回戦敗退が決まった。
 「大学から始めた」(鈴木)というサーブル。鈴木は「最初は自分がアタックで取るポイントが全くなかったが、今のJOCの予選とかはそこで思い切りアタックができた」と振り返り、また長尾監督も「確実に成長している」と、自他ともに確かな手ごたえを感じている。それだけに「これからどれだけ成長できるかがポイントになる」(鈴木)と、今後のさらなる進化に注目だ。

 今シーズン1年間を戦い終えたルーキーたち。だが早くも来シーズンを見据え、次なるリーグ戦に気持ちは向かっている。「リーグ戦は現状、団体戦は古俣さん(潮里・政経2=新潟)に負担がかかっている。自分が得点源になるくらいの気持ちでいきたい」と、上田は自らがチームの中心となり引っ張っていくことを力強く誓った。そんなルーキーたちの2年目となる来季の活躍に期待が膨らむ。

[谷澤優佳・石塚真維]

試合後のコメント
長尾監督
「(西塔は)一般入部ということもあり練習量は他の選手よりも少ない。その中でも、簡単な予選プールではなかったが上がれた。ここに出てくる子は高校生でもある程度レベルが高い子だから、そこに勝ててよかった。トーナメントでは練習不足が出た。本人が最低もう1試合くらいはしたいと言っていたがしょうがない。入ってから正味3か月間の練習だったがそれなりの成長は見えた。(鈴木は)予選は上手くさばけたが、トーナメントでは乗ってくる前にやられた。あと1つ2つくらいは勝ってほしかった。鈴木は大学に入ってサーブルという種目を本格的に始めさせた。1年間しかやっていない。普通の成長。確実に成長している」

上田
「これまで不調で、やりたいことが分からなくて、今まで通りにやれたつもりでもうまくいかなかった。今回は自分らしいプレーができて安心しているので、うれしさが半分。ただ準々決勝で今までずっと勝っていた相手に負けて悔しい。(準々決勝は互角のように見えたが勝敗を分けた差は)足が両方つりかけていて、アタックに行っても失速するのが自分で分かった。どこというより体力的な部分が大きい。自分からアタック行く時もスピードも中途半端で突かれに行っている感じだった。足が使えないのをどうカバーするかを考えてしまって純粋に戦術を考えられなかった。ディフェンスがうまい選手だったのに追いかける立場になってしまった。(3回戦までの試合は)1、2、3回戦どれもやりにくい相手で、3回戦の相手は夏の大会で一本勝負で負けていた。1、2回戦の相手も負けたことのある相手だった。でもこの3試合は内容もよくて、ちょっとしたミスはあったけれど失敗も試合の中で修正できた。予選は相手に取られたくない、自分だけが点を取りたい、みたいになってしまって消極的になってしまった。予選が終わった後に高校の時の先生にレッスンを受けてそこで調子が変わった。(結果について)結果だけだと悔しい。ジュニアの最後の大会だから優勝したかった。でも内容もいれたら悔しさとうれしさが半々。昨年は1回戦敗退で、10本勝負が苦手なので今回も1回戦から怖かった。今年こそはと思っていた。(来年度に向けて)シニアの大会ではずっとベスト8の壁を破れていない。調子よくても9位から12位で8には入れない。シニアではまずベスト8に入ること。リーグ戦は昨年負けた日大と早稲田はエースは残るけど最上級生が1人ずつ抜けて、自分たちはメンバーが変わらない。現状、団体戦は古俣さん(潮里・政経2=新潟)に負担がかかっている。自分が得点源になるくらいの気持ちでいきたい」


「(8懸けの試合は)最初は相手を出させたり考えてできた。後半足が動かなくなって、相手の狙い通りにやられてしまった。途中、時間を考えずいつも通りに一歩待って突くことができて返せた。普段のプレーが出た。最後は相手に付いていけなくなった。(結果に対しては)脚が使えなくなったのを除くと内容はよかった。それでもベスト8と16は違う。悔しい。(来年度に向けて)持ち味を生かして、時間をしっかり使ってやりたい。昨年のリーグ戦は1部に上がれなくて悔しかった。2部で優勝して1部に上がりたい」

西塔
「予選プールが7人ですごく人数が多くて、体力が持たなくて最後の方の試合は全然自分の力が出せなかった。でも自分の勝った試合は全部4本の一本勝負で、3つとって勝てたのはよかった。今まで結構ジャパン付けていたり、強いという噂を聞いていたりする人だと萎縮してしまって全然自分のプレーができなかったのだが、今回強い人にもどんどんいって、1回ジャパンの人に勝てたのが自分の中ですごく大きい。トーナメントはもったいなかった。予選が終わって時間もあまりなくてアップもあまりできなかったのだが、相手の気迫というか気持ち的に負けてしまったのかなと思う。後半になってようやく少しずつ点も巻き返したけど、スタートが遅くて最初を付けられてしまったので、そこがすごくもったいなかった。勝てない試合ではなくて、むしろちゃんと自分の力を出していれば勝てた試合だったと思う。体も最初冷えていて動かなかったし、向こうは最初から勝ちに来ていた。そこが違うなと振り返って思う。自分の準備と気持ちの面で負けたかなと思う。予選の1試合目で負けたのも、自分のアップ不足だったり気持ちが最初から入っていかなかったのが原因で、2、3、4回目の試合は勢いに乗って勝てたけど、5、6は練習不足もあって体力もなかった。最後の2試合、特に一番最後の試合は勝てたなと思う。でもこうやって勝てたなと思っても負けてしまっているということは、何か足りないのだと思う。でも全体を通して特に3連勝してぜんぶ一本勝負を取ったというところは自分的にはよかった。スタート、試合の初めを大切にしたいなと思った。体が動いている時なら勝てた相手だったりもいたので、最初のスタートが一番大事かなと思う。2年のブランクがあってそれは大きかったが、ようやく体力はまだまだだけど昔の感覚は取り戻しかけていると思う。これからは試合でも負けないと自信が持てるぐらいの練習をして、プレッシャーに強くなりたい」

鈴木
「相手が高校生というのもあって序盤からリードするつもりでいたが、最初の段階でケアレスミスが多かった。ここで突けるタイミングという時に距離が分からずに振ってしまい相手に有効権を譲ってしまった。そこは練習で意識して直すしかない。自分はどちらかと言うと本戦の10本とか15本勝負よりも、5本勝負の方が得意な面がある。予選はいい形で上がれたがトーナメントでは、自分のくせがばれてしまって、そこで同じミスをするのが目立った。そこが失敗。今後の改善点。10本とか15本勝負は基本練習ではしていない。そこをもっと練習していきたい。5本勝負が得意というのは強みになっているが、今日の予選の序盤は完全にアップ不足で失点もあった。試合の流れ的にはいい感じにやれた。(1年間の成長は)自分は大学からサーブルを始めた。最初はコントラアタックにびびってしまって、自分がアタックで取るポイントが全くなかったが、今のJOCの予選とかはそこで思い切りアタックができた。そこは大きなこと。何も分からない状況から始めた中で、段々動きを理解していって、今では少し強い選手に歯向かえるようになった。これからどれだけ成長できるかがポイントになる」