GWSで日体大に敗北 優勝破れ散る/日本学生氷上競技選手権

 インカレ制覇の夢は思いもしなかった結末で打ち砕かれた。日体大との準決勝戦。最初から勢い良く攻めた明大は7分でFW工藤翔介(政経3=北海道栄)が先制点を決め、その1分後にはFW大椋舞人(法4=白樺学園)の追加点が入り好スタートを切った。しかし開始9分にFW大津晃介主将(法4=日光明峰)がミスコンダクトペナルティでまさかの退場を余儀なくされると流れは一変。2点差を追いつかれ、GWS戦の末に敗北が決定した。明日は東洋大との3位決定戦に回る結果となった。
  
 赤いランプが点滅したとともに、優勝街道は途絶えた。日体大の先攻から始まったGWS戦。GK矢板祐介(商4=日光明峰)が1巡目のセーブに成功すると「インカレに向けてPSの練習はしてきた」と言うFW永井遼(政経4=白樺学園)も勢いそのままにゴールを沈めた。しかし、2巡目を任されたFW桂川涼(政経2=白樺学園)と3巡目を任された大椋が相手GKに防がれ失敗。2巡目で日体大にゴールを決められ、勝負はサドンデスに持ち込まれる。4巡目を託された永井遼のシュートがポストに当たり惜しくも入らず。サドンデスで後攻になった日体大のパックをゴールが吸い込み逆転負けを喫した。待っていたのは厳しい現実だった。
  
 試合序盤は明大ペースで展開された。第1ピリオド7分、ゴール真正面でFW川村一希(商3=北海道清水)にパスを要求していた工藤が、パックをポスト裏から理想の形で受けたパスをゴールに叩き込み幸先良いゴールを決めた。8分には大椋が左サイドから角度の無いところからシュートを決め、チームに勢いをもたらした。しかし続く第2ピリオド。好機は随所に見られたもののチャンスを生かせず、カウンターを喫し得点される。第3ピリオド2分に追加点を許し同点とされると、明大は度重なるチャンスを生かせず。焦りからかシュートが惜しいところでそれる場面が多く見られ、延長戦へ持ち込まれた。

 FW北島幹久(文4=武修館)が前節の立命大戦で肩を負傷。そして開始9分で大津がゲームミスコンダクトペナルティで退場になり、二人の4年生メンバーが欠けた中での試合となった。第1ピリオドは5分間のキルプレーになるも、2点取ったその勢いでリードしていた。しかし「(大津)晃介さんがいるといないではチームの雰囲気が全然違った」(川村)とその後リズムを崩し同点にされた。また「(北島)幹久さんがいないとリズムが変わった。一人欠けると全然違う」とDF相馬秀斗(法1=駒大苫小牧)。追加点が欲しい時間帯に、得点を奪えなかった。この試合において4年生の不在はあまりにも大きかった。
  
 泣いても笑っても4年生が共にする試合は明日が最後。優勝のみを狙っていただけに明日は3位決定戦と不本意な形になったものの「4年生のためにも勝って終わりたい」(川村)と勝利への執念は決して尽きない。そして後輩のため、お世話になった人のためにも「最後は絶対に勝って終わらせる」とキャプテンの大津。優勝という二文字は逃したものの、勝利という二文字は必ずや手に入れて見せる。

[島村昭二]

試合後のコメント
間中監督

 「勝負なので、こういう結果もあると。試合前から、決勝みたいな気持ちで戦わないとこういうことになるという話はしていたので。こっちが悪いということではないですが、3点目が取れなかったというところですね。(大津がいなくなったのは大きいか)ひとりひとりの個人的なスキルとか、持っているものは大学リーグの中でもトップだと思うのですが、大津がいなくなった後に3点目を取れなかったことが、チームとして足りなかったところだと思います。反則を取られてからプレーが小さくなったことと、一人でホッケーをしてしまうリーグ戦で悪い状態だった部分が出てしまったかなと。(焦りが影響したか)そうですね。焦らなくていいと言えばそうですが、あの状況だと焦ってしまうのもしょうがないですね。チームは傷心し切っているので、そこからモチベーションを上げて明日戦うのはすごく大変なことですが、ここまできたら3位を取って終わりたいです。最後なので、今日の悔しさを忘れることはないですが、勝っていい思い出にして4年生を送り出したいです」

大津主将
「チームが絶好調の中で、自分の反則で崩して本当に情けない気持ちでいっぱいですが、あとの残り一試合残っているのでくよくよしてられないです。自分がいなくなってチームがどう変わるかはわからないですが、キャプテンとしてはもっとできることがあったかなと。そういう後悔はあります。本当に勝ちに導けなかったという点はキャプテンとして申し訳ないです。リンクサイドから見ても、(大椋)舞人の活躍なしでは明治は勝てないと思うほど躍動していたと思います。舞人に背負わせてしまって自分が情けないですし、あそこでできたことはわかりませんが、キャプテンとしてあそこにいれなかったのが一生の悔いです。後輩たちが4年生のためにもっとできたんじゃないかとの声を知った今、勝たせられなかったのが悔しいですが、まだもう一試合残っています。みんな相当落ち込んでいますが、明日また起きたらもう一度全員で同じ方向を向いて、特に自分はスタッフと父兄と両親、いとこ、じじばばが見に来ているので恥じないプレーをしていけたらいいなと思います。最終日までホッケーできて、一試合も減らすことなく最終日を迎えられることに幸せだと思いますし、あと一試合このチームでどれだけ一丸となって戦えるかどうかで、このチームが本当に良かったと思えるかどうかだと思います。絶対に最後は勝って終えたいなと思います」

大椋
「今日は決勝行けずに終わってしまって、素直に悔しいです。後輩に優勝を届けられず、PSを決められなかった自分のふがいなさもありますし、もっと入れれば有利な展開できましたし、そういう悔しさや怒りがあって後輩には申し訳ない気持ちです。(大津)晃介がキャプテンとしていたから成り立っていたと思うので、中心の選手がいなくなってぐらついた部分があって、カバーしようと頑張ったのですが、大きかったのかと思います。自分自身、晃介がいたから頑張れたというのもあるので、一番悲しいのは晃介で試合できずに終わったことで、同期として申し訳ない。晃介が一番悔しいと思うので、申し訳ない気持ちでいっぱいです。晃介がもう一試合できるように勝つ、決勝の舞台で活躍してもらいたくて、リーダーシップ取って頑張りましたが、こういう結果になって力不足を感じました。PSの場面が来るとうすうす感じていたので、決めてやるという気持ちで臨みましたが
、あそこで決められなかったのが負けにつながったと思います。オーバータイムでもチャンスがあったにも関わらず、決められなくて貢献できませんでしたし、自分がもっとやれていたらなと思います。一回部屋を回って同期が声かけてくれて、すごく救われたという場面がありました。明日は同期とやる最後の試合なので、絶対勝って終わって笑顔で良い卒業したいです。4年生として後輩に見せられるのは最後ですし、プレーで教えられる部分を明日見せてつなげていきたいなと思います。決勝にいけなくても頑張れば得るものはありますし、そういった部分を後輩に教えられたなと思って、明日は全力でプレーして楽しんで終わりたいと思います」