4年生対談 負けず嫌いの努力家5人が歩んだ道 (後編)
――下級生も充実してより強いチームになりました
伴「どんどんチームがうまくなっている感はあるし、向上してるって」
加藤「毎年毎年ガラって変わらないで、リキ(北浦)とかサエ(伴)とかシン(川副)とかが出てることで基盤がありつつ進化してるから良かったんじゃないかと思う」
伴「この代は結構、チームのルールとかしっかり持ってる子たちが多かったから、それを後輩たちに教えてきたというか、そういうことをしっかりつくってきた」
儀保「みんな高校までやってきたことって違うじゃないですか、ルールとか。それに慣れるのにすごい苦労しました」
伴「でも明治の子は頭いいから飲み込みが早いよね。リコ(橋本)とかも頭いいから分かってる」
川副「うちらがいなくなったらそういうのはなくなると思う」
伴「あんまりそれをいう子がいない。うちらはミスをすぐ指摘するけど」
儀保「うまいけど細かいところは気にしない、もってければいいと思ってる。うまいから多分気にしないんだと思う」
伴「うまいからこそ基礎をね。結構うちらは監督がいない分、基礎練をやってた」
儀保「派手なのがいないもんね、プレースタイル。クウ(藤野希生・国際1=埼玉栄)とかコウ(萱沼)とか派手じゃん」
伴「うちら地味だからね、ディフェンスの方が好き」
儀保「基礎練しないとダメな子たちだからね」
川副「1年のときは毎週体幹してたもんね」
一同「あー、してた」
儀保「だからうちら強いのかな」
川副「ふっとばされない。でもそれが一番大事じゃない?2部でやってく上で。見えないところで努力したほうがいいよって。あ、言っちゃった」
儀保「でもそれ見せるの恥ずかしいんだよね。みんな恥ずかしがり屋だから」
川副「だから言わないけどさ、やってほしいよね、下には。そういうのを続けていってほしくない?明治のカラーとして」

4年次の六大学対抗戦・東大戦では5人でスターターを務め貫禄を見せつけた
――ディフェンスが好きなのはなぜですか
儀保「楽しいよね、やってて」
川副「楽しい、相手が嫌な顔するのが楽しくない?」
儀保「こいつはファウルするだけです」
伴「それは性格悪い」
儀保「相手が持ってけると思ったところにつぶしたら楽しい」
川副「変わらないじゃん」
儀保「私はファウルしないもん」
伴「オフェンスも楽しいけど。でも私大学に入ってオフェンス楽しいって思えるようになりました」
川副「え、そうなの?」
伴「高校の時は一応スタメンで出てたけどいるの?っていう存在だったから。4番で地味で」
儀保「私もそうだった、全く同じ」
伴「地味なプレーヤーだったので、ここに入って3番になってシュート入ってみんなが喜ぶのがすごい楽しかった、うれしかったし。だから大学入ってオフェンスが楽しくなりました」
――北浦さんはオフェンスの人ですよね
川副「オフェンスの人」
伴「そりゃそうだね」
川副「シュートうまいしね」
北浦「たまたまだよ」
儀保「オフェンスの人が実際かっこいいよね、ディフェンスの人って地味」
川副「地味だね」
伴「でも4番ってすごい難しいポジションだけど、そこでも点決めるっていうのは本当にすごいと思う」
――この代は5人います
伴「ちょうどいいよね。ずっとしゃべってる人(儀保)がいて。ずっと聞いてくれてる人(北浦)がいて。それをなんかいつも鋭いこと言ってまとめてくれる人(加藤)がいて、いじられてる人(川副)がいて、それを(私が)笑ってる」
川副「でも同じ性格の人いなくない?ツッコミが2人いるとか」
北浦「たしかに」
儀保「被らなくて良かったね」
一同「うん」
儀保「梓ずっとしゃべってるよね、一人で」
伴「だから楽、しーんてなることがない」
川副「ちょっとうるさいなって時あるけどね」
儀保「は?」
川副「まあまあ」
北浦「いろいろ出ちゃうよね、口から」
伴「(北浦は)たまに毒はくよね」
一同「(笑い)」
――趣味は
川副「(伴は)エグザイル」
儀保「ディズニーも大好きだよね」
北浦「いろいろ集めてるよね」
儀保「お家めっちゃかわいいんですよ、アメリカのディズニーが好きなお家みたいになってるんですよ」
儀保「りっちゃん(北浦)の趣味何?」
川副「読書?」
北浦「銭湯かな」
一同「(笑い)」
伴「そっちにするの?洋楽にした方がいいよ」
北浦「洋楽の方がいいかな?でも銭湯の方が好きだな」
一同「(笑い)」
伴「一人旅とか好きだよね」
北浦「一人好き」
一同「(笑い)」
北浦「でも孤独じゃないよ」
儀保「でもそれってすごくない?一人でどこでも行けるって」
伴「すごいと思う」

2年次のトーナメントでは安定感を増した北浦の
活躍で初の2回戦進出を果たした
――具体的にはどこに行かれるんですか
儀保「代表的なのあるじゃん」
川副「それ言っちゃう?」
北浦「ディズニー、シングルライダー」
一同「(笑い)」
儀保「あれはびっくりした」
北浦「楽しかったです。ジェットコースターとか、わーって一人で」
一同「(笑い)」
伴「それはほんとにすごい、心強い」
儀保「私一人焼肉するんですけど、それ聞いたら勝てないなと思いました」
北浦「逆に私、焼肉は無理です」
一同「嘘!?」
――5人で遊ぶことはないんですか
伴「あんまりないよね、集まりが悪いから。この人(川副)が絶対来ないから」
川副「理系だから」
伴「そういう言い訳をして」
儀保「忙しいフリするんですよ」
川副「フリじゃねえわ」
伴「4人が空いてるときはちょっとずらしてくれてもいいのに」
加藤「でも毎年1回は恒例で5人で集まってクリスマスパーティーして、生春巻き食べたりします」
川副「餃子楽しかったね」
加藤「床でネギ切ったり」
儀保「あとは温泉くらいじゃない?」
儀保「5人で行くよりは下も呼んでみんなで行くことが多い気がする。じゃあ下に声掛けようって」
伴「人数もね、たった14人だし」
――後輩に受け継いでいってほしいことはありますか
川副「少ない人数で上も下も言い合えるところじゃないですかね」
儀保「たしかに」
川副「うちらも言うし、でもそれ聞いてくれる中で質問とかもしてるようになったじゃん。それ結構うちら強みだと思うから」
伴「うん、私たちはそのONOFFがちゃんとくっきりなってたかなって」
儀保「でも楽しいことが一番いいかな、それは忘れてほしくない。つまんないと思っちゃったら伸びないし」
――今後期待することは
儀保「とりあえずインカレ出てくれないかな」
北浦「いいね」
伴「OGとして観戦しに行くのが楽しみ」
加藤「もっと明治女バスをおっきくしてほしい、名の知れたものに。『え?体育会に女バスなんてあったの?』って言われるのが超悔しいから」
北浦「今日もOBの方に女バスは何部だっけって言われて、身近なバスケ部内で女バスがまだ認知されてないのは悔しいなって思った(※5)」
伴「でも1年生の時は結構弱いチームと練習試合してたんですけど、だんだん上の方から練習試合を申し込んでもらえるようになって」
儀保「私たちも認めてもらえたんだって」
伴「そこでちょっとニヤッてしたよね」
儀保「1部とかのチームに受けてもらえるだけでニヤッてするよね」
伴「そこで結構実感した部分もある」
儀保「2部のチームの子に、明治は前から2部にいたようなチームってみんな言ってるっていうのを聞いたときはよっしゃって」
伴「悔しかったのは高校の時勝ってたチームに負けるの」
一同「(笑い)」
儀保「高校の時こいつに負けたことねえよと思いながらやるの超嫌だった」
伴「なんかそこでうぇーいって言われるのがクッソーって」
儀保「キャリアだけは持ってるからね」
一同「(笑い)」
伴「その辺のプライドはたぶんみんな持ってると思う、持っててほしいな逆に」

日頃から練習メニューを組み立てるなど中心となっている
――後輩に2部残留を残しました
儀保「どうせなら2部上位行きたかったなってなるよね」
伴「青学が行ったからね」
儀保「行きたかったね」
北浦「うん、でも監督とか指導者がいない中でっていうのが一番大きいよ」
川副「いない中で12位残せたのは胸張っていいことだと思う」
伴「すごいよ、ほんとすごいと思う」
川副「そこはほんとこの5人の頑張ってきたことだと思って、ほんと誇れるところだと思う」
伴「ほんとだよ、残留ってすごいよ」
加藤「すごいよ」
伴「すごいよ私たち」
一同「(笑い)」
儀保「ほんと早くリバティの工事終わらせてほしいよね」
伴「そう、この1年間私たち工事の中でやってた。エンドスローができない中で。レイアップしたらぶつかってバーンって。でも楽しかったよね」
儀保「跳ね返ってくるのがね」
一同「(笑い)」
伴「だから男バスがうらやましかった」
一同「うん」
儀保「環境いいしね」
伴「あ、目標として男バスより上に行きたい」
儀保「それすごいこと言った」
加藤「ぎゃふんと言わせたいね」
伴「立場を逆にしたい。OB会を女ばっかにしたい。ぎゃふんと」
加藤「大学内でのライバル関係っていうのもいいと思う」
伴「私たちこうやって敵対視とかいろんなプライド持ってるからこんだけ強くなったんだと思う」
儀保「負けず嫌いが多いんだよ、この代は」
伴「それはわかる」
儀保「プライド高いからね」
伴「チーム内でも負けたくないって思うもんね」
儀保「思う思う」
伴「それを後輩にもちゃんと持っていてほしい」
儀保「ハングリー精神がほしい」
川副「どん欲になってほしいね」
伴「みちさん(千葉)との一対一とか負けたくないって思ったもん」
一同「思った」
伴「それがあったから指導者がいないけど自分たちでモチベーションあげられた」
儀保「練習がバチバチになるんですよ、なんやかんや」
伴「その雰囲気を作るのがうまいと思う」
加藤「自然にね」
儀保「みんな負けたくないから」
川副「でもそれっていいことじゃない?」
儀保「いいこと」
川副「それが多いチームが強いと思うんだよね、私」
儀保「チーム内で競争ないと伸びないからね」
伴「絶対負けたくないと思ってた」
川副「出たいでしょ試合」
儀保「試合出たいよりまず練習で勝ちたかった」
伴「それが楽しかったよね」
儀保「あれだよね、個が強い」
北浦「まさに明治」
一同「(笑い)」
川副「いいね、さすが」
加藤「バランスの取れた個の強さ」
儀保「性格が違うから」
――一人一人どのような性格なんですか。まず北浦さんは
北浦以外「りっちゃんはー」
北浦「なにやだやだ(笑い)」
川副「大人?」
儀保「一番引いてみてるタイプだよね、良い意味で」
加藤「愛情たっぷりのお母さんみたいな感じ」
伴「おばあちゃん」
儀保「温かい目で見守ってる感じ、私がつまらないギャグ言っても一人だけ笑ってくれるし」
川副「なんでもできるし、ほんとに優しい」

加藤は体育会本部委員長を務めながら
バスケ部でも存在感を放った
――では、加藤さんは
川副「頑張り屋さんかな」
伴「影の努力家」
北浦「頭切れるし」
儀保「委員長って感じ」
伴「でもこの4年でその印象になったかも」
北浦「あー、たしかに」
儀保「日々忙しいスケジュールをこなしてるイメージ。私が寝てる間に色んなことしてる。アクティブ」
――川副さんは
儀保「短い」
伴「ちっちゃい、足くさい」
儀保「忙しいフリする」
加藤「納豆」
川副「理系で頑張ってるって言って」
伴「納豆女」
加藤「白衣が似合う」
川副「嘘でしょ、みたことないじゃん」
加藤「ほんとだ」
一同「(笑い)」
儀保「今でも目の奥で何考えてるかわからない」
川副「やめて」
儀保「いいやつなんだけどね」
伴「ほめた」
一同「(笑い)」
儀保「いじられキャラだよね、キャプテンなのにいじられる」
伴「おいしいと思う」
儀保「いじれるキャプテンの方がやりやすい、いいキャプテンでした。終わり」
川副「ありがとう」
――では次に儀保さんは
川副「ちゃらい」
儀保「おい」
加藤「酒焼けの声」
儀保「おい」
北浦「姐さん」
儀保「おい」
伴「いっつも声出してる」
加藤「カサカサだけど」
北浦「ゲームの時もいい方向に変えてくれるプレーヤーで、すごい自分もリバウンドとか頑張らなきゃなって思う」
川副「すごいほめてる」
儀保「りっちゃん(北浦)すごい優しい、泣きそう。全然涙出てこない」
一同「(笑い)」
川副「コウ(萱沼)のときもそれでしょ、どうせ」
儀保「違うわ」
伴「いっつも明るい」
川副「明るいね。あとフォロー役、意外と」
儀保「いいこと言うじゃん、たまには」
川副「でしょ」
儀保「恥ずかしいからやめよ」
――最後に伴さんは
川副「裏番」
伴「は?裏じゃないでしょ」
川副「あ、表番」
儀保「でも一番乙女だよ、なんやかんや」
川副「バスケにめちゃくちゃ熱い」
北浦「うまいし、器用だし。体の使い方もすごい上手で」
川副「りっちゃん私とメイ(加藤)のときなんも言ってくれてなかったのに」
伴「それ思った」
一同「(笑い)」
伴「あとないのなんか」
川副「ほめてほしいんだって」
儀保「でも私はサエ(伴)がいなかったらバスケットしてないんで感謝してます」
加藤「ここ何年かの明治の顔じゃないですか、明治といえばあの子いるっていうのが、きっとサエ(伴)」
儀保「かっこいい」
伴「うぇーい」

笑顔で引退の時を迎えた
――儀保さんがいなかったらどうなってたんでしょう
伴「それね」
川副「想像できない」
伴「メイ(加藤)がいないのも想像できない、ほんとこの3人(川副、北浦、伴)だったらたぶんバラッバラ」
川副「めっちゃ暗い」
伴「超陰キャだったと思う。うちもあんましゃべらないし、(北浦も)しゃべんないし、(川副も)しゃべんない」
川副「ほんと陰キャだったと思う」
伴「この2人がいなかったら陰キャな代だったよまじで」
儀保「危な」
川副「ありがとう」
儀保「おう、いいぜ」
一同「(笑い)」
儀保「でも5人で良かったね。私が言うのもなんですが」
伴「良かった。入ってくれてありがとう。5人で良かった」
川副「もう一人いるのも嫌じゃない?」
伴「嫌だ。たぶんもう一人いたら分裂しちゃってる」
儀保「どっかで性格がかぶっちゃう」
北浦「たしかに」
川副「ほんと良かったよね。5人で良かったです」
儀保「楽しかった」
加藤「明治女バスが変化してるのを一番知ってるのは多分この代だから、たぶんまた明治のカラーが変わるんだろうなってちょっとさみしい気もするけど、私たちが知ってればいいかなって」
川副「いい方向いくんじゃないですかね、強くなってるし」
伴「安定の5人でした」
川副「まとめ方な」
儀保「終わり方、悪」
伴「明治の顔の5人でした」
儀保「言うね」
川副「そしたらこの5人で良かったで終わっていいんじゃない?」
――ありがとうございます。引退おめでとうございます。
◆加藤葉月(かとう・はづき) 営4 明大中野八王子高 153㎝
コートネーム:メイ ポジション:PG(ポイントガード) 背番号:68
◆川副舞(かわぞえ・まい) 理工4 富士学苑高 160㎝
コートネーム:シン ポジション:PG(ポイントガード) 背番号:13
◆北浦彩加(きたうら・あやか) 国際4 大津高 166cm
コートネーム:リキ ポジション:C(センター) 背番号:8
◆儀保梓(ぎぼ・あずさ) 政経4 那覇高 160cm
コートネーム:マコ ポジション:F(フォワード) 背番号:48
◆伴真衣香(ばん・まいか) 文4 東京成徳高 170㎝
コートネーム:サエ ポジション:F(フォワード) 背番号:83
※5 取材日の11月15日に、明治大学リバティータワーにおいて創部90周年記念式典が行われた
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