決戦は日光 輝くは紫紺 総合王座奪還へ
アイスホッケー、フィギュアスケート、スピードスケートの3種目の成績で大学ごとに男女の総合優勝を争う氷上のインカレ、日本学生氷上競技選手権。明大は87大会中、男子最多の54度の優勝を誇る超名門だ。1点差に泣き2位となった昨年の雪辱を果たすべく、日光へ乗り込んだ。
部門連覇が懸かるアイスホッケー部門は今季、全ての大会で中大に次ぐ2位。3冠を達成しタイトルを総なめにした昨季から一転、悔しさを募らせている。カギを握るのは攻撃陣。地元凱旋となる日本代表FW大津晃介部門主将(法4=日光明峰)を中心に、本来の輝きを取り戻せるか。この大会は中大を2年連続で破るなど、相性のいい大会。期待は高まる一方だ。
フィギュア部門は何といっても4連覇を懸けて臨む西野。1年次から3年連続優勝を決め、学生王者の貫禄をまとった有終の美を飾りたい。女子のため総合優勝への加点はないが、男子にも有力選手がそろう。昨年7位の野添絋介(商4=東福岡)に加え、東日本ジュニア優勝の鎌田英嗣(営1=獨協)ら強力ルーキーが初めてこの大会へ挑む。上位を独占し得点を荒稼ぎしたいところだ。
スピード部門は近年苦戦が続いているが、確実に得点を狙う。注目はルーキーの2人、長距離の小林耕大(政経1=佐久長聖)と短距離の久保廉(政経1=白樺学園)。特に久保は全日本学生選手権で転倒のアクシデントに見舞われたものの上位を争い、11月には自己ベストも更新。好調を維持しており、ルーキーながら選手間の評価も高い。昨年の1点を上回る得点を目指す。
前人未到の頂へ。西野はインカレ個人4連覇が懸かる。ラストシーズンとなる今シーズンは関東学生FS(フリースケーティング)選手権、東京選手権、東日本学生選手権、東日本選手権で優勝。全日本選手権ではSP(ショートプログラム)で出遅れたが、1番滑走となったフリーでノーミスの演技を披露。うれし涙と満面の笑顔で最後の大舞台を終えた。好調のまま自身最後の大会となるインカレに入る。「4連覇は意識しない」とあくまでもチームのために滑ることだけを考えている。
昨年からコーチを樋口豊氏に絞り表現力に磨きを掛けた。「エレガントに、楽しく」。樋口コーチは演技前に西野にこの言葉を伝える。指先まで表現の意識をすることで、これまで以上に表現力の幅が広がった。最後となった全日本選手権、フリーでノーミスの演技を披露した西野。キスアンドクライでは樋口コーチも涙を拭った。西野が10歳の時から指導を受け二人三脚で歩んできた。インカレでは樋口コーチの目の前で最高の演技を披露し、恩返しする。
団体では昨年の3位以上を狙う。藏佐衣子(営3=広尾学園)、川平咲良(文2=帯広三条)は昨年も出場。経験を生かして上位に入りたい。
男子は団体優勝奪還を狙う。ラストシーズンを迎えた野添紘介(商4=東福岡)を中心にチームのレベルは上がっている。野添は東京選手権で初優勝、東日本選手権で自信最高の4位に入るなど充実のシーズンを過ごしている。引退試合となる最後のインカレに向けては「自分にとって一番大切な試合」と意気込む。昨年連覇を逃した悔しさもぶつけ、最高の演技で明大を優勝へ導きたい。
残る2人は梶田健登(政経1=明大中野)、鎌田英嗣(営1=獨協)が出場する。大学1年目のシーズン、梶田は全日本選手権に初出場を果たし、鎌田も東日本ジュニア選手権で優勝するなど結果を残した。シーズンの集大成でもあるインカレで優勝し、成長を見せるとともに野添の引退に花を添えたい。
[記事:髙田悠太郎・石渡遼 レイアウト:橋本杏菜]
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