決戦は日光 輝くは紫紺 総合王座奪還へ
最多優勝を誇る名門が日光の氷上を席巻する。1月5日に開幕した日本学生氷上選手権。アイスホッケー、フィギュアスケート、スピードスケートの3部門の総力を結集し、最多記録を更新する55度目の男子総合優勝を目指す。アイスホッケー部門は連覇が懸かる。また、フィギュア部門の女子では西野友毬(政経4=武蔵野)が4連覇の偉業に挑む。
アイスホッケー、フィギュアスケート、スピードスケートの3種目の成績で大学ごとに男女の総合優勝を争う氷上のインカレ、日本学生氷上競技選手権。明大は87大会中、男子最多の54度の優勝を誇る超名門だ。1点差に泣き2位となった昨年の雪辱を果たすべく、日光へ乗り込んだ。
部門連覇が懸かるアイスホッケー部門は今季、全ての大会で中大に次ぐ2位。3冠を達成しタイトルを総なめにした昨季から一転、悔しさを募らせている。カギを握るのは攻撃陣。地元凱旋となる日本代表FW大津晃介部門主将(法4=日光明峰)を中心に、本来の輝きを取り戻せるか。この大会は中大を2年連続で破るなど、相性のいい大会。期待は高まる一方だ。
フィギュア部門は何といっても4連覇を懸けて臨む西野。1年次から3年連続優勝を決め、学生王者の貫禄をまとった有終の美を飾りたい。女子のため総合優勝への加点はないが、男子にも有力選手がそろう。昨年7位の野添絋介(商4=東福岡)に加え、東日本ジュニア優勝の鎌田英嗣(営1=獨協)ら強力ルーキーが初めてこの大会へ挑む。上位を独占し得点を荒稼ぎしたいところだ。
スピード部門は近年苦戦が続いているが、確実に得点を狙う。注目はルーキーの2人、長距離の小林耕大(政経1=佐久長聖)と短距離の久保廉(政経1=白樺学園)。特に久保は全日本学生選手権で転倒のアクシデントに見舞われたものの上位を争い、11月には自己ベストも更新。好調を維持しており、ルーキーながら選手間の評価も高い。昨年の1点を上回る得点を目指す。
今季も残すはこの1冠のみ。リベンジのチャンスは、この大会しか残されていない。「1冠も取れていなくて、中央にも勝てていないし、後輩に優勝を残せないことは、4年生としても良い雰囲気で卒業できない」(FW大椋舞人・法4=白樺学園)。泣いても笑ってもこれが今季最後の大会。いまだ無冠のリベンジを必ず果たす。
最大の見せ場は中大へのリベンジだ。今季は春の関東大学選手権、夏のサマーカップ、秋のリーグ戦と全て2位で、中大の後塵を拝している。各大会で4回あった直接対決は1分3敗。春、秋のMVP中島(中大)を中心とした組織的な攻撃力の前に劣勢を余儀なくされている。
明大勝利のカギは攻撃力だ。昨年勝利したこの大会の中大戦のスコアは7―5。打ち合いでこそ勝機が高まる。リーグ戦では拙攻が目立ちあと1点に泣く場面も多かったが、ポテンシャルは疑いの余地がない。リーグ戦終盤にはFW松本昂大(商1=北海道清水)が台頭し、FW工藤翔介(政経3=北海道栄)の強力なシュートも新たなチームの武器になりつつあった。リーグ戦後に行われた合宿でチームの戦い方をより成熟できていれば、リーグ戦からさらにレベルアップしたプレーが見られそうだ。
組み合わせは中大に加え、リーグ戦で1分1敗に終わった相性の悪い早大、昨年この大会準優勝の東洋大が別の山に。順当にいけば準決勝で関西の雄・関西大との対戦が予想されるものの、比較的恵まれた組み合わせといえる。そして、中大とは決勝での対戦が濃厚だ。「インカレは4年生が優勝して引退してほしい。決勝には中央が上がってくると思うし、来てほしいのでリベンジしたい」と松本。4年生は後輩に「優勝」を残すべく、下級生は4年生を笑顔で送り出すために。全力で頂点を勝ち取る。
[記事:髙田悠太郎 レイアウト:橋本杏菜]
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