プロに力の差見せられ完敗 今季の全日程を終える/天皇杯全日本総合選手権

 オールジャパン2回戦はNBLリーグに所属する三菱ダイヤモンドドルフィンズと対戦。今夏に発足するBリーグでも1部への参入が予定されており、プロの中でも上位の実力を誇る相手に対し序盤から積極的に挑み、第1ピリオドは競り合った展開を見せる。しかし、徐々に相手のプレー精度の高さに圧倒され最後は64―101で敗戦。2015年度の大会全日程を終了した。

 スターターは齋藤拓実(営2=桐光学園)、會田圭佑(法3=市立柏)、秋葉真司(政経4=能代工)、宮本滉希(政経2=明成)、伊澤実孝(政経4=愛知産大工)。

 最後はプロの圧力に屈した。試合開始直後こそ伊澤のシュートで先制し、會田、齋藤の積極的な攻め込みで互角に渡り合う。しかし地力の差は徐々に表れる。精度の高いプレーと高さのあるインサイドで攻め込まれると、徐々に主導権は相手に映り点差も離れていく。「差が開いてる気はしなかったけど、点差が離れていた」(會田)。派手なプレーや圧倒的なプレーでやられることはなかった。決め手となったのは細かい部分。「イージーシュートやディフェンスの体の寄せに差があった」(伊澤)。プロでも上位の相手に対し食い下がったが後半はなかなかシュートを決めることができなかった。堅実なプレーを続ける相手に64―101で力負けを喫した。それでも第4クオーターのみのスコアでは19―15と意地も見せた。また、昨年まで在籍した中東泰斗(平27文卒)とのマッチアップもあり、マークした秋葉、會田は激しいディフェンスで中東を苦しめ、20得点を許したものの、成長を示した。

 2人の4年生が引退を迎える。昨年のインカレで4年生6人中4人が引退したが秋葉と伊澤はオールジャパンまで残り、この日が最後の学生バスケとなった。伊澤は昨年のインカレ準々決勝で青学大に敗れて以来の公式戦出場となったが、チームハイの14得点を挙げ、エースとしての貫禄を見せた。マッチアップの外国人選手の高さに苦しむ場面も見られたが、いつも以上に意識したという外からの攻めで得点を重ねた。今後もバスケを続ける伊澤は「自分の力を見せて存在感を出していきたい」と今後へ向けての抱負を語った。

 1年の成長を実感させた。昨年のこの大会、秋葉は念願のトップチームでの出場機会を獲得した。そこで見たのが当時エースの中東のプレー。プロ相手に30点を挙げる大活躍で中東は会場を沸かせた。「泰斗さん(中東)が見せてくれたから頑張れた。自分にも見せる責任はある」。(秋葉)と、自身の転機となったこの大会に強い思いで臨んでいた。昨年はリバウンドやルーズボールといった泥臭い部分を評価されていたが前日の1回戦では3Pシュート2本を含む11得点を挙げるなど、泥臭さ以外の部分でも力を発揮。昨年以上のプレーを見せ、堂々の引退を迎えた。

 これで今季の全日程を終えた。完全に新チームへ切り替わり、新たな1年を迎える。下級生に主力が多く、それぞれが経験を積んだ1年となった今年。その経験を糧に、また新たな挑戦が始まる。

[松井嚴一郎]

試合後のコメント
秋葉

「全然シュートも入らなかったし、それは課題として残ったが、ああいったプロの激しいディフェンスを経験できたのはすごいよかった。この先、どんなところが自分に足りないのかというところが分かったので、そういった意味では学生バスケで吸収しきったと思う。もしオールジャパンに出て明治とかとやるとなった時に、今日泰斗さんが見せてくれたように後輩たちにみせられるように成長しなきゃいけない。うまくいかなかった部分も多かったですけど、ディフェンスとか泥臭い部分は出せた部分もあったと思うのでやり切ったと思う。(中東選手ともマッチアップ)楽しかった。ディフェンスがえげつなくてさすがにすごかった。手長すぎるし、足も広すぎるし、能力高いし。(昨年の天皇杯の中東選手)あそこまで大きな背中には自分にはなれなかったので正直心残りではあるんですけど、泰斗さんのようにとは無理だと思っていたので自分だから魅せられる背中というのはリーグ戦にしろインカレにしろ見せられたんじゃないかと思う。泰斗さんの背中は大きいですね。自分は自分らしく成長した姿を来年見せたい。今年1年レベルアップできたと思うんですけど、今後いろいろできるようになってレベルアップしたい。(後輩に残せた部分)伊澤とか吉本とか点取れるやつがいる中で、泥臭いやつが必要なんだよっていうのが自分が見せなきゃいけないところで、自分自身が今年つかみ取った部分だった。そういうのは明治にとって絶対必要なもので、身長小さくてもリバウンド、ルーズに絡むとかディフェンス頑張るというのは見せられたんじゃないかと思う。(学生最後の大会)ふがいないというか、課題が本当に多かった。次があるのでそこに向けてチャレンジするという意味でまだまだ未完成の部分はあったが、それでもトライできた部分はあったと思う。會田とか宮本とかみんなすごいチャレンジしていたので、みんなにとっても次のシーズンに向けて糧になると思う。プロ相手でもどんと構えていてのびのびとやれていて、昨日高校生とやってフレッシュさに怖さを感じたように、自分たちもフレッシュに学生らしいバスケットをやることが一番のチャレンジの仕方だと思う。その中であそこまで1、2年生がいつも通り、それ以上にプレーできるのはすごいと思う。そこは自分も見習わなくちゃいけない。この4年間で自分が何を求められていて、何をしなくちゃいけないのかという部分で、1年生の頃からお前は何がしたいんだと言われ続けてその繰り返しだったが、泥臭い部分というのを見つけ出して4年目をやれた。泥臭い部分というのは自分にとっての強みで、これから武器になると思う。あとは大学でこんなにバスケットに打ち込めるとは思っていなくて、きついこともあったし、ケガも経験した中で最後まで腐らないでやれたというのはよかった。たくさんの人たちとつながれたというのがよかった。たくさんの人と出会って、そういった人たちの言葉を聞いて自分自身模索して考えることができて、たくさんの人がいてくれたからこその自分だと思う。今年最後の1年のサブタイトルとして、奉仕する心を持ってやっていく、感謝を伝えるということを考えてやっていて、後輩たちや同期に奉仕の心を持ってプレーすることを最後のシーズンやり通せたというのは自分にとって大事になっていくことだと思う。本当にたくさんのことを学ばせてもらった4年間だったと思うし、そのたくさんの方々がいたからバスケットに集中できた。自分自身この4年間で結果は全然残せなかったんですけど、大学というステージをしっかりやってきたので、明治の選手としてディフェンスだったりはこれからもしっかりやっていきたい。ルーキーイヤーを大切に、チームに必要とされるプレーヤーになりたい」

伊澤
「プロとの試合だったが、チームとしてやりたいことができたかと言えばそうではなく、個人個人でやるという形になってしまった。自分としてもプロへ行く上で足りなかったものを再認識できた。サイズが相手の方が大きいので外をどう打てるかとかを考えてやった。相手がプロということで、引いちゃってたり圧倒されてる部分がチームにあったと思う。プレッシャーもかけてくるし、イージーシュートやディフェンス、体を張る部分などの細かい部分でやられた。ディフェンスは体を強くして相手を弾き飛ばせるようにならないといけない。そういった部分で上位校に上からプレッシャーを掛けられると止まってしまうし、今日もガード陣が上で止められることがあった。後輩はスキルはみんなあるし、春から伸びている。成長しているのもインカレから見ていて分かっている。4年間を振り返ると、3年間と今年のギャップがすごかった。適応には時間がかかってしまったけど、いろいろなことを経験できた。最上級生になって1年間やりきれなかったことに悔いはある。来年からはケガしたら終わりなので気を付けないといけない。明治で1番学んだのはやっぱりディフェンス。基礎もしっかりしてるし点の取り方も学べて楽しかった。(プロでは)自分の力を見せて存在感を出していきたい」

會田
「チャレンジ精神を持ってみんな攻め気でやれた。インサイドからやられるのは仕方なかった。昨日から全体的にシュートが良かったけど、今日は途中から単発になってしまったので、そこでインサイドとかドライブで変化を付けられたら良かった。個人としても良かったし。オールジャパンはとにかく楽しもうということ感じだったので、楽しくやれた。プロ相手でも緊張とかはなく、むしろNBL相手にどれだけやれるかと思っていて、シュートだったり足を動かしてのディフェンスは良かった。打たれてる中でも厳しくチェックに行けたと思う。ただ試合としては差が開いてる感じがしないのに離れてしまっていた。(中東とのマッチアップ)運びのときも前から当たってきてきつかったけどぎりぎり取られなかったので良かった。スクリーンの使い方もうまかった。自分の方が小さいからディフェンスでは回り込めるが、リバウンドでやられた。(4年生がいなくなる)コートではすごく頼りになるし、いると心の面で違った。自分もそうなるように頑張ってレベルアップしないといけない。(今後は)今少し練習の雰囲気が良くないので、練習を引っ張ってやって一から立て直していきたい」