野添が総合22位 西野はSP21位/全日本選手権

 全日本選手権2日目は、女子SP(ショートプログラム)と男子FS(フリースケーテイング)が行われた。女子は西野友毬(政経4=武蔵野)がジャンプでのミスが続き得点を伸ばせず、49.81点で21位。男子は野添絋介(商4=東福岡)がいくつかジャンプでミスはあったものの何とかまとめ、最終結果を156.44点の22位で終えた。

 最後の全日本選手権をすがすがしく終えた。SPを21位で折り返した野添は「失うものもなく好きなものをやりたかった」と、今回2度のトリプルアクセルに挑戦した。一本目はきれいに降りるも、続くコンビネーションジャンプで転倒してしまう。「一発目が気持ちよくは入らなかったので2本目も失敗してしまった」と悔しげに話し「後半はとても足にきてしまって思ったように演技ができなかった」(野添)と、残りのジャンプには着氷が乱れるものもあった。それでも野添にとって最後の全日本選手権となる今大会は「楽しかった。爽快感というか満足感、充実感を感じることができた」(野添)と笑みを浮かべ、やり切ったという思いに満ち溢れた。今年の大会はこれでお納めとなったものの、年明け後すぐにはインカレが控えている。「一番大事な試合であり、また自分にとって引退試合であるので、そこはしっかりまとめる演技をできるようにしたい」(野添)と、インカレに向け早くも動き始めている。

 「笑顔で楽しく滑る」を目標に掲げていた西野。しかし迎えた最後の全日本、最初の競技であるSPで笑顔はなかった。当初の予定であった3回転2回転のコンビネーションジャンプで、トリプルルッツを失敗しダブルルッツ単体の技となってしまう。しかしここから修正能力の高さを見せ、二つ目のジャンプであるトリプルループにダブルトーループを付け足し、見事リカバリーに成功した。プログラム「エルフラメンコ」に合わせ、情熱を西野らしい美しい演技で披露するも、得点は思うように伸びず49.81点。演じ終えた後はいつも花のような笑顔の西野だが、今回は珍しく表情を出さずリンクを後にした。試合後すぐに行われた囲み取材の開口一番は「緊張して」。その後言葉を詰まらせ、目には大粒の涙が。「ショート落ちしたらどうしよう」と不安な胸の内を語ったが、順位は21位でフリーへの挑戦権を得た。

 27日の最終日は西野が計8度の全日本選手権出場に幕を下ろす。今季の目標を全日本出場としていたため、懸ける思いは今までのどの大会よりも強い。FSこそは西野らしくエレガントで美しい、ノーミスの演技をして会場を魅了させ、ラスト全日本に花束を添えたい。

[石塚真維・木村亮]

試合後のコメント
最後の全日本選手権を戦い抜いた野添

「前半アクセル2本を何とか決めたいという思いがとても強かったので、最初一発目何とか入ったが気持ちよく入ったわけではなかったので、それで2本目も失敗してしまった。後半はとても足にきてしまって体力というのもそうだが足に乳酸がとても溜まっていて、思ったように演技ができなかったなと思う。全日本は攻めるしかないというか、自分にとって失うものもなく最後の全日本なので自分の好きなものをやりたいという思いがあったので、自分はアクセルが得意で好きだということで全日本ではアクセルを二つにした。アクセルは自分の得意なジャンプだが、2本目となると一発目と全然感覚が違ってとても難しかったので、難易度は高かったかなと思う。今日は昨日ほど緊張しなく、もうやるしかないというか思いっきりやろうという気持ちだった。ショート21位からのスタートだったが、順位というよりは楽しく滑りたいなという気持ちの方が大きかった。(第一滑走に関して)1番滑走は嫌いではないので、6分間練習の後のすぐでジャンプの感覚がとても残っている状態で挑めるので、ラッキーだなと思った。(最後の全日本選手権を振り返って)楽しかった。SPもフリーも内容は全然納得のいくものではなかったが、最後の年だったので順位云々というのはあまり考えていなかったので、乗り切って爽快感というか満足感、充実感を感じることができた。(インカレに向けて)自分にとってインカレが一番大事というか、明治大学に所属させていただいているので、そこで何としても優勝したいという思いがある。だから自分にとって一番大事な試合であり、また自分にとって引退試合であるので、そこはしっかりまとめる演技をできるようにしたい」