明大からは野添のみが男子FSへ/全日本選手権

 全員そろってFS(フリースケーティング)に進むことはできなかった。男子は野添絋介(商4=東福岡)、梶田健登(政経1=明大中野)、佐上凌(商1=武蔵野)の3人が男子SP(ショートプログラム)に出場。梶田は「うまく体をコントロールできなかった」と25位。また佐上は細かなミスが続き点数を伸ばせず27位に終わった。惜しくもSPで終了となり、野添のみが26日に行われるFSへコマを進めることとなった。

 ノーミスとはならなかった。野添は東京選手権、東日本選手権の2大会でノーミスの演技を披露していたが「緊張して足がすくんでしまった」(野添)と、冒頭のトリプルアクセルで着氷が乱れた。その後も「最後の全日本と思うとやはり緊張してしまって思い切りできなかった」(野添)と、緊張からのミスが見られ、SPは54.89点で21位。「最後の全日本で自分にとって失うものはなく楽しむことだけなので思い切り自信を持って頑張りたい」(野添)と、フリーに臨む。

 男子は初出場となった梶田、佐上はフリー進出とはならなかったものの、最後の全日本選手権となる野添がフリーに進んだ。また、26日は女子SPも行われ、西野友毬(政経4=武蔵野)が出場する。

[石塚真維]

試合後のコメント
順調な滑り出しを見せた野添

「緊張して足がすくんでしまった。ジャンプの上りは良かったが緊張してしまったことによって足がすくんで着氷が乱れてしまった。ただ感触は悪くなかったので悔しい。最後の全日本だったので緊張しないかなと思ったが、最後と思うとやはり緊張してしまって思い切りできなかった。(公式練習の感触は)朝の公式練習は昨日の練習に比べると良くはなかったがそれでも全く悪くはなかったので自信はあった。(東日本から1カ月程あったが)東日本も通過するのは簡単ではなかったので緊張していた。東日本終わってから通過できたことによって気持ちが緩んでしまって大変だったが、そこから何とか全日本に向けて頑張って来れたかなと思う。(これまでSPはまとめてもフリーで乱れることが多かったが)SPは2試合ともノーミスして来られたので、今回は残念ですけど逆にフリーの方がいいという風にいつもの試合と逆になればいいかなと思う。(全日本は)どの大会に比べても一番観客の方も多いですし雰囲気も張り詰めているものがある。大きな大会なんだなと思うのと同時にこの試合に出させていただいていることにすごく感謝している。(フリーは)最後の全日本で自分にとって失うものはなく楽しむことだけなので思い切り自信を持って頑張りたい。とにかく思い切りビビらないで楽しみたい」

惜しくも0.12点差でFSへの出場権を逃した梶田
「(今日の結果は)いい意味でこんなものかなと。点数は演技してからこんなものかなと思ったけど、内容は東日本が終わってから上がり調子だった。都民大会も練習してきた成果が出せるような試合になって、迎えた全日本で、体が上ずってたわけじゃないけど、うまく体をコントロールできなくて、ショートの最後の方にある後半のトリプルフリップジャンプとかは、練習でも試合でもほぼ外したことがないようなジャンプだった。そこでも失敗が出てしまったから、技術的なもの云々よりも精神的に、体がフワフワしてたものがあったのかなと。緊張に押し潰されるというよりかは、今までと違う種類の緊張。やっぱり全日本は今までやってきた大きい他の試合、インターハイとか国体とか全日本ジュニアとか、色々やってきてたけど、種類が違う緊張感で、初めての感じだったから戸惑うところは正直あった。(ここまでたくさんの観客の前で演技したのは)初めて。お客さんが多いことに関するプレッシャーとかはなかったけど、全体の雰囲気。『最終決戦場だ』みたいな。そういうオーラに圧倒されてしまった。(東日本から生かせたことは)東日本は自分の中で大きな一区切り、スケート人生の中でも大きい転機になった試合で、そこから自分が課題としているところをコーチと2人でずっとやってきて、今回はこういう結果になってしまったけれど、やってきたという事実は変わらないから、今後いい風に進むんじゃないかなと思っている。(初めての全日本は)この試合で収穫になるのは精神的なものが一番大きい、技術的なものよりも精神的なものが大きい。全日本だから、日本人のスケーターが最終的に目指すものはここだから。気持ちっていうのは押さえ付けたからって変わるものじゃないから、そういう心の持ちようをなんとかしようとするんじゃなくて、向き合ってその中で最大のパフォーマンスができるようにというのを来年の全日本選手権に向けて課題にしていこうかなと思う。(ジャンプについては)最初のダブルアクセルは気持ちよく飛びすぎて回りすぎてしまった。悪い失敗じゃない。軸がずれたわけじゃなくて、単純に回りすぎてしまった。(3ー3のコンビネーションジャンプは)昨日までは決まったけど、今日はダメになってしまってそこは修正できなかった。(最後のトリプルフリップは)まさか失敗するとは思ってなかった。構えて飛ぶ瞬間までは悪くないと思ったけど飛び上がってみたらひっくり返ってしまった。(次の目標は)インカレに出られたとしたら、インカレの総合優勝に貢献すること。自分の中での一番の目標は、試合の結果云々じゃなくて、今は東日本終わってから時間をかけてじっくりやっていって、自分が目指しているスケートができるようにすること」

細かなミスで点数を伸ばすことができなかった佐上
「思ったより点数が入らなかった。今まで練習してきたこと、自分のベストな演技ができればと思っていた。最初のジャンプも決まって2本目は手は付いたがそんなに悪くはないだろうと思っていたのだが。いつもの大会とは違うので緊張はしていたが、その中でもできることはできていたかなと思う。自分的にはやり切ったなという感じはしている。でもまだ悔いは残っている。野添選手とは今シーズン順番が隣になることもよくあったので、今回もそうでいつもより気楽にできたかなと思う。6分間練習も緊張はしていたがそんなに悪くはなかったので、練習は良かった」