男子エペ個人 坂野主将、笑顔のラストマッチ/全日本選手権

2015.12.25
 全日本選手権3日目は男子エペ個人が終了した。明大からは坂野守洸主将(法4=清風)と佐伯恒星(政経3=鴬谷)が出場。坂野は4勝1敗で予選プールを突破したが、トーナメント2回戦で敗れ最後の試合を終えた。佐伯は強敵揃いとなったプール10を勝ち抜くことができず予選敗退となった。

[男子エペ個人]
 最後の大会で納得の試合を見せた。予選プールを4勝1敗の20位で通過した坂野は、大会を通じて「今までフェンシングをやってきた中で一番、頭で思ったことがすぐに行動に移せた」と調子の良さを発揮。トーナメント1回戦でも相手がやりにくいよう試合を展開させ「すごくいい試合だった」と15―5で手堅く勝利を収めた。2回戦では今年度インカレ6位の武田(慶大)と対戦。2点を先行されると以降は相手の速いアタックにシングルでの得点が奪えずドゥーブル(相打ち)が続き、9―12で第1セットを終える。「残し(待ち伏せ)て点が取れるイメージが全く浮かばなかった」とインターバル明けに自らアタックに行きシングルで2点を奪って追いすがったが、ドゥーブルを挟んで足を突かれると12―14に。最後もシングルでポイントを奪われ12―15で試合を終えた。それでも試合後には笑顔も見せ「楽しくできた」と全力を出し切ったラストマッチとなった。
 佐伯は金星を挙げることはできなかった。世界選手権日本代表の山田(日大)ら強豪選手の集まるプール10で1勝4敗。予選68位となり惜しくも予選通過はならなかった。「身長が小さいなりのフェンシングをもっとできたらいい」と強敵と戦う中で足りない部分も感じた大会となった。来年度は主将として部を率いる佐伯。「しっかりと成績を残すこと」と「みんなに勝ちにこだわったフェンシングをやってもらいたい」と明確な目標を掲げ、最後の1年に臨む。

[谷澤優佳]

試合後のコメント
坂野

「今までフェンシングをやってきた中で一番、頭で思ったことがすぐに行動に移せて、簡単に言ったら調子がよかったと思う。ただ全日本なので予選結構頑張って4勝1敗で上がったのに1回戦からナショナルチーム入った選手ばかりで、何だこの山と思ったけれどそういう大会なので1試合1試合楽しんでやろうと思って結構楽しくはできたと思う。全体的に動き出せば自分がイメージしたことで全部取れるので、すごいいい感じだったと思う。(トーナメント1回戦は)相手の子を知ってたというのもあるし、それ以上に相手が何を考えてやっているのかや相手の感情や考え方が手に取るように分かったので、やっていてすごくやりやすかった。あとは自分がこうすれば相手がどう思うというのが理解できたので、相手が嫌なタイミングで突いていってぐしゃぐしゃになった時に手堅く取っていこうというプランで、時間もしっかり使えてすごくいい試合だったと思う。(2回戦は)仁もすごい前から練習していて手の内を知っているというわけではないけれど自分の戦い方と仁の戦い方が結構かみ合う部分があるので、1回戦よりは勝率が低くてもチャンスはあるんじゃないかな、付け入るスキはあるかなと。実際試合やっていても追い付きかけたりとか狙ったところで取れたりしていたけれど、ちょっと普通の人よりも仁が速すぎるので、自分は残しとか正しいことして取ってるはずだけれど速くてタイミングがいいので想定外のスピードで来られるとシングルが取れない。中盤ドゥーブルがすごく続いてしまって、結果それが痛くなってしまって負けた。(インターバル明けに2点シングルで取った場面は)ベンチ帰った時に古俣と残ししていると負けてしまうと話していて、残して点が取れるイメージが全く浮かばなくてこのまま相手はやり続けるだろうと思ったので、負けてるので得意ではないけれど自分から行って取るしかないので、だったらあまり自分にアタックというイメージがないことを利用してアタック行ってみたら意外と入るんじゃないかと思った。普通に打ったら絶対届かないので仁のもう一人後ろ分くらいを突く感じで遠くを突きに行ってみると意外に入った。アタックもらってしまうと焦って次行っちゃおうとしてしまうので大きくなったところを突いて2点取れたけれど、その後のドゥーブルはいいとして次の足突きが。自分は足突けないけれど仁は好きなタイミングで足突けるので、その差はすごい大きかった。(最後の公式戦を終えてみて)1、2年生の時は勝ちたい気持ちはあったけれど別に勝てなくても、という感じだった。勝てないとは言っても予選で落ちたりするわけではないので、インカレも普通に行けて16とか32も普通には行けるけどそれ以上は絶対行けないみたいなメンタルだった。3年生の時の守屋先輩(一教・平27法卒)の代に、きつくはあったけれどフェンシングがすごく楽しくなってきてもっと勝ちたいなと思ってやりだした。3年生ですごく変わったかなと思う。そこからどうやったら強くなれるかとか、自分のことも他のエペ人のことも考えるようになってから、超えられなかったような壁も超えられるようになってきた。もうちょっと早くやれよっていう感じはあったけれど、上級生になって気付くものなのかなとは思う。(来年度の新チームについて)自分自身は多分フェンシングは続けないと思うけれど、新チームとしてやっぱり団体としても学校としても男子の3種目に限って言えば最後周りの自分と沖本先輩と杉田の3人が一気に抜けるということはすごく痛いことなので、そこは一番上の3年生が何とかしないといけないだろうし、フルーレに関しては3年生がメンバーには入っていないけれどチームを支えているのは3年生なので。しっかりしてやってくれたらいい結果が出るのではないかなと思う」

佐伯
「プールが全員強いからと言ってプールのせいにはしていない。強い中でも勝っていかないといけないので自分のせい。自分の実力不足という感じ。(初戦から山田優選手と対戦だったが)多分自分の心の中で格上だからという気持ちがあって、弱気になっていた部分もあると思う。そう思っているところで負けているんだなと思った。自分にもっと自信を持ってプレーができるようにしたい。(今大会で感じた足りない部分というのは)エペやっている選手の中でも身長が小さいので、身長が小さいなりのフェンシング、スピードを生かして相手の中に潜り込むとか、もっと足使って相手を混乱させるみたいなのをもっとできたらいいと思う。小手とかの勝負にこだわるのではなくて、もっとダイナミックな技ももう少し取り入れていこうかなと思う。これからそういう練習に励みたい。(来年度に向けて)まだ大学入ってからぱっとした成績を残せていない。何でもいいので個人で8入るなり団体で入るなり、それをまずしっかり成績を残すということが個人の目標。あと主将としては時には厳しく、オンとオフを大事にして勝ちにこだわって、みんなに勝ちにこだわったフェンシングをやってもらえるといい。来年はリーグ戦は2部だけれど優勝を目指して、1部に早く昇格して頑張りたい」