
ベスト8入りはならず 女子エペ個人/全日本選手権
[女子エペ個人]
あと一本が取り切れなかった。古俣は予選プールにおいて「予選から勝ちたいという気持ちが募ってしまった」(古俣)と、2勝3敗で本来の力を発揮できず。それでもトーナメントに進むと1回戦、2回戦と順調に進み、そして迎えた3回戦。今春に行われたユニバーシアードの代表選考会決勝で勝利した大石(山九株式会社)との対戦となる。第1セットでリードされるも2セット目で取り返し11-11で第3セットに入る。しかし3セット目開始直後、相手の体に当たってしまったことによりイエローカードが出される。これにより第1セットで取られたものと合わせてレッドカードとなり相手にポイントを与えてしまう。その後は冷静さを取り戻せず、12-15で敗北。3回戦敗退となりベスト16が決まった。
奥村は予選プールにおいて1勝4敗となり敗退。「一本勝負が3試合あったがそれを取れなかったのが一番の敗因」(奥村)と振り返るも「体は付いてこなかったが頭の中での組み立てはよかった」(奥村)と内容に関して昨年からの成長を感じる大会となった。
上田は予選プールを4勝1敗で通過しトーナメント1回戦に進出する。だが「予選とは反対に頭が単調になってしまった」(上田)と、一本勝負を制することができずに敗北した。
3者ともに昨年の結果を上回ることができず、納得のいくものとはならなかったものの「3人ともゆっくりだけど進歩している」(長尾康司監督)と、来季の活躍に期待が膨らむ。
[石塚真維]
試合後のコメント
長尾監督
「もう一つずつは勝ってほしかった。奥村は予選トーナメントで負けてしまったから1勝しかできなかった。就活があり練習不足もあって、一本勝負を3回落としている。分かりやすい表現でいうと1センチ普段なら届くところが手前で止まってしまう。わりと勝負強いが、もう一つ勝って決勝トーナメントには行ってほしかった。上田ももう一つ勝ってほしかった。相手は高校生だったし勝てない相手ではない。差はないが運が無かった。精神的なコンディションは悪くなかったと思うが高校生を圧倒できる力は無い。フレッシュも無かったし、もう少し考えることができれば。アイディアが浮かばなかったのだろう。これから経験を積んで強くなってくれると思う。古俣はユニバーシアードの最終予選の決勝で当たった相手だから勝ってほしかった。相手に雪辱されてしまった。第2セットでだいぶ古俣らしくなっていいなと思ったが、少しポイントの精度が無かった。フライングで一発イエローをもらっている状態でぶつかってレッドで、ポイントも取られて一気に2点差が付いてしまった。終盤では大きい。頑張って追いついたのにもったいなかった。向こうもレベルアップしていた。勝てない相手ではないが、古俣対策みたいなイメージで挑んできた。(対戦相手が)急速にレベルアップしている。駆け引きができるようなフェンシングをしていくことが必要。3人ともゆっくりだけど進歩している。古俣の結果はベスト16止まりだが8に入れる力はあるから自信を持ってやってほしい。上田も同様。勝てる試合には勝てるし、競った試合にも勝てる。目に見える結果としては変わっていないが、内容的には進歩している」
奥村
「今日は一本勝負が3試合あったが、それを取れなかったのが一番の敗因だと思う。就活が始まったために練習不足で、それで頭の中での組み立てはよかったと思うが体が付いてこなかったというところが反省点。でも堅くはならなかったのはよかった。試合中も自分からこれをやろうと思ってやってみたらできたりとか。落としてはいけないところで特に最後の試合では、スコア的にも勝てるかなという試合だったのに落としてしまったのが反省点。最後から2試合目と一番最後の試合がもったいなかった。あと1試合目もレットがなかったら流れは変わっていたのかなと思う。1試合目は5-4で負けたのでその1点がなければどうなっていたかわからないし、最初の流れも変わっていたと思う。自分のプレーとして最初の1本を取ることを一番大事にしているので、そこで何もしていない状態からマイナス1ポイントから始まるというのは結構痛い。最後の試合は最後に足を使わな過ぎて追い付かれて負けてしまった。学生の大会の方が重きを置いているので、一種の挑戦として大会臨んだ。昨年の方が結果はよかったが、今年の方が自分から仕掛けたりしているので内容的には成長したかなと思う。これを結果につなげられるようにしたい。今シーズンは結果としてはパッとしなかったなという1年だったなと思う。でも少しは大学生らしいフェンシングというか、自分主導で動かしていくスタイルを徐々に身に付けつつある。来年は主務という立場にもなるし、プレー面においても女子の中で一番上になるので、実力の上下関係なく思ったことはどんどん言っていきたい」
古俣
「全然ダメだった。予選から勝ちたいという気持ちが募ってしまって、突っ込んで勝てる相手にも負けてしまった。何とかトーナメントに上がったという感じだったので、予選から駄目だった。ちゃんとやって勝ち切れるかどうかという相手には負けてしまったので、気持ちに焦りがあったなというのが反省点になる大会だった。3回戦は1セット目が悪くて、2セット目で冷静さを取り戻していつものアタックで取れるようになった感じ。3セット目でイエローカードが出て納得いかなかったが、1セット目でイエローカードを取られていたのでそれが響いてきたなと思う。2点一気に取られてから冷静になってしっかり待っていればよかったのかなと思う。昨年も16で負けているのでやっぱりベスト8にはいきたかったなと思う。予選は高校生ばかりで全勝していてもおかしくなかった中で2勝3敗という結果で、それは剣が大きくて体から出てしまったりとか自分の負けというパターンが多かった。全試合を通して自分から突っ込んでいってしまったというのが敗因。勝ちたい勝ちたいであまり自分のフェンシングができなかった」
上田
「予選は結果からみると4勝1敗で悪くないとは思うが、内容が全体的によくなくて、トーナメント1回戦も今一つだった。予選プールは頭は割と動いていて相手の空いているところも見えてはいたが体が動かなかった。ちょっとした自分の下がり遅れとかの悪いところを修正できなかくて顕著に出てしまって、相手のミスで点が入ったりとか押し込んで入れたりとかが多かった。トーナメントではそこを切り替えないとと思っていたのだが、1回戦の相手が自分と似たスタイルでやりにくくて、それで体を動かそうとしたばかりに今度は頭の方が単調になってしまった。突くか突かれるかでかけ引きも全くなくなってしまった。2点ぐらいリードされた時に自分がいくつか突けたのはよかったが、その後何したら離せるかが分からなくて取られてしまった。今まで全日本選手権に出ていてトーナメント1回戦までしかいったことがなかったので、大学に入ってその成績を絶対に上回ろうと思っていたのだけど。次はジュニアの大会があるので、色んなタイプの人と練習していこうと思う」
関連記事
RELATED ENTRIES