寺田が初全日本でベスト8/全日本選手権

2015.12.24
 初の大舞台でも存在感を見せた。フリースタイル70㎏級出場の寺田は初戦で大逆転勝利。ベスト8まで駒を進め、来年の明治杯への出場権を獲得した。また97㎏級の藤山は競技生活最後の大会を1回戦敗退で終えた。
 「緊張して体が動かなかった」という1回戦は終盤まで2-8と相手に大きくリードを許す苦しい展開。それでも第2ピリオド残り1分を切り反撃を開始すると、得意技という『がぶり返し』で豪快に相手を返し、残り数秒で9-8と逆転した。この試合、寺田の片足タックルが相手に読まれ、終盤まで劣勢を強いられた。しかし、片足タックルが効かないと見るや、終盤は攻めを変更。相手の脇に手を入れ、豪快に投げる『がぶり返し』は一見最あがきのように見えるが、終盤の攻撃変更で相手の意表を突き逆転勝ちにつながった。

 これで今シーズンの大会は終了。現在副主将を任されているエースは来年に向けて「リーグ戦で今年の順位を超えたい」と意気込んだ。「頑張っても怠けてもあと1年。悔いの残らないようにしたい」。どこまでも責任感の強いエースはその背中でチームを引っ張る。

 97kg級の藤山は最後の試合を清々しい表情で終えた。4年間主力としてチームに貢献した前エース。現役最後となった天皇杯は1回戦敗退に終わったものの「インカレで入賞して天皇杯に出場するという目標は達成できた」とすっきりした表情で振り返った。

 大学4年間で最もお世話になった人がいる。昨年の主将を務めた白石涼(平27政経卒)だ。「練習から普段の生活までずっと面倒を見てくれた。ここまでやって来られたのは白石さんのおかげ」と感謝の言葉を口にする。一方で後輩に対しては「あまり面倒を見たというのはない」と謙遜したが、練習では階級の近い大山や永井基生(営1=八千代松陰)といった下級生とスパーリングなどをすることで高め合ってきた。「やっぱり一緒に練習した後輩が活躍するのはうれしい」。直接的に面倒を見るわけではなかったが、藤山の練習に対する姿勢は後輩の活躍のきっかけとなった。「来年は選手もそろってるし、今年より(リーグ戦で)良い結果を残してほしい」。藤山の後輩への思いやりは、来年のチームへと受け継がれていくはずだ。

[本永雅敬]