集大成見せた! 齊藤・吉村ペア笑顔で解散/関東学生選抜インドア大会

2015.12.21
 関東学生トップクラスの16ペアが集まって行われた今大会。明大からは2組が出場した。インカレでベスト16入りを果たした丸岡俊介(政経1=尽誠学園)・平井裕之(国際2=高崎健康福祉大附)ペアは1回戦敗退。インカレ8位の齊藤香純(政経2=昭和学院)・吉村寛子(国際4=昭和学院)ペアはベスト8の結果に終わった。

 いつもチームの先頭に立ち、常勝の名を欲しいままにした「齊藤・吉村」ペアが笑顔で解散した。先月行われた全日本インドアでは予選敗退に終わった2人が、最後となる大会で自分たちのテニスを見せた。1回戦を順調に勝ち上がって迎えた加瀬・草野ペア(早大)との準々決勝。「私と同じ試合運びをする相手」(齊藤)と後衛同士のラリー戦が予想された。齊藤が緩急あるラリーを見せ、相手のスキに吉村が決定打を放つプレースタイルは今大会でも健在。一度はゲームカウント2-1でリードした。しかし、そこからは相手の流れに持ち込まれる展開に。粘り強さがカギとなる中で「向こうが1本の決め球を持っていた」(齊藤)と勝負どころでの決定力の差が勝敗を分けた。最後は3-5で惜敗するも「明治で教わったことを出し切れたと思う」(吉村)。清々しい表情で今大会に幕を閉じた。

 「もし自分のペアが香純じゃなかったら…」。試合を振り返る吉村が言葉を詰まらせた。中学の頃からお互いにラケットを振る姿を見続けていた2人。初めてペアを組んだのは高校1年時でのインターハイだった。それから3年後、大学で再びペアを組み始めると1番手を担う主力ペアに成長。お互いに噛み合わない時期も続き、勝ちたいからこそ本音をぶつけ合うこともあった。揺らぐことのない信頼関係を築き上げたペアも今大会で解散。「絶対に無理なことはないから、高い目標を持って頑張ってほしい」と吉村が言えば「2人で獲れなかった日本一をこれから他の仲間たちとつかみたい」と齊藤。中学の頃は感情を表に出していく吉村に対して、齊藤は淡々と試合をする対照的なプレースタイルを持っていた。「だから自分に合わせてきてくれたのがすごく嬉しかった」(吉村)。一緒に吠えて、声を掛け合って、ポイントが決まればガッツポーズ。最後までコート上には2人の笑顔がきらめいていた。

 来季は勝負の一年となる。今季全ての試合が終了し、これから春に向けたオフシーズンを迎える。創部初の1部昇格を果たすと、秋季リーグ戦では1部4位。これまで以上にないシーズンを過ごしたからこそ、期待値も大きい。「次は1部で優勝、できないことではないと思う」(齊藤)。先輩たちからのバトンはしっかりと受け取った。「優勝」の2文字を胸に、ラケットを振り続けていく。

[土屋あいり]

試合後のコメント
平井

「相手のミスが多かったこともあって。あとカットレシーブをミスなく返せたというのが1ゲーム目を取れたところかなと思う。対策としてはカットサーブと、自分はストロークで丸岡はローボレーを多めにやってきていた。途中いい形にもなったが、最後の方でだめになってしまった。(対戦した丸中・鈴木ペアは)自分は今まで1ゲームも取ったことはなかった。悪あがきじゃないが、いろんなことをやっていこうと思っていた。カットサーブと、前についたり、守る時は後ろに高く上げて間をつくってみたりだとかをしていた。長くなるのでインドアは展開的に好きですけど、ストロークに不安があるので苦手ではある。来年に向けて課題も見つかって手応えもあった。これからの合宿では新入生も入ってきて、練習量もあがる。課題のサーブレシーブだったり、とりあえず自分の考え方もいろいろできる。時間もあるのでいろいろなことにチャレンジしていきたい。(来年は副キャプテン)藤田さんからいろいろと勉強させてもらうのと、やりやすいようにサポートしたりしたい。選手も集まっていい状態なので。とにかく勝てるように仕事をやっていく。(来年は)関東は16以上、インカレもいけるところまでいきたい。ですけど、(1年次のインカレ個人)ベスト8、(2年次)16と下がっているので、もう1回上がれるように頑張って行きたい」

丸岡
「相手がダブル前衛の丸中さん鈴木さんで。普通に戦っても勝つことができないと対策をした。でもこっちが先に攻めないと勝てないので、サーブの時は先にこっちが二人で前に出て先に攻めていこうと意識した。後ろに二人が下がったらロブを上げたり。普通にしないようにやってた。カットサーブはインドアというのもあって、ファーストサーブから得点になることが多かった。逆に負けた敗因はファーストサーブの確率だと思う。そこをあげていけたらよかったなという気持ち。普段向こうはああいったミスをしない。ミスからゲームを取れたというのもあったので、もう少し生かせたら良かった。(カウント2ー4からファイナルへ)負けていたので、割り切るしかないと。ファーストも入るようになって、いい方向にいった。最後はポイントが競ってきて、そこで相手はミスをなくしてきた。そこが差だったのかなと。インドアの練習はできないので(対策も)ずっと外でした。僕自身、足を使ってフォローするのがスタイル。なのでインドアはボールが止まるので、足を使っていく部分では有利なのかなと思う。(粘る)1本というのを大事にしないとすぐに負けてしまうので、1本1本を大事にしてきた。来年に向けて課題も残った試合だったので、来年は勝てるように頑張りたい。(合宿もあるが)冬場でしっかり体をつくって、勝つ準備をする。(ルーキーも入ってくるが)1人の力で勝てるわけではないので、自分だったり上級生がしっかりしないと勝てるものも勝てない。頼りすぎず、自分たちで勝っていきたい。(インドア)このコートに来年も立ちたい。来年は、まだ(ペアが)決まっていないが、強い新入生と組む可能性もあるので、上を目指さないといけないですし、組む以上責任もある。個人でも出る大会は優勝を目指していきたい」

吉村
「練習量も足りないし、準備ができてなかったと思う。自分に負けていたというのもある。夏までは試合に向けて毎日練習、トレーニングをしてきて試合中でも力んだ部分があったけど、今回は逆に力が抜けて楽しくできたけどその分プレーも柔らかくなってしまった。最後だから香純のやりたいようにやらせたいし、香純のやりたいことに自分がしっかりついていければと思っていた。早大の加瀬とは高校の時からやっていて仲も良い。加瀬は先月ぐらいに日本代表で世界大会に出場していて、試合にいくまでの代表合宿とかで辛い経験をしていたと聞いていた。今日試合してみて、そういった経験を乗り越えてこんなに違うテニスをするようになったんだなというのを感じて嬉しかった。癖は分かっていて、自分からポイントに行くというよりはつなげてラリーをするタイプだけど、やっぱり世界大会の経験もあって加瀬にしかできないテニスをやっていた。7ゲーム目で自分が動きすぎて、相手も自分のほうに打てば決まると思っていて自分に厳しいボールを打って、それをしっかり止められなかったのでそこのゲームがいけなかったと思う。ゲームカウント2-1でリードした場面もあって2人で先行していこうと言っていたが、途中から流れも悪くなって弱気になってしまった。ゲームカウントが3-4になった時は気持ちが沈んだけど、そこでコートチェンジの時にもう1ゲーム頑張ってもっと2人で試合がしたいという話になって、すごく気持ちが楽になった。(ペアを組んできた)香純は自分のことを慕ってくれているのが分かっていて、中学の頃から見ていて淡々と試合をするイメージで自分とは対照的。だから大学入って組んでみて、一緒に吠えて、声掛け合ったりと自分に合わせてきてくれたのがすごく嬉しかった。前衛として、先輩として、試合の流れを読み取ったり、後衛にはわからないけど前衛にはわかることもあるのでそういうのをしっかり言ってきた。夏前は気合が入るし、気持ちを強く持ちすぎて、勝ちたいのに上手くいかない時期が2、3ヶ月続いた。もし自分のペアが香純じゃなかったら、そのまま夏も嫌な雰囲気でやっていたかもしれない。中学から一緒だし、大切な存在でもあるのでインカレ直前で言いたいことを言い合った。雰囲気が悪くても、結局はお互いに勝ちたくてやっていたことだから、最後はもう1回初心に返って楽しく2人で頑張ろうとやれたからインカレでもいい結果が残せたと思う。今日の最後の試合は明治で教わったことを出し切れたと思う。これからもお互いのことを話し会えるような仲でいてほしい。今は本当に早稲田が強いし、自分たちの代も打倒早稲田でやってきて、でもどこか無理と思っていたこともあった。後輩たちには絶対に無理なことはないから、高い目標を持って頑張ってほしい。(4年間)何で明治に来たんだろうと思った時期もあったけど、やっぱり入った自分が変えればいいだけでそれに気づけたのが2年生の時。そこからは自分がしたいチームになりたいように、毎日テニスのことを考えていた。監督をはじめチームのみんなには感謝しているし、これからもずっとみんなを応援していきたい。(後輩たちへ)人間関係とかチームでひとつになるのは本当に難しいこと。色んな人がいるし、今まで色んな教え方をされてきた人が集まってきている。それでお互いの良さを認めて、チームのレベルアップしてほしいし、切磋琢磨をしてほしい。とにかく楽しくテニスをしてほしい」

齊藤
「練習はあまりできなかったけど数少ない何回かをしっかり無駄にしないように練習してきた。今日の試合は吉村さんと最後というのもあったがそれは考えすぎずに、自分のやるべきことをできたと思う。東経大戦の入りは相手も4年生で練習できてなかったと思うがゲームが取れて良かった。(早大戦)ペアとは前にインドアでも対戦したことがあってその時は勝ったけど、試合運び的には私と結構同じような展開をする相手。試合は絶対に長くなるだろうと思っていた。それでラリーも長くなって、そこでやっぱり向こうが1本の決め球を持っていてラリーの中で少しずつずらされたりして自分の体勢が崩れるような展開をされた。ゲームカウント2―1になった時にそこで取り切れなくて2―2になったのが勝敗を分けたと思う。自分的にはいっぱいいっぱいではなかった。気持ち的には3―3になった時にこの1ゲームを取りたい思いが空回りしてしまったので、ミスにつながった。(吉村さんへの声かけ)切り替えて、レシーブを攻めていこうと。ラリーの中で吉村さんが抜かれるボールが多くなって、自分の配球も甘くなったところがあって吉村さんも気にしているかと思って最初に自分から言っておこうと思った。私が粘って吉村さんがボールを捕ってくれたりとか、そういう展開になった時は自分たちのテニスをできてるかなと思った。(試合終わって)もうちょっと吉村さんと試合がしたかったというのもあるし、ここまでちゃんと一緒にペア組めて良かったなと思う。一番最初に組んだのは高校1年の時。練習とかでも組んだことがないのに、インターハイの団体戦の日にいきなり組めと言われて。最初はもうとりあえず引っ張ってくれた。今年の夏前に噛み合わなくて、それを言えずに試合もしてきた時期が続いた。勝てないし、いいプレーもできなかった。そこからしっかり話し合いをして変われたと思う。(吉村に掛ける言葉)今までペアを組んでもらって、引っ張ってもらって。全然期待に応えられなかったこともあったと思う。でも最後まで信じて、一緒にやってくれてありがとうございますというのと、これからテニスをやらないにしても吉村さんは吉村さんなりの道にしっかり進んで何かに向かって頑張ってほしいし、私は2人で獲れなかった日本一をこれから他の仲間たちと頑張っていきたいというのを伝えたい。(チーム)2部で入れ替えをやってきて、やっと1部に上がることができてチーム全体が一つになることができた。新チームになっても結果が出せたので、この1年だけでも成長できたことはたくさんある。次は1部で優勝を、できないことではないと思うので、ここから皆で頑張っていきたい。(個人)いつも試合に出させてもらってて、勝ち負けは後からついてくるものだけど試合に対して応援してくれる人だったり、試合に出れない人たちのためにもできることをやることが一番の恩返しだと思う。そこをまだまだ出し切れてないとこらがあるので、これからもプレーで伝えていきたい。(冬)やっぱり足腰が弱いと感じて、そこを鍛えたいのとどんなボールでも対応できるような体幹をこの冬で鍛えていきたいと思う。いつでも自分のテニスができるようにやっていきたい」