
名古屋フラーテル相手に善戦 全国制覇の夢は後輩たちへ/全日本選手権
今大会で四冠を目指す名古屋フラーテル相手に明大のホッケーを見せつけた。サークルの外から打ち込んでくる名古屋フラーテル相手に谷光、前田隆昭(営1=丹生)を中心にチーム全員で守りきり、岩井宏将(営4=岐阜総合学園)を中心としたMF陣のゲームメークで明大のチャンスをつくっていった。だが、この試合でもゴールまであと一歩届かず。全日本選手権はゴール0という結果に終わってしまった。だが、「気持ちを見せることはできた」(大嶋雄飛主将・文4=今市)。日本の頂点に明大らしさを見せ、自分たちのホッケーが日本の頂点に通用することを証明した試合となった。
「大嶋はまさに声と態度で引っ張る本当のリーダー」(宮田知監督)。全日本選手権グループステージ敗退が決まり今シーズンを終えた明大ホッケー部。大嶋雄が中心となり春季リーグ戦優勝、インカレ準優勝と、古豪復活を予感させた昨年以上の成績を残した。昨年の走り負けないチームを継承し、さらにチームが勝つために「気持ちで負けないこと」(大嶋雄)を1年間チームに言い続けた。その結果、接戦で勝ちきれるチームへと成長。試合中どんな展開になってもボールに食らいつき、ゴールに迫る大嶋雄の姿がチームをさらなる高みへと導いた。「来年からはLIBIEでホッケーを続けるので来年の全日本選手権で明治と戦いたい」と大嶋雄。勝利にこだわった大島雄が次は敵としてさらに成長した明大の前に立ち塞がる。
来年は全国制覇だ! 4年生が引退し来年度から松波大介(営3=岐阜各務野)が新たに主将に就任する。「自分の考えを持って今年の代に負けないようにしっかりまとめ上げていきたい」と松波は意気込みを語った。来年からは八幡山のホッケー場がウォーターベースへと芝が張り替えられ練習環境も良くなる。そこに新1年生を迎えた新たなチームがさらに強くなったホッケー部の姿を見せてくれるはずだ。「学生相手に堂々と打ち負かせるように成長しないといけない」と宮田監督。大嶋雄率いた今年のチームの果たせなかった全国制覇の夢は松波新主将率いる新チームへと受け継がれる。
[常光純弘]
試合後のコメント
宮田監督
「昨日負けたので決勝トーナメントに残れないから4年生は今日の試合で終わりということで、相手は昨年のチャンピオンの名古屋フラーテルだから一生懸命。日本リーグも優勝しているし昨年全日本も優勝しているチームに対して0-0というのは、よく走り負けしないで粘って頑張ってくれたと思う。インカレの決勝から3連敗していたので、負けて終わりたくはないなと。勝てなかったけど引き分けで勝ち点1も残せたし、まずは褒めてやりたい。(1年間を振り返って)大嶋がチームをよく引っ張ってくれて、中道と岩井もよくサポートしてみんなもそれに付いていってまとまった。あとフィジカル面でも負けないチームに作り上げてくれたので、あとはどれだけ得点力をつけるか。春は11年ぶりにリーグ優勝して一つのヤマを越えることができて、できればインカレの決勝でもう少しゲームをコントロールできればと反省するところはある。大嶋はまさに声と態度で引っ張る本当のリーダーだし、岩井は冷静にずっとやっていた。(来季の主将・松波について)1年の頃から使ってきているので、DFの要になってもらわないといけないし、フィールドに立っている時間も長いと思う。グラウンドも新しくウォーターベースになるし、かつ新人も有能な選手が入ってくるからレギュラー争いをみんなでしのぎ削ってもらって、本当の強いチームになってほしいなと思う。今日はよく頑張ってくれたけど、学生相手に堂々と打ち負かせるように成長しないといけない。一人一人がどれだけ努力するかということが大切だと思う」

1年間チームの引っ張った4年生たち
大嶋主将
「今年三冠しているチームに点を取ることはできなかったけど、気持ちを見せることはできた。自分たちの流れはできていたので明治のホッケーはできていたと思うし、日本一のチーム相手に気持ちで負けないところは見せようと話していたのでできてよかった。この1年間本当に辛いことが多かったし大変だったが、終わってみるとこのチームは本当にいいチームだと思うし、もっとこのチームでホッケーがしたい。昨シーズンを0にしないで去年からの積み重ねということを重視してきてその結果が春季リーグの優勝という形になった。だけど王座で負けてから自分たちのホッケーを見直せた。1年間ほぼ同じメンバーがベンチにいたけど、自分たちのホッケーというものを体現できたら負けないということを分かったと思う。大切なのは接戦になった時に競り負けない。気持ちで負けないことは今年1年間ずっと言ってきた。こういうホッケーができればもっと勝てると思う。松波にもこのチームをさらに発展させてほしい。今の時点で4年生以外に3、2、1年生は試合に出ているし来年入ってくる1年生もいい選手ばかりなので戦力ダウンはならない。今年のチームをベースにさらに発展させてほしい。俺らだけじゃなくて上の先輩から引き継いだ伝統というものがあると思うので、そこに自分たちの力をプラスしてさらに大きくしてほしい。実力は心配していない。気持ちの部分が来年重要になっていく。新しい4年生がリーダーシップを取って普段の練習から俺らは強いんだという気持ちを持ってやってほしい。そしたらインカレも優勝できると思うし、全日本選手権のファイナルで戦うこともできると思う。僕自身も来年からはLIBIEでホッケーを続けるので来年の全日本選手権で明治と戦いたい」
岩井
「勝ち点1が取れて0で終わらなかったのは良かった。やり残したことは来年後輩たちがやってくれると思う。初戦が一番走れたが、2戦、3戦目になるにつれて足が重くなって走れなくなったことは反省しないといけない。負けたまま終わるのは嫌だったので勝ちに行きたかったし、最後なので楽しみたいという気持ちも大きかった。自分たちの代としては終わってホッとしている。雄飛が先頭に立って引っ張ってくれて僕自身は指示をするとかはほとんどなくて雄飛に付いていくことが多かったけど楽しいチームだった。後輩も本当に言うこと聞かないけど、試合は必死にやってくれた。いいチームだと思う。僕自身技術があるわけではない。ただがむしゃらにプレーをしていた。技術は後輩の方がある。DFも信頼しているし、中盤の彰人や隼也とか同じポジションで苦労して1年間やってきたので信頼しているし、来年も期待している。他にも川村とか期待をできる選手はたくさんいるので。怠けずに頑張ってほしい。後輩たちは技術的には僕たちの学年よりも格段に高いと思う。特に2年は主力として何人も出ていていいものはたくさんあるから。練習をサボらず松波の言うことをしっかり守ってほしい。4年間満足した生活ができた。楽しいホッケー生活だったし、学生でやるのは最後で充実していた。人生の半分はホッケーに捧げてきて本当に楽しかったし、やってきてよかった。これからも地元でこっそり続けていきたいと思う。次は雄飛たちと試合がしたい」
中道俊介(法4=飯能南)
「インカレの決勝から昨日まで3連敗でいい流れでこれていなくて、その中で今日は負けなかったということは意味があることかなと思う。トップレベルの相手に対して対等なゲームができたというのは、今後のチームにとって自信にもなると思うし、このチームとして最後に力を示すことはできたのではないかと思う。チームとしては、昨年から流れがよかったのでそれをここで途切れさせてはいけないというプレッシャーがとてもあったので、最初は本当に苦労したが、春季リーグで優勝できてそこからどんどんチームもよくなっていってインカレも準優勝できたし、1年通してチームとしては本当にいいチームだったのではないかと思う。個人としては今シーズンはケガが多くて完全に満足する1年ではないが、最後にこうして全部の試合に出られたし、自分ができることはしっかりできたかなと思うので、最後の1年として後悔はない。4年間はあっという間で、毎年どんどんレベルアップしていってそれを結果として残せたので、4年間チームとしても個人としても年々成長することができたのではないかと思う。インカレには出たかったが、みんなが頑張ってくれなかったら今こうして試合に出られていないので、みんながつないでくれて全日本にも来れたし、本当に感謝している。後輩たちはこれまでいい流れできていてプレッシャーもあると思うが、そのプレッシャーに負けずにしっかり成績を残して後悔せずに終わってほしいなと思う」
福田大輔(理工4=横田)
「名古屋フラーテルは国内四冠が懸かっている大会で、そのチームを相手に引き分けたことは価値があると思う。全日本選手権は初戦の勝てる試合を落としてしまって入り方が非常にまずかったと思う。2戦目の大量失点で負けて何のためにきたんだという状態で今日の試合に臨んだが、このチームの集大成を見せてみんなと一生懸命食らいついていけたのはよかった。今日の試合は印象に残ると思う。雄飛と副将二人がまとまってチームを引っ張ってくれて、僕たち他の4年生もそれにくっついて一丸となってやってこれたと思う。下級生も応えてる働きをしてくれたからこそ、全日本選手権ももっと上に行けたと思うのでこういう結果になってしまったのは本当に残念。来年は力があるメンバーがそろってるし、仲のいいし、チームワークもいいと思うが、逆にそこがアダになって、ただの仲良しチームになってしまうことが一番もったいない。そこをどれだけ厳しくできるかが課題だと思うし、そこをクリアできれば全国の頂点に立てるメンバーはそろっていると思う。そこを意識して頑張ってほしい」
松波
「今日は自分たちのプレーができていたかなと思う。(1年間を振り返って)2年前からトレーニングがきつくなって、今年も雄飛さんが引っ張ってきつい練習をやるようになったので、よく受け継いで全員をまとめてくれたなと思う。4年生は団結力があって、キャプテンはしっかり引っ張ってくれてよかったし、副キャプテンもサポートしつつ。今年結果が残っているのでとてもプレッシャーはある。雄飛さんほど背中で見せられないと思うが、自分の考えを持ってしっかりやっていきたいと思う。今年の代に負けないように、しっかりまとめ上げていきたい」
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