(8)LIEBE栃木対談 日本最高峰を経験した二人の紫紺の戦士 大嶋雄飛・川村敬
――LIEBE栃木の一員として初めて参加した日本リーグはいかがでしたか
川村 やってみて思ったことは本当に厳しかった。
大嶋 本当に辛かったよな。マジで辛かった。今までこんなに勝てなかったことは人生にないくらい負けまくった。
川村 本当に勝てなかった。相手が強い。
大嶋 マジで本当に辛かった。今シーズンは。
川村 レベルの差を感じたよね。
大嶋 チームとしてはね。
川村 個人としてはレベルが高いリーグの中で多くの試合ができたことは良い経験だったけど、チームとしてはまだまだ。
大嶋 個人的には通用している部分はいっぱいある。手応えはあります。明治だとみんながそれなりにできるしみんなでやるけど、栃木だと敬亮とかだったら自分の技術で打開していくところとか個々で打開しないといけない部分も出てくる。
川村 LIEBEに入ったらほとんどの人が分かると思うけど明治の学生のほうが走れる。だけど明治とLIEBEではプレースタイルや考えが違うので、日本リーグに出て個人のスキルは上がったと思うけど、それが明治で生かせるかは自分次第。生かせるものはあると思っている。
大嶋 俺が一番思ったのは気持ちの部分。明治だと大学からお金をもらって自分たちのためにホッケーをしているけど、栃木はいろんなスポンサーに支援してもらってホッケーをしている。
川村 そうだね。だから勝たないとスポンサーやサポーターの人たちに申し訳ない。
大嶋 名古屋フラーテルとかとやっていてどれだけ点差が開いても、応援してくれるサポーターの人たちに向けて気持ちの部分を見せていかないといけない。
川村 学生と違うところは支えてくれるスポンサーの人や応援してくれる地元の人が協力してくれるところだからね。
大嶋 だから自分のためではなくてみんなのためにホッケーをやっていかないといけない。
大嶋 そうだね。だけどプロの人たちはもっと激しくそうなんだろうなと思う。
川村 ホッケーで思うくらいだからプロ野球選手やJリーガーの人たちが背負うものはもっと違うんだろうなと感じた。
大嶋 それは俺も感じた。
川村 ホッケーの日本リーグに参加しただけでそういうふうに感じたからメジャーなスポーツの人たちが背負うのはもっとすごいと感じたよね。
大嶋 その気持ちの面というものでは大学とトップリーグでやっている人たちの違いを感じたよね。この差は大きい。背負っているものが全然違う。
川村 そうだね。
大嶋 だからこの前のインカレ決勝も1-4でボロボロだったけど、そこは最後までは頑張らないといけないということはこういうことを経験していたから諦めない気持ちを捨てちゃいけないというのはあった。
大嶋 勝つっていう結果が出ていないからね。
川村 結果が出なかったけど地元での試合だから応援の数はすごかった。
大嶋 連日満員のなかで試合ができたってことは幸せだと思う。
川村 小学生とかいっぱい見にきてくれたし、友達とかも含めていろんな人が会場まで足を運んでくれたのは良かったしうれしかった。ただその中で結果を残せなかった残念だし来シーズンの課題になる。結果にこだわらないと。結果が全てだから。
大嶋 応援してくれる人たちのためにも勝たないとって思うことが多くなったよね。敬亮とは小学生から知っているからずっと腐れ縁だし、応援してくれる人たちもみんな同じようにずっと応援してもらっているからここまで頑張ってきましたよっていう姿は見せられたと思う。だからこそ勝ちたかった。
川村 そうだね。頑張ってきたよとアピールができても勝ってないからね。
大嶋 そこが重要。
川村 なんだかんだサポーターは結果を求めているから。
大嶋 普通に基礎技術が高い。
川村 一人一人のレベルが違ったからね。
大嶋 フラーテルとかは特に全員がうまいからこの人を抑えればいいとかそういうのがない。
川村 誰が出てきても常に強い。
大嶋 福井クラブだったら三谷さんだよね。日本代表のエース格だから。
川村 そうだね。どんな状況でも一人で打開できちゃうから。
大嶋 ただ去年は何も分からない状態で初めてフラーテルとやったけど、今年は日本リーグでトップレベルの選手たちとプレーして自分の通用するプレーとか改善するところが経験できていることは大きいと思う。
――お互いどのような選手だと思いますか
川村 中学校から被っているからね
大嶋 むしろ小学校のアイスホッケーでも同じだったからね。敬亮は昔から器用。俺のイメージでは敬亮の代は敬亮がエース。ずっとそういうなかでやってきたと思うから、敬亮自身も自分がやらないといけないということを分かってやっていると思う。すごいプレッシャーの中でやっていると思う。俺とはプレースタイルが全然違う選手だけどこういうプレーヤーになりたい。上手だよ。敬亮は。
川村 へ~。僕は、雄飛さんはスイープが下手だと思います。スイープが世界で一番似合わない男だと思う。
大嶋 ふざけるな(笑)もっと良いこと言えよ。
川村 中学校から一緒にやってきてこのザ・FWというプレースタイルは全く変わらない。前に行く姿勢、ゴリゴリな感じはなくならないね。FW以外はできませんっていうようなプレースタイルだよね。良くいえばFWに向いてる、攻めの選手だよね
大嶋 良くはいってなくね(笑)
川村 決めるところを決めるっていう選手ではないしね(笑)でもチームを引っ張っていく選手ではあると思う。高校の時はキャプテンやってないけど。
大嶋 高校から大学に上がってきて俺をみたときはどう思ったの?
川村 高校から2年空いて大学で同じチームになったときは本当にうまくなったと思った
大嶋 本当かよ(笑)
川村 高校の時から前に行くゴリゴリタイプっていうのは変わってないけど、全体的に強くなった。負けない。
大嶋 本当に思ってるのかよ。
川村 うん。宏将(岩井・営4=岐阜総合学園)さんもそんな感じのプレーヤーだけど、きれいにやるよりも泥臭くやる。まぁ、誰が見ても雄飛さんはきれいにやるタイプではないことは分かると思うけど。泥臭く点を取る。タッチシュートに関してはうまい。それはセンスあると思う。スイープは世界で一番似合わないけど(笑)
大嶋 敬亮はあと代表に入らないと駄目。ここまで世代別にずっと選ばれていて今回ジュニア入れなかったから、全日本で結果残して山堀さん(サムライジャパン監督)に「敬亮入れれば良かった」って思わせないと。敬亮が代表に入っていないのは良くないと思うよ。その世代でずっとトップにいないといけない選手だと思うし、その実力はある。でもメンタル弱いからもっとガツガツやらないと。
大嶋 俺は縁がないと思ったね(笑)。高校の時に結構良いプレーしていたと思う時期があったけどそれでも入れなかったから。
川村 それは言えてるね
大嶋 常に縁がないよね。まぁ逆にそれはそれでもいいかなと思う。代表に選ばれなくても「あいつ知らないけどなんかうまくね」って思ってもらえるような選手でいいやと思う。
川村 高校ではあと一歩だったけどね
大嶋 監督にあまり好かれないタイプだから
川村 それはある。試合中うるさい。自分が審判できるから言いたくなる部分もあると思うけど言っちゃ駄目。これは中学校から(笑)
大嶋 でも好かれる監督には使われるけど、嫌われる監督にはとことん嫌われる。
川村 好き嫌いは一番分かれるタイプだよね。雄飛さんは。
大嶋 明治に入って宮田監督には1年からずっと出してもらっているから。そこはありがたいと思っている。逆に敬亮はソツなくこなすタイプだからみんなに好かれるタイプだよね。しかもあまり言わないし、怒らない。常に使い勝手がいい。チームにいたら助かる選手だね。
川村 褒めるね~
大嶋 どこでもできるから。
川村 どこでもできるというけど、自分的には一つのポジションを伸ばしたい。
大嶋 スペシャリストになりたいの?
川村 そう。雄飛さんはFW特化の選手じゃん。逆に俺はGK以外全部やったけど結局全てが平均でどれかが飛び抜けているわけではないから、自分が自信持てるポジションをつくりたい。
大嶋 そうだね。俺はここでというポジションがあるないは違うからね。
川村 全部平均よりも何かしら飛び抜けたものがあれば目立てる。それがないから今回代表にも選ばれなかったと思う。
川村 世界遺産がある。
大嶋 俺ら日光市だからね。本当は日光市じゃないけど日光市になったから。『世界の日光』感を出してる。
川村 松永(貴裕・営2=今市)が最初から日光市。俺ら今市市が日光に入ってきたわけだからあいつの俺らを見下してる様はすごい(笑)
大嶋 でも今市市のほうが金持ってるから(笑)栃木は東京にも近いのに自然豊かなのも魅力だよね。ホッケーやっているところはどこも田舎だから自然はあるけど。近いからいつでも帰れる。なんだかんだ地元が大好きです。
川村 水もきれいだし、空気もきれいだから。
大嶋 イチゴもおいしい。遊ぶのは宇都宮とかに行くか、部室かな。
川村 遊ぶところはない。
大嶋 若者にとっては物足りないところがあるかもしれないね。
川村 ただ、大人になったら住むのにベスト。
大嶋 遊ぶなら川に飛び込んだりする自然の遊びだね。冬は雪もある。スケート!アイスバックスがある!
川村 アイスバックスあるわ。
大嶋 俺大ファンだし。
川村 俺たちアイスホッケーもやっていたしね。
大嶋 アイスホッケーは小学校までやっていて、高校でインターハイに出ている。フィールドでもアイスでもインターハイ出ているってすごくない。
川村 でも100パーセントアイスホッケーは僕のほうがうまい(笑)
大嶋 それは間違いないね。高校時代晃介(大津スケート部(アイスホッケー部門)主将・法4=日光明峰)にはボコボコにされたな。
川村 俺は晃介さんの弟がバックスに入っていて一緒にアイスホッケーの栃木選抜でやっていた。
大嶋・川村 全然違うね。
大嶋 俺アイスホッケー選手になりたかった。
川村 アイスホッケーやっている方が楽しいわ
大嶋・川村 (笑)
大嶋 マジでかっこいいと思うもん。晃介とか見ていていいな~と思うよね。あれだけアイスホッケーできれば楽しいと思うよ。アイスホッケーの方が見ていて楽しいし。
川村 やっていてもアイスホッケーの方が絶対に面白い
大嶋 そんなこと言ったら大問題になるけどな
大嶋・川村 (笑)
大嶋 フィールドホッケーもやっていて楽しいよ。だけど、アイスホッケーは戦いだから。
川村 スピード感が違うよね。
大嶋 こんなこと言ってるとフィールドホッケー誰も見たくなくなるな
大嶋・川村 (笑)
川村 俺たちは中学に進学する時点でフィールドかアイスかを選ばないといけなくて、フィールドを選んでここまできたけど、逆にアイスホッケー選んだらどこまで行けるんだろうっていうのは考えたことはある。
大嶋 アイスホッケーも悩んだ?
川村 めっちゃ悩んだ。小6で栃木選抜に選ばれて、全国優勝したからアイスホッケーは一段落着いたと思ってフィールドを選んでここまできた。
大嶋 うまかったからね。敬亮は。晃介とか「フィールドホッケーの方が難しいんじゃない」とか言ってたことがあるけど、絶対にアイスホッケーの方が難しい。
川村 スケートができないと話にならないしね。アイスホッケーも捨てがたいよ。
大嶋 俺たち4年生にとっては明治でやる最後の試合だから爪痕を残して終わりたい。去年が1勝だったのでそれより上の成績を残して決勝トーナメントに進みたい。個人でも点を取って終わりたい。敬亮とはこれからもホッケーを一緒にやっていく機会はあると思うけど学生ホッケーの一区切りとして良い成績で終わりたい。敬亮からのいいパスを待っています。
川村 インカレ同様全部厳しい戦いになるのは間違いないから最初のALDER戦が一番大事。初戦に入るときのチームの雰囲気が良ければいいし、その中で勝たないと意味がなくなる
大嶋 良ければじゃなくて良くするんだよ。
川村 宮田監督も言っているように上に上がることが一番
大嶋 今年は何年ぶりってのが多い。全日本上に行っていることもほとんどない。
川村 決勝トーナメント行けば明大ホッケー部の歴史に名前も残る。
大嶋 歴史残したいね、また。
川村 4年生も最後だから楽しく終わってもらいたい。後輩はそれをサポートします。
大嶋 一緒にがんばろう!
◆大嶋雄飛 おおしま・ゆうひ 文4 今市高出身 第92代ホッケー部主将 明大背番号8 LIEBE栃木背番号22 日本リーグ7試合出場 ポジションはFW
◆川村敬亮 かわむら・けいすけ 政経2 今市高出身 明大背番号9 LIEBE栃木背番号24 日本リーグ7試合出場 ポジションはMF
◆LIEBE栃木 栃木県日光市を拠点にするホッケーチ-ム。高校生から社会人まで多くの選手が所属し、明大も二人の他に安達大将(理工3=鹿沼)、宮野嵩大(理工2=鹿沼)など合計6名の選手が所属している。今年度から日本リーグに参戦。成績は0勝11敗2分(最下位)。
次回は全日本選手権の展望です。
[常光純弘]
関連記事
RELATED ENTRIES