(7)ジュニア対談 世界を舞台に戦ったエースと守護神 國友督仁・谷光未有

2015.12.08
 躍進の裏にはさまざまなドラマがある。多くのドラマを見せてくれた今年の明大ホッケー部。今回は3回に渡り、明大ホッケー部の裏話、そして明大以外での選手個人個人の活躍を伝えていきます。今回は11月14日から行われたジュニアアジアカップに日本代表として出場した國友督仁(政経3=丹生)と谷光未有(法2=天理)の対談です。(この取材は11月29日に行ったものです)

――U21日本代表に選ばれた時の心境を教えてください
谷光
 自分は1次、2次選考に行ってなくて最終選考から参加する形だった。正直余裕で受かると考えていたが、周りのレベルが高くてやっていて受からないかもしれないという気持ちがあったのでメンバー発表で名前があってうれしかったのが率直な気持ちです。
國友 うれしかった。2次で落ちて日本代表は諦めていた。大学で頑張って選ばなかったことを後悔させようと思っていたので追加招集という形になってビックリした。急だったのでパスポートがギリギリでしたね。(笑)出発の前日くらいに届いた。
谷光 2次で落ちて、落ち込んでいる國友さんを見ていたので今回一緒に行けてうれしかった。うっとうしい先輩だけど楽しかったです(笑)

――初めて集まった合宿で感じたことは何ですか
國友
 小学校から知っている選手が多かったのでとけ込めたとは思う。だけど、大学と比べても天と地の差があるね。シュート1本1本にも全力で止めに行かないと入るか入らないかの瀬戸際だった。大学は少し流しても止められる。そこはレベルが違って最初は付いていけるか不安で最初は帰りたいとずっと思っていた。
谷光 結構多くの人と話せたのは良かった
國友 この人は無理とかじゃなくて全員と同じように喋れた。アドバイスとかはないけどやっていること全てがアドバイスみたいなもの。全てが参考になりましたね。吉川さん(天理大)とかレベルが違う。一つ一つのプレーの質が違うね。自分が今までどれだけレベルが低いことをやっているのか痛感しました。
――谷光はPC(ペナルティーコーナー)でのプレーが武器だが今回はどうでしたか
谷光
 監督の指示でほとんど山田さん(天理大)が打っていた。やはり悔しいですね。自分の武器が監督に今回は認められなくて、実際打ってもポストが多かった。ツイてないなってずっと思いながらもやはり悔しいですよね
――開幕戦で格上のインドとの対戦はいかがでしたか
谷光
 初戦だからか分からないが向こうのプレーが硬かったところはあると思う。日本もいいわけではないがうまくかみ合っていたと思う。自分たちはベンチスタートだったがもしかしたら勝てるかもとは思った。
國友 確かに。試合見ていていけるかなって思っていた。あのときのベンチの雰囲気は良かったです。
――その後開催国のマレーシアとも対戦しましたが
國友
 応援が地鳴りみたいで、サッカースタジアムにいるような一体感のある応援だったね。僕はブーイング食らったりしました。相手選手を少し押した時に審判に注意されたら自分の後ろにいる応援団からすごいブーイングがきた。指示も通らなくてやりずらかったです。
谷光 選手だけではなくて国全体でやっているところが日本とは全然違う。
國友 まぁうちにも谷光のお母さんという超強力なサポーターがいたけどな。
谷光 でかかったね
國友 本当にでかかったね。励まされたね。孤独感がなかった。いつまでいたっけ?
谷光 バングラディシュ戦まで見てくれた。準決勝前に顔を出して帰ったから。かなり力にはなったよね。
國友 だけど、今までリーグ戦やインカレで「アウェーで試合だ」っとか言っていたけど今回に関してはアウェーの桁が違ったね。試合中背番号の上に書いてある名前を読まれて叫ばれたりした。マレーシア戦は今までにない経験だった。
――バングラディシュ戦前のチームの状態は
谷光
 第一目標がジュニアW杯出場権獲得だったので士気は高かったと思う。ただ相手のバングラディシュはそこまで強い相手でもなかったのでダイブ余裕があった
國友 余裕持ちすぎた結果があれだけどね。完全に舐めてたよね。
谷光 確かに。自分たちのプレーができなくて苦戦したからね
國友 前半終わって1-0だっけ?後半20分くらいまでその点差だった。もっと点差は広げられたと思う。
――来年行われるジュニアW杯出場への思いは
谷光
 出たら後悔はしないと思うけど出るまでの意識とかが、今の明治の意識でやっていると出場できないと思う。やはり普段から本気で日本一を目指す意識でやらないと世界には目を向けられない。
國友 自分は大会規定でまだ出れるかどうか際どいところですが、もし出れるのであればもう一度出たいです。大会規定が良くわからないのでまだ何とも言えないです。

――今回の遠征で印象に残ったことは
谷光
 最後の韓国戦ですね。日韓戦はどのスポーツでも熱が入る試合だと思うし、3位決定戦ということでみんなの意識も高かった。ラスト2分くらいで1-2だったのですが、そこでPCを自分が打つことになって絶対に決めてやろうと思っていたんですがポストだった。その悔しさは忘れることはないと思う。めっちゃ悔しかった
國友 自分は出場がマレーシア戦だけでした。だけどあれは出れないね。
谷光 全部接戦だったからね。
國友 今まで味わったことのない屈辱だった。13年近くホッケーやっていたけど初めて試合出られないという状況だったので。韓国戦終わったあとも試合に負けたことよりも試合に出られなかったことで何も喋れなかったです。
谷光 この悔しさがなくなることはないと思う。例えば格上のフラーテルとかに自分のプレーを出して相手もカモれるとかだったら徐々に悔しさとかは和らいでくると思う。だけど今回の遠征で意識は確実に高くなったと思う。日本一を目指しているので。今回世界を経験したからこそ今は僕たちが誰よりも日本一の意識が高い。
國友 自分は大学に帰ってきてがっかりした部分があります。今まで代表で練習してきたからこそ感じることだと思うが、一人一人のやる気がインカレ前と後で変わったのかなと思う。このままだと全日本で上を目指すのは厳しいと思うのでこれからもっといい方向に向けていかないといけない。自分も全日本選手権は自分を使わなかったことを後悔させてやりたいと思っている。もっと上を目指したい。

――全日本選手権で重要なことは何だと思いますか
谷光
 相手に対して考えすぎたら駄目だと思う
國友 それは思う。
谷光 楽に考えることが重要。他の体育会の部活で本気で相手のことを考えているところもあると思うけど、それが結果に結びつかないこともあると思う。試合に対して考えすぎたら選手は硬くなるので、楽に考えることが一番重要だと思う。
國友 あと楽しむこともね。試合が楽しみじゃないとやる気も出せない。インカレの準決勝もなんだかんだ楽しかったので、みんなでホッケーを楽しんで最終的に勝てればいい。
――最後にエール交換よろしくお願いします
谷光
 國友さんのポテンシャルは並みの人より長けていることが多いと思う。それは高校時代から感じていた。今回の遠征でもいろんな表情が見れたのでこれを全日本選手権で出してほしい。賞はないと思うけどベストGK賞級の活躍を見せてくれると思うのでみんなに注目してほしい。ね! 
國友 (黙秘)
谷光 無視!?
國友 もういいかなと思って(笑)こいつは日本にとどまる男ではないので。全日本選手権でつまづくのではなくこれをステップにしてほしい。未有にとって全日本選手権は階段の一段目。それを上がっていって世界のトッププレーヤーになってほしいね
谷光 お互い頑張ろう!
――ありがとうございました。

◆國友督仁 くにともまさひと 政経3 丹生高出身 2015U21日本代表
 1試合出場 関東学生リーグ戦春秋最優秀GK ポジションはGK。 背番号1

◆谷光未有 たにみつみゆ 法2 天理高出身 2014サムライジャパンA代表 
6試合1得点 関東学生リーグ戦春秋ベストイレブン ポジションはFB 背番号10

 次回は日本リーグに参戦した大嶋雄飛主将(文4=今市)と川村敬亮(政経2=今市)のLIEBE栃木対談です。お楽しみに!

[常光純弘]