武政 予選3戦全敗で学生最後の花道飾れず/全日本選手権

2015.12.06
 武政進之介主将(政経4=埼玉栄)が学生最後の土俵を下りた。アマチュア日本一を決める全日本選手権。今年度の個人戦成績上位者だけが出場できるこの大会に、明大からは武政が出場した。予選から強豪ぞろいの対決に、勝機を見せるシーンもありながら3戦全敗で敗退が決まった。

 主将が最後の力を振るった。去年に引き続き明大からは唯一、武政主将が出場した。
 初戦には勝機を見せた。対戦相手は日大相撲部元主将の工藤(福島県)。立ち合いは相手の張りを受けたが、ひるまず前へ向かって、中に入った。ここには武政も「狙い通り」。相手の胸を頭で押さえ、攻めに入れる体勢をつくる。右手で相手のまわしをつかみ、左手で腕を抱えると、相手を自由に動かさなかった。そこから相手の動きに耐え、左手でまわしを求めチャンスをうかがっていたものの、スキを突いた上手ひねりで下された。2戦目の三輪(日体大)からは変化をくらい、3戦目で体格の大きい高校横綱・城山(金沢市立工)との力勝負にも屈し、3戦全敗で予選を敗退した。
 11月のインカレに一番の照準を絞っていた。学生最後の大会は白星なく終わったものの「こういう結果だったと受け止めるだけ。生涯現役なんで、僕はまだまだこれから」と武政。次のステージを見つめ、前を向いた。

[渡辺由理佳]

試合後のコメント
小川清彦総監督

「インカレを終えて、これが最後の大会だから、本人なりに調整してきていた。やっぱり初戦は悪くなかったと思うけど相手には差されちゃったので、体力的に最後はひねられた。もうちょっと自分から攻めたかったかなと。この大会は弱い選手はいないので、誰とやっても力以上のものを出さないと勝てない試合。本人も物足りないんじゃないかな。去年は「出れてよかった」くらいの感じだったかもしれないけど、今年は4年生で去年の経験もあるから、ベスト8以上ということでやってきた。やっぱり1回戦だったね。気も入っていたし、中に入れたから勝機はあった。なかなかこの大会で勝つのは難しい。それに負けてもあと2番、勝てない相手ではなかった。(監督から声は)『出ればいいってだけじゃだめだぞ、去年の経験もあるし、予選で残ってベスト8が目標』と伝えていた。インカレで他の4年生は引退してしまうので、その中で1人だけで稽古して相撲も取っていた。本人は相撲を続ける気でいるから、今後に生かしてもらいたい。入ってきたときは100キロ未満で、1年生からレギュラーで、大きなケガもなく、4年間頑張ったと思う。本人なりに努力して、成長したかなと思う」

武政
「(初戦は)手応えはあったけど、勝ち切れなかった。(中に入ろうとしてた)狙い通りです。そこで決め切れなかった。(2戦目の変化は)頭になかったですね、全く。(当たる3人への対策は)そんなにしていない。この大会に出る人全員が優勝候補だから。僕は自分のできること、自分の相撲をしようと思っていて。中に入って、食い下がって、しつこい相撲を取ろうとしていた。(学生最後の土俵)まだまだ僕は生涯現役なんで、これからです。僕も強い選手じゃないし、こういう結果だったと受け止めるだけ。一人一人が強いですから」