
(11)4年生対談②
差波:あっという間だったね。インカレは俺ら良い思い出ないから優勝したい。てか俺らの代は優勝しなきゃいけない年だよね。低学年の頃から試合に出ていて、こんなにプロ出ていて。最後は優勝して終わりたいし、優勝が明治に対しての恩返しなのかなと思う。俺らニートが多いからね。最後の最後で優勝したら少しは報われるかな。
――この1年間で印象な試合はありますか
差波:お前はあるだろ。流経との試合で点決めたの。
三苫:個人的にはそうだね。流経大戦での初ゴールが一番印象的だった。まあチーム自体はあれからアレだったけど。
藤本:自分は総理大臣杯の決勝ですね。
差波:俺は後期リーグ戦の専大戦で87分に決めたシュートは思い出に残っていて、あれで優勝戦線に生き残れましたし、僕の得点でチームが勝てたのがすごくうれしいことですね。
――今年の4年生はどういった人たちですか
差波:多分サッカーに対してみんな真面目で、そこに対しての取り組みは僕らの代の特徴でもある。真面目で熱いやつが多い。
三苫:普段は結構おちゃらけているやつが多いよね。サッカーに対しては真面目。だいぶ熱くなる。
差波:普段は本当にバカなことしかしていない。
――夏頃に4年生で集まったらしいですが
三苫:4年生だけで全員集まってご飯を食べに行くってことは今までなかなかなかった。
藤本:みんな嫌いなんすよ。集まってなんかするの。
差波:嫌いというか照れくさいだけ(笑)。みんなで写真撮ることになったら嫌がるもんな。
三苫:別に仲が悪いだけではない! 夏前くらいにみんなでちゃんと集まって決起集会みたいなことをしようと思って、いつも誰も幹事やらないから佳希と二人で場所決めたりした。初めてかな。4年目でやっとか。でも集まったら普通に面白くて良かった。前からやっとけば良かったと思った。まあでもあれ以降やってはないな(笑)。
差波:誰かが切り出して指示しなきゃ駄目だね。
――インカレ前にまた集まる予定はありますか
差波:多分ないですね。
三苫:みんなもう予定が入っているやつが多い。
藤本:まあでも今度バーベキューあるやん。バーベキューの後にみんなで集まれば。
差波:アリだね。
――4年間で変わった人はいますか
差波:そんな変わってないよね。みんなそのまんま年とったな。
藤本:髙橋がちょっと都会に染まったことかな。
一同:(笑)。
三苫:まあみんな4年生としての自覚はあるけど、キャラ自体が変わったやつはいないね。
――昨年の4年生に言われた印象的なことはありますか
三苫:俺らの代は結構メンバーが揃っていたから「お前らの代では絶対優勝しろよ」とは結構言われていましたね。あとはやっぱり個々が強かったから「どうやってまとまっていくか考えろよ」ともよく言われていた。
――寮生活で印象的だったことはありますか
差波:毎日が濃過ぎてわかんなむなっている。
三苫:もうプライベートがなかったから逆に仲が良くなり過ぎて恥ずかしいこととかなくて、家族以上の存在って感じですね。
差波:全部思い出です。寮生活は中学の時からしていたので別に寮に対する抵抗とかなかった。でも8人部屋には流石にどうなのかなって思った。4年間8人部屋だったけど。最初は結構手惑って上下関係なくごちゃ混ぜになるから気遣いとかは気を使ってやっていた。一般的に言ったら8人部屋とか16人部屋とか考えられないと思うので、この経験があればどこにでも生活していけると思う。
藤本:寮はすごく居心地の良い場所だった。住めば都って感じ。
――同じ部屋の後輩とは仲良くなりますか
三苫:後輩とは仲良いですよ。いじってくる後輩もいるし。距離感はだいぶ近い。でも距離感は大事にしていて、近すぎもなく、遠過ぎずもなく、うまくやっている。
藤本:俺らが1年の時に比べたらだいぶ仲良いよね。
三苫:俺らが1年の時は4年生となんてビクビクしながら生活していた。4年生が寝ている時は静かにして動いたりしなかった。
差波:テレビ見る時とかもイヤホンを付けていたよな。2年目から付けてなかったけど。
藤本:俺はずっとイヤホンだったよ。
三苫:朝練で朝起きた時、荷物をタンスから取る時はめっちゃゆっくりやってな。
差波:部屋の電気点けられないから携帯のライトとかで照らしてな。
三苫:4年生の言うことは絶対だった。今は(後輩たちは)気を使っているのかな。
藤本:16人部屋のやつらは使っていない。
差波:それを変に思わないのが僕らの代。
三苫:適当なんだよ。
差波:適当というか気にしていない。しっかりやるところはやって抜くところは抜く。バランスはうまく取れている。
――藤本選手と三苫選手は同じFWとしてレギュラー争いをしてきたわけだが
三苫:佳希は体の強さとか自分とは違う武器を持っていて、すごいなって思っていた。基本は佳希の方が一歩先を行っていたので、すごく悔しい思いもしていたけど、同じFWとして見習うところもあったし、だからこそ頑張ろうとも思った。これは竜司もそう。自分だけ置いてきぼりは嫌だなって思った。まあ結局最後までなかなか勝てないで終わったけど、佳希や竜司がいたおかげで最後までトップチームで試合に関わっていけていたと思う。
藤本:ずっと1年の時からFWでやっているし、ゴール前でのポジション取りとかゴールを決めるセンスはピカイチだから、元太がどう動くかとか紅白戦とかで見ていたりしたし、刺激になっていた。
――(三苫選手へ)前期リーグ戦流経大戦での同点ゴールはいかがでしたか
三苫:そうですね。うれしかったし、東京中日スポーツさんにも第3のFW三苫みたいなことも書かれていたし、珍しくあの二人よりも目立った時だったと思う。
――差波選手にとってパスの出し手として藤本選手と三苫選手をどう見ていましたか
差波:動き出しに関して竜司、佳希、元太は関東でも相当レベルの高い位置にいると思いますし、あとは僕がそれに対して合わせるだけ。『このタイミングで走ってほしい』とかは練習中や試合中に伝えるけど、ある程度みんなの動き出しに合わせるのが僕の仕事。良い動き出しをしている分通さないといけない思いはずっと持ってやっていた。動き出しについて結構話したし、ある程度僕らの中で阿吽の形というか俺が持っている時に走っているんだろうなって思って顔を上げると案の定走っている時もあるので、僕のことを理解してくれているんだなって思う。
――お二人は差波選手の気持ちを感じ取られて動かれていましたか
藤本、三苫:そうですね。
三苫:良いパスを出してくれるので、動きやすい。こっちも動き出したらボール出てくるなって分かるし最高のプレイヤー・
一同:(笑)。
差波:あの数秒の受け手と出し手だけの空間いいよね。
藤本:その時呼ばないよね。
差波:そう! 目を合わせて『いくぞ』って感じ。点が入らなくても通った時は気持ちいいよね。
――神川総監督のグルージャ盛岡の監督就任はいつ頃知りましたか
差波:最近だよね。ゲキサカで知ったんだ。
三苫:噂みたいのはちょくちょくあった。でもちゃんとグルージャって知ったのはメディアに出てから。本当はメディアが発表する前に、僕らに伝えてくれる予定だった。でも専修戦と被ったか色々手違いがあって記事で知る形になった。その翌日くらいの練習前に正式に説明してもらった。
差波:『えっ』って感じだった。
――神川総監督がいなくなることで明大は変わると思うが
三苫:今思えばすごく良い人。ただ熱い人だと最初思っていたけど、それだけじゃなくちゃんとサッカーを見てくれた。ずっと明治を関東1部に残して戦ってきた人。神川さんがいたからちゃんと締まっていた。でも栗田さんや三浦さんと一緒に選手も成長しないと今後の明治がどうなっていくかわからない。
差波:一時代が終わる。
藤本:まあ去年今年と栗田さんがやってきて、徐々に栗田さんがやりたいことをやっていると思うので、だんだんとそこは変わってきていると思う。だからいきなりいなくなってあれってことにはならないと思う。いなくなることはすごく残念ですけど、これからの明治は大丈夫だと思う。
――神川総監督だから得られたことはありますか
差波:明治のコンセプトでもある三原則は神川さんと出会えたからこそ得られたものだと思う。三原則は明治の代名詞というか明治といえばってところはあるので、神川さんから一番教わったところだと思う。
三苫:サッカーのこともそうですけど一つ一つの練習にこだわるとかメンタル面やチームの雰囲気や空気を気にされる方だった。そう言った部分では毎回の練習は活気あるものになっていましたし、試合の時も駄目だったらすぐ交代っていうのもあったので、みんな気を張って集中していた。だから練習の空気や気持ちの作り方とかは教わった。
藤本:神川さんは思ったことをすぐに言ってくれるので自分のできていない運動量や守備のところをすごく1年の頃に言われた。そうやって正直に言ってもらうことで自分と向き合ってやることができた。
――熱さ故の厳しさもあったのではないでしょうか
三苫:結構限度を超えることはあったよね。
藤本:俺とか2年の前期、桐蔭横浜大との練習試合の時に俺と元太が1点ずつ決めて2―1で勝ったんだけど、ボロクソ怒られて泣いた。スペインから帰ってきた後だからコンディションが良くないって言われて、確かにコンディションはそんな良くなかったけどそんな怒られるかって思った。でも神川さんから見てそうなんだからそうだったんだと思う。そこから俺はIリーグに落とされ、Iリーグで頑張りなんとかここまで来ました。
三苫:毎回の練習で神川さんの雰囲気で怒っているかとかわかっていたので、神川さんのいる練習は相当ピリピリしていた。
差波:佇まいからね。
差波:試合中は10秒に1回は怒っていないか見ていた。目だけ動かして。
三苫:1年の時はよくあったね。
藤本:感情の出し方が半端じゃない。
――インカレに向けての意気込みをお願いします
藤本:優勝します。応援お願いします。
差波:神川さんも今年いなくなるってことで、僕らを含め色んな人がお世話になって成長できたと思うし、同じタイミングで明治を出て行くのも何かの縁だと思うのでしっかりと優勝して神川さんに対しての感謝の気持ちを込めたい。それだから優勝するってわけではないけど重要な要素の一つでただみんな言っていないだけで思っていると思う。優勝して送り出して僕らも笑って終われればいいかな。
三苫:ちゃんと優勝したことはなかったので最後に優勝したらそれでよしと思うし、神川さんのためにも4年生みんなで優勝できれば。自分自身の役割はわかっているのでしっかりと点を決めて終わりたい。できることを全てやりたい。
――ありがとうございました。
次回は越川芳明部長のインタビューです。更新は明日12月6日です。お楽しみに!
[渡邊弘基]
◆差波優人 さしなみ・ゆうと 商4 青森山田高出身 168cm・62kg
◆藤本佳希 ふじもと・よしき 文4 済美高出身 178cm・74kg
◆三苫元太 みとま・げんた 政経4 アビスパ福岡U18出身 176cm・68kg
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