東亜大、日体大を撃破!3年連続となる準決勝進出決める/全日本大学選手権

2015.12.05
東亜大、日体大を撃破!3年連続となる準決勝進出決める/全日本大学選手権
 インカレ四強入りだ! 東亜大とのフルセットの熱戦を制すと、続く日体大戦でははじめコートに立つ7人全員が奮闘。秋リーグストレート負けの雪辱をストレート勝ちで果たした。準決勝への切符を手に入れ、掲げるインカレ優勝に大きく前進した。

[東亜大戦]
 ベスト8を懸け真価を発揮した。スターティングメンバーは瀧野頼太主将(政経4=創造学園)、與崎風人(政経4=鹿児島商)、小野寺徹(営4=東洋)、原潤一(文4=習志野)、濱中俊生(商3=弥生)、加藤寛樹(政経2=創造学園)、辰巳遼(文2=清風)。東亜大の強気なサーブにキャッチが安定せず、コンビバレーを組み立てられず16―25で第1セットを落とす。それでも「ゲーム中に修正できた」(小野寺)。セッターを政井拓歩(営3=市立尼崎)に代えたところから原のAクイックをはじめ、センター陣からの打数も増え徐々に調子を上げて25―22で2セット目を奪う。セットカウント1―2で迎えた第4セット。濱中のライン際を狙ったスパイク、與崎のフェイントでリードを作ると、好調だった東亜大アタックも徐々に崩れ始め5―2で東亜大が最初のタイムアウトを使用。しかし依然明大のペースでゲームを展開。與崎のスーパーサーブなどで一気に9連続得点と東亜大の追従を許さず25―11でこのセットを収めた。最終セットでは拮抗(きっこう)する中加藤が2本を決めきり16―14で試合に終止符を打った。フルセットの戦いを制し、準々決勝の日体大戦に駒を進めた。

[日体大戦]
 強さを証明した。続く準々決勝は同じ関東学生1部リーグ戦で戦う日体大との対戦。昨年のインカレでは準決勝で敗れ、秋季リーグ戦でもストレート負けで完敗を喫していた、明大にとって因縁の深い相手だった。同じ関東1部同士の戦いに、緊迫した雰囲気で幕を開けた第1セット。8─9の場面、今大会毎試合で欠かせない活躍を見せている原が、相手攻撃の軸・高梨(日体大)を完璧に捕える連続ブロックで流れを引き寄せる。するとそれに反応したのが濱中。今大会濱中は予選からスタメン起用をされるも、サーブレシーブで乱され爆発力のあるスパイクも影を潜めると、途中交代が目立っていた。決勝トーナメント戦一つ目のヤマ場だった学芸大戦でも未出場。調子を上げ切れずにいた。しかしながら我慢強く起用をしてくれるチームに対し「期待に応えたかった」(濱中)と爆発。12─11の場面からは、濱中の2本のブロックなどで5連続得点と突き放した。終盤、伊澤(日体大)の強烈なサーブで点差を縮められるが、濱中は2段トスからのスパイクやレフトバックアタックもしっかり決め25─23。続く第2セットでも完全に勢いそのままに25─19でベスト4に王手をかけた。
 
 鬼門を突破した。秋季リーグ戦、勝てる試合での無駄な失セットや、それによるフルセット戦が課題の一つだったチーム。セットカウント2─0で迎えた第3セットはゲームの入りからその悪い部分が現れる。相手のAクイック速攻で1得点目を奪われると、ノータッチ・サービスエースなどテンポの良い攻撃で6─2とスコアを離された。しかし今大会試合ごとに着実に成長を遂げているチーム。明大バレーの真骨頂「粘り」を発揮し、違いを見せつけた。相手攻撃に対し、センター線がブロックやワンタッチを取ると、瀧野頼太主将(政経4=創造学園)を中心に絶妙なブロックフォローを連発。「日体大もブロックとレシーブを特化したチーム。明治もそこを売りにしてきて、負けたくなかった」(瀧野)と、全員バレーでボールをつなぐと、つくった好機を確実に仕留めていった。9─9の同点に追い付いた場面では、濱中がレフトからのバックアタックでブレーク。ボールをコートに落とさないしつこい粘りと、気迫のこもった怒涛の連続攻撃で点差を徐々に広げ最後は25─19。秋と一味違った展開に持ち込み、ストレートの劇的勝利を飾った。

 「試合を通して結束力が高まっている」(瀧野)。準々決勝に勝利し、見事3年連続となるセンターコートでの試合を勝ち取った明大。日本一を目指し、チームは確実に完成形に近づいてきている。今試合の濱中の復活で、駒も全てそろった。まずは準決勝、日本代表選手も有する強豪・筑波大との対戦となるが、変わらず泥臭さで勝負をかける。3度目の正直を目指し、近年越えられていない準決勝の大きな壁へ。全員が頂へと向かっていく。

[荒井希和子・川合茉実]

試合後のコメント
岡崎吉輝監督

「春8位、東日本トーナメント初戦敗退、秋も7位。正直少し難しいのかなと思うところもあった。だけど練習試合では強豪校といい試合ができていて目的意識を持って、意思を共有してこれていた。その結果、また今年もベスト4に残れたということは非常に嬉しく思う。4年生が最後ということでこういう結果になっているということは間違いのないこと。あとは今まで積み上げてきたことを成果として出すだけ。彼らがちゃんと発揮できれば、間違いなく決勝にいきますし、金メダルが届く位置にもいる。私は自分が声を出すことでチームの1点が生まれればいい。最後は笑って引退してもらいたい 」

瀧野
「(東亜大戦)自分たちのリズムがつくれていなくて、相手よりは自分たちがサーブカットからコンビの組み立てができなかった。1セット取られた後で全員が原因を理解できていたのでそこは2セット目から修正できた。コンビが組み立てられないことで雰囲気も悪くなってしまったし、リズムに乗れなかった。負けパターンになってしまっていた。こういうバレーをすれば流れが悪くなるというのは練習試合などを通して分かっていたので、その次のセットをどうするかがカギだった。(5セット目)4セット目取ったのが大きくて、5セット目も出だしから飛ばせた。いい展開にできた。(日体大戦)去年の準決勝で負けて、悔しい思いをしたので去年の分の借りを返そうと思っていた。みんな絶対勝ちたいという気持ちを持っていた。(粘り)日体もブロックとレシーブに特化したチーム。明治もそこを売りにしてきて、負けたくない気持ちがあった。そういう部分で粘りも増えた。(政井の活躍)政井もそうだし、昨日も頼金に助けられた。去年にはなかった層の厚さが今年は発揮できている。(スパイカー陣)日体大戦は余裕を持ってやれていたので、幅の広いプレーが出てきた。4年生が中心になって、去年以上の成績を出したいという気持ちが強い。4年生が引っ張ってやっていくのが当たり前。(最後の3セット目)向こうも最後だったので思い切ってやってくるのは分かっていた。点差離されたが、自分たちには余裕があったので、リードされても向かっていけた。(これでベスト4)ここ2年準決勝の壁を越えられていないので、ここまで来られるチームにしてきてくれた先輩たちの歴史を塗り替えたいと思うし、超えることで先輩たちに恩返しできると思う。あと2戦しっかり勝って目標とする日本一になりたい。試合を通して結束力が高まっている。出てるメンバー7人だけではなくて上で応援しているメンバーもベンチのメンバーも全員が一つになっているのかなと学芸戦から感じている。もっと結束してやっていきたい」

小野寺
「(東亜大戦)ところどころサーブキャッチ返らないことによってコンビが組み立てられなかったり、センターの攻撃が少なかったりした。向こうの思うツボにはめられそうにはなったが、ゲーム中に修正できたり、気持ちの面でチーム1つになって一人一人が動けたから勝ちきれた。秋リーグからメンバーを固定しないで色々な選手が出ていたことで、途中から出た選手が活躍してチームとして戦えた。前半あんまりブロックが機能していなくてクイックにやられたり、サイドもコースが広かったりして苦戦した。自分たちがスロースターターであることはわかっているので、後半から流れというか自分たちの雰囲気も上がってきていて、モチベーションが高い中での2試合目だった。なので入りは良かった。日体はいい思い出がない。秋リーグも日体のバレーの型にはめられて何にも出来なかった。勢いのある大学に明治は弱い。体育大学だから勢いにやられた面もあった。今回は1試合目から2試合、いい流れでこれでこっちにも勢いがあったし、一人一人しっかり喜んでいた。確かに今日はそんなに負ける気がしなかった。ところどころこわいところもあったが、しっかり切れた。1試合目でブロックも飛べなかったしクイックもそんなにだったが、この全カレでようやく、ようやくスパイクとブロックが出た。明日からのセンターコートでモチベーションも上がった」


「1試合目は相手も結構強くて乗ってきていたので、フルセットで勝ちきれてよかった。日体を3セットで終わらせられたのは、昨日の無駄なセットがあった反省が生きていたと思う。東亜がジャンプサーブも強くて、フロートもしっかり打ってきたので崩されたのが落とした原因だった。だからキャッチが返ってしっかり切れるようになってからはそこまで問題はなかった。個人的にだが2試合は試合には入る前からかなりテンションが上がっていた。それもあっていいプレーができたのかなと思う。ゾーン的なのに入っていて負ける気がしなかった。明日もこの勢いのまま、勢いに任せて、勢いを生かして、明日の1点目からみんなで盛り上がって勝ちに行きたい」

與崎
「(東亜大戦)向こうも最後なので、あれくらいが普通の試合。それを取り切れたというのはよかった。粘れたところ。相手以上に粘って得点のチャンスをものにできたのが勝ちを呼び込んだ。(相手サーブ)キャッチが崩れるとこっちの攻撃パターンがなくなっちゃうので、ジャンプサーブもフローターサーブにも対応できるキャッチの全体的な安定が必要になる。精度を高めないと日本一には遠くなってしまう。根本的にセッターや選手を変えて流れを変えられた。チーム的には1セット目の雰囲気も悪くなかったですけど、セッターのリズムの面とかが相手チームともうまくマッチしていなかったけど、政井とチェンジしてうまく回ったのでよかった。(サーブ好調)序盤中盤でそんなに流れがよくなかったけど、あそこで一歩出られたと思う。秋リーグだったら粘り切れず1点取り切れず負けてた試合だったけど、秋以降ブロックとレシーブの関係をずっと練習してきて、それの成果が出てた。難しく考えることもなく、安心することはなかったけど焦ることはなくできた。(日体大への苦手意識)個人的にはそんなにない。(秋の敗戦時との違い)レシーブがしっかり上がるようになったのと、欲しいところでしっかりと決められたこと。日体の時はブロックも絞れていたので、そういう面でも楽だった。(センターコート)去年もここで負けて3位決定戦に回っている。相手がどこであれ自分たちのバレーをすることが大事だと思うし、勝ち切れたら後輩たちにいい土産になると思う。気負わずにやり切れたらいい。攻める気持ちを持ちながらもミスは少なく、チャンスがあれば得点につなげられるような、大胆なプレーなども入れながら、堅実にできたらいい」

濱中
「やっと調子が上がってきた。昨日まであんな最悪なプレーしていて、昨日の学芸は出てないじゃないですか、それでも今日のスタメンで使ってもらえたので、それはやっぱり期待してくれているということだし、その期待に応えたい気持ちもあった。今までは雰囲気も上がりづらかったり思い切りの欠けたプレーになってしまっていた。今日は相手も強かったし、競ってたので引きしまった空気ができていてやりやすかった。(東亜大戦)サーブカットが、ジャンプサーブで崩されたのでそこから苦しい展開になってしまった。終盤相手もサーブミスが出ていて楽な展開になった。ブロックもどんどん相手に対応できていったのがよかったと思う。最後は勢いをつけていかないと15点はすぐに終わってしまう。出だし気をつけたつもりだったけれど、向こうに流れ持っていかれて危なかった。相手のミスで勝てたようなもの。(日体大戦)秋の敗戦があったので、余裕な気持ちがみんなの中になかった。今まで日体大には勝てるだろうみたいな気持ちがあって、それで秋リーグであの結果になってしまった。それがあったから今回受け身にならず攻めていこうという気持ちになりやすかったんだと思う。(ストレート勝ち)ブロックが当たっていたのでそれがすごくよかった。ブレイクを取れたのがよかった。僕は必至でサーブカット返してレシーブして、つなぎを頑張る。小さいのでフェイントとかプッシュとか試行錯誤して全部取っていきたい。(センターコート)入学してから全部センターコートに行っているけど、準決勝で勝てた経験は1度もない。勝って初の決勝、三度目の正直ということで決勝行きたいと思います」

政井
「東亜大との試合は始め、明治らしいバレーというのがなかった。後半は良くなった。緊張もあったが、競り勝つことができて良かったと思う。日体大は秋も負けていたのもあったので、気合が入った。みんならしさが出たんじゃないかと思っている。昨日の学芸大戦が自信になっていた。ああいう試合ができたんだから、と。(競る展開に)内心ハラハラはしたけど、負けるとは思っていなかった。フルセットの場面でも、デュースにさえ持っていければと思っていた。(日体大)明治の拾うバレーがよく出ていた。秋ではストレートで負けたけど、春は逆に勝ち切っていたので、個人的には悪いイメージはなかった。一人一人が勝ちにこだわっていたのかなと思う。最後につめたラリー練習は、練習のA・Bチーム戦でもなかなかボールを落とすことがなかった。ブロック、レシーブの確認練習をやっていたが、それが良かったと思う。(3セット目の入り悪かったが)タイムアウトで声をかけてもらって切り替えられた。キャプテンの瀧野さんの「気を引き締めろ」だとか、学生コーチの岩田さんや監督から声をかけてもらっての心強かった。(明日準決勝)今まで準決勝で何もできていないので、やっと新たなスタートラインと考えている。勝ちにこだわっていく。今年こそ決勝で中大と。早稲田かもしれないけど、なんとしても決勝の舞台に立ちたい」

加藤
「とりあえず昨年と同じ位置まで来ることができて、うれしい。(東亜大戦)やりながら僕自身も気持ちの波が生まれてしまった。いけるぞと思ったり、だめだと思ったり。その時もまた周りが声をかけてくれていつものプレーいつものプレーを考えずにできた。岩田さんだとか、原さんが落ち着けと、ゆっくりやれといってくれて。普通のことだけど、冷静になれた。5セット目につながったかなと。最後の得点を取れてうれしい。思い切ってやって取った1点だったので自身になった。レフトにいるので2段トスでもトスが上がってくることは意識していた。練習通り決めれた。(最後は大きなガッツポーズで倒れたが)思い切ってやるということができたので、うれしかった。(日体大戦)個人的には春勝っていたので。自分のことをやれば勝てると思っていた。日体大よりもベスト4がかかっていることの方が力が入った。サーブレシーブは特に。何かしらの形でポイントを許してしまった。冷静にとみんなに働きかけている分、自分にも言い聞かせていた。明治にムードがあったので、ボールがどんどん上がっていた。楽にできたからだと思う。日体大の方が焦っていた。秋、ブロックレシーブが課題でそれに向けて練習してきたのが良かった。練習試合をしても、全体を意識してやることをしきりにキャプテンに言われていた。辛いのは向こうだったから、冷静に冷静にいることで、相手がミスしてくれた。(明日)意識しすぎずに、明日も思い切ってやっていきたい」