
決勝トーナメント初日を2連勝で突破!/全日本大学選手権
[長崎国際大]
明大バレーを取り戻した。インカレ1日目、2日目が終了し、負けなし首位で予選を突破するも満足のいく内容ではなかったチーム。本来の完全な勢いは見られないまま、開幕から不安を抱えていた。第1セットも、その弱さが出てしまう。「体が硬くなっていた」(瀧野頼太主将・政経4=創造学園)。負けられない今大会初の決勝トーナメント戦、東日本インカレの敗戦が思い出されると、重々しい空気がチーム全体に流れていた。点差を開けることはなかったが、受身に入った明大に対し、全力で向かってくる長崎国際大に苦戦。スパイカー陣が相手センターに対し思うようなスパイクが打てなくなると、相手の攻撃に対してもミスが生まれる。ブロックフォローなどに精彩を欠き23ー25。予想外の窮地に立たされた。
チームを救った2人の救世主がいた。続く第2セット。第1セットから途中交代でオポジットに入った頼金大夢(法2=東福岡)と、第2セット8ー7から投入されたセッター・政井拓歩(営3=市立尼崎)がコートの雰囲気を大きく変える活躍を見せる。頼金は、それまで崩れていたサーブレシーブで持ち味の守備力を発揮すると、さらには「楽になった」(加藤寛樹・政経3=創造学園)と、陣形が崩れた時の「つなぎ」の一打で立て直しに貢献。また政井は「盛り上がったら決めてくれると思っていた」。第1セット、コート外から雰囲気の悪さを受けていた政井。コートに入った瞬間から一人一人に積極的に声を掛けていった。得点を挙げたときには大きくガッツポーズを見せるなど、丁寧なトスで攻撃面を立て直すとともに、チームから硬さを取り除いていった。すると投入後の9―8からは怒涛(どとう)の6連続得点で15―8。悪い雰囲気を一蹴し試合はそのまま25―13。第3セットも25ー15で10点以上差をつけ連取。途中投入の2人の活躍で、息を吹き返したチームは2回戦を突破した。

学芸大戦では原のブロックとスパイクが光った
[学芸大戦]
終始接戦を繰り広げた。秋季リーグ最終戦、3―1で下した学芸大と全カレで再び対戦。「ここが一つのヤマ場」(瀧野)と緊張を切らすことなく勝ち切った。第1セット、序盤から点を取っては取られの攻防戦が続いた。15―17、学芸大の流れを断ち切るためにタイムアウトを取った後、センターから原潤一(文4=習志野)のスパイクで相手のリズムを崩す。ライトからエーススパイカー與崎風人(商4=鹿児島商)のワンタッチを狙った力強いスパイクで点を得て、さらに相手のミスで2得点を追加。その後はリードを許すことなく、最後はクイック攻撃に出た相手スパイカーを原が1枚ブロックで抑え込んで25―22で第1セットを終えた。
第2セット、中盤でコンビが合わず崩れかけた明大だったがタイムアウト後、與崎の相手ブロックを越えて放たれたスパイクで体制を整える。18―18の同点、サーブミスで相手に1点献上し、さらにコート真ん中に空いた穴をスパイクで狙われレシーブミスでもう1点。しかし、スパイカー陣の猛攻により点差を離すことなく食らいつく。23―23の終盤で、再び原が相手スパイカーを確実に射止めたブロックで封じ込んだ。その後、相手の凡ミスで25―23と勝利を挙げた。「明治の自分たちのバレーができたのが良かった」(小野寺徹・営4=東洋)と見事第一関門を突破した。
厳しい戦いが続く。トーナメント2、3戦目を制した明大だが、明日以降は名だたる強豪校との対戦が待ち受ける。また、これまで3セットマッチだったが、4試合目からは5セットマッチとなるため体力勝負も勝利のカギとなってくる。しかし一番は「とにかく思い切りやるだけ」(瀧野)と今年のチーム最後の大会となる全カレで集大成のバレーを見せたい。
[川合茉実、長谷川千華]
試合後のコメント
瀧野
「(1試合目)硬さがあったし、相手の勢いに飲まれていた。自分たちがなかなかリズムをつくれなかった。1セット目気付いたら25点取られていた。自分たちの戦い方の下手さがでてしまっていた。(2セット目セッター代えた場面)機能からコンビがあっていなかったので、セッターを代えて、どうかというところと、学芸大戦でどっちを使おうか見極めたかった。思い切って交代して、リズムがつくれたので良かった。焦りはあったが、1セット目は自分たちのミスか、決めるところで決められていなかったということなので、そこだけ修正して出だしだけやっていけば勝てると強気にスタートしていった。3セット目は取れたが、完全に自分たちの雰囲気ではなかった。悪い部分が出た展開だったので一人一人がこのままじゃだめだと思って、学芸大戦に臨めた。(学芸大戦)常に集中して25点までいけた。(交代の2人をそのまま起用)いい流れできていたので、そのままいきたかった。(関東のチームとの対戦)ここが一つのヤマ場と話していたので、そこを理解してみんながギアチェンジできた。でも目指しているのはここではないので、ほっとはしてるが明日勝たないと今日勝った意味はない。今日はすかっとできたので、いい形で終われた。明日も気持ちで序盤から攻めていきたい。もっと大会通してチーム力を上げて、一戦一戦で強くなりたい。とにかく思い切りやるだけ」
小野寺
「1試合目から2試合目、後半にかけてチームの雰囲気も上がっていった。少しずつ自分たちのやるべきことができるようになっていっている。個人的にはもう少しブロックができればいいかな。1試合目はちょっとひやっとしたけど、出だしが悪い部分がでたのかな。明日から5セットマッチになるのでしっかりアップしてプレーできるようにしたい。相手が関東1部のチームということで、自分たちのモチベーションも高かった。簡単に勝てる相手ではなかったし、実際のスコアでも表れている。でも徐々にチームが1つになっていけばいい。うちはみんなでコンビ組んでバレー、どこかに頼るわけでもなく、スパイクを決めてレシーブもつないで、明治の自分たちのバレーができたのが良かった。今日はトスも上げてくれるタイミングが良かった。明日はもう少し本数を挙げられるように。今日は3セットマッチで、落ち込むことなくチーム全体が声掛けできたのが良かった。(政井とのコンビ)今まで辰巳(遼・文2=清風)のトスで合わなくて最近ようやく合ってきて政井に代わって、戸惑うところもあるかなと思ったけど普通に合ってたので良かった。個人としてはブロッカーとして機能して、クイックも呼んでセンター中心のコンビバレーをやる。明日から5セットマッチで1試合目なのでしっかりアップして気持ちの準備をする。明日から厳しい戦いが続くけど、1試合1試合大切に序盤から走り続けるようにがんばります」
原
「1試合目はまだ自分たちのバレーができてなかったから、1セットを取られてしまった。無駄な1セットだったかなと。体育館慣れてなかったのか、緊張してるのかわからないけど、全然いい動きがなかった。(振り返ってみれば)2試合目でいい動きができたので良かったのかな。(途中交代)政井も代わって入ったし、大夢(頼金大夢・法2=東福岡)も代わって入って、その2人が良い活躍してくれたのがいい流れで来れたかなと。雰囲気も2人が入って変わりましたし、政井が丁寧にトスを上げてくれていた。その面でスパイカーも打ちやすかったと思う。2試合目もその流れでつなげられた。特にはチームで意識したこととかはなかった。2試合目の雰囲気をつなげていこうという思いがみんなにあった。柳澤(学芸大)たくさん打ってくるので、そこをどうワンタッチをかけていくか、切り返していくかというのが一番難しいところだった。最後は幸運にも柳澤が足つってキツイ状態でやっていたので、運もひとつあったのかなと思います。自分のブロックで逆転できたというのは良かったんですけど、その前の2セット目の連続失点。スパイクミスとか自分が決めきれなかったという部分が、2セット目苦しんだ展開になった原因なので。明日の試合ではしっかり決め切りたい。そこの部分以外は結構良かったかなと思います。(要因は)チーム全体として勝ちにいくというのができていたので、その雰囲気に乗れた。その雰囲気に乗って、テンションも上がって、いい動きにつながったのかなと思う。昨日一昨日というのが本当に雰囲気も悪くて。動きも固かった。今日はしっかりやれて良かった。勝利に向かっていく雰囲気も出てきたし、このまま勢いにのって勝っていきたい。明日もこの雰囲気を継続して、2試合しっかり勝っていく。まずはベスト4を目指して頑張ります」
與崎
「1試合目は自分たちのバレーできてなかったけど、2試合目に関してはまずまず良かったと思う。これからどんどん相手も強くなっていくので、今日みたいな雰囲気づくりできるように明日もしっかりやる。もう一度コンビをしっかり合わせて明日につなげたい。今日はミスも出ていたので、ミスを減らして厳しい場面で得点できるようにしたい。(政井とのコンビ)あいつもネット際頑張ってくれてたので、いい形でチームも回っていた。政井自身も成長した感じが良かった。しっかり2勝してベスト4入るように、目標は日本一なので」
加藤
「1試合目は緊張もあって足が動いていなかった。焦った部分もあった。みんなすごく構えてしまって、いっぱいいっぱいになってしまった。1セット落として、逆に冷静になれた。大夢(頼金)がレシーブだったり、つなぎだったりきれいにやってくれて。楽になった。2試合目の流れが生まれたと思う。2試合目は僕自身ががちがちに緊張してしまった。みんなは柔らかく試合中も助けてもらった。高校の先輩(柳澤・学芸大)がいたので意識して固くなってしまった。2セット目は冷静に。ゲームメークは先輩たちがやってくれるから、自分は思い切って楽にやろうと思った。(原選手の動き)やっぱり頼れる先輩だなと。先輩がゲームメークしてくれて、自分は本当に楽にできた。考えすぎず、自分らしく。思い切ってやっていきたい」
政井
「(1セット目コートの外から)声が出せていない状態だった。消極的になっていた。(途中出場)準備はできていた。リズムの前に楽しくやりたかったので、声だけ出していった。(代わった場面から勢いついた)盛り上がったら決めてくれると思っていたので、声出そうという気持ちしかなかった。2、3セットは明治らしいバレーができていた。(学芸大戦)危ない場面はあったが、明治らしいバレーがよくできていた。(関東との対戦)リーグ戦でも対戦しているし、乗ったら怖いことは分かっていた。(大会通して)まだまだ。残りの1試合ごとに明治のバレーをしていけば最終日までいける。今日は4年生に引っ張られたので、僕たちはそれに全力でついていくだけ」
関連記事
RELATED ENTRIES