60年ぶり日本一へ/全日本インカレ事前取材・展望

2015.11.30
60年ぶり日本一へ/全日本インカレ事前取材・展望
 全日本大学選手権(12・1~6 大田区総合体育館他)を目前に控え、28日に専大と練習試合を行った。今回は、その練習試合の様子とともに明日から開幕するインカレの展望をお届けする。60年ぶりの栄冠へ、チーム一丸となって戦う。

練習試合
 専大との練習試合は5セット(最終セットのみ15点マッチ)行われ、明大は1セットも取ることができず、インカレに向けて不安を残した。それでも「高いブロックに対するスパイクの決め方」(瀧野頼太主将・政経4=創造学園)で手応えを得た。中でもインカレでもスタメンが期待される加藤寛樹(政経2=創造学園)のスパイクが効果的だった。課題はラリーで点を取り切れない点。粘りが身上の明大にとって苦しいラリーをつないで一点を取り切らなければ勝利には結びつかない。秋季リーグ戦後半に見せた、苦しい流れでも粘って自分たちの流れを呼び込むバレーを取り戻したい。
 それでも多くの練習試合を通して「雰囲気が良くなった」(原潤一・文4=習志野)。インカレが近付き、一人一人のモチベーションも向上。瀧野も「全員が一つの方向を向けている」と雰囲気の良さを実感している。チームが一つになり、最後の大舞台に臨む。

展望
 優勝の筆頭候補は連覇を目指す中大。そこに秋季リーグ戦で中大を破った東海大、東日本インカレの覇者・早大が立ち向かう構図となる。明大は予選リーグからの出場となるが、順当に1位抜けすればトーナメントはその3校とは逆の山に入る。トーナメントに進むと学芸大、東亜大、順大らとの対戦が予想される。
 おととし4位、昨年は51年ぶりのメダル獲得となる3位と順位を上げ続けている明大。悲願の決勝進出を目指したいところだが、トーナメントで油断は禁物。6月の東日本選手権では決勝トーナメント2回戦で亜大にまさかの敗戦を喫している。「初戦から内容にこだわっていく」(瀧野)の言葉通り、初日から集中力を切らさずに進むことがカギとなる。

[石渡遼]

明大予想スタメン<br />“align=right><br clear=明大予想スタメン 

★明大の試合予定★
12月1日(エスフォルタアリーナ八王子) 予選リーグ
2日(エスフォルタアリーナ八王子)    予選リーグ
3日以降 決勝トーナメント

選手のコメント
瀧野

「(専大の練習試合)雰囲気も悪くないし、足も動いていた。日ごろ高いブロックに対してどうコンビを組んだらいいか、スパイクを打ったらいいかを経験できた。一回も勝てなかったが、高いブロックに対するコンビとスパイクの決め方は全カレにつながるものがあった。(具体的に)レフトがクロスに思い切り打ったりすることが多い。もっとストレートでブロックアウトを取ったり、リバウンドをもらってもう一回展開したりとか工夫が必要。そういうことを学ばせてもらった。(練習試合で得た手応え)スパイクの決め方以外ではブロックも何本か決まっていたし、サーブも崩せていたし、レシーブも上がっていた。専修に対して通用していたので、どこのチームにも通用するのかなと。サーブカットも安定していたと思うので、速いジャンプサーブに対してもAカットを上げられていた。(セット間)一番は向こうのチームとの違いとして、ラリーが続く中でこっちの点数にならないことが挙げられた。拾ってもトスを持っていけてない点で流れがつくれていないとか、粘り強くやっていこうと話し合っていた。(実戦経験積むこと)ずっと同じ体育館でやっていると同じ感覚なので、環境の慣れという意味でも練習になるし、いかに1部のチームとやって今のチームから成長できるか。後は平日にやってみたコンビが通用するかを試す場でもある。(秋季リーグ終わってから)全カレで日本一になりたいと思う選手が増えて、だいぶ活気がついてきた。雰囲気もそういう意味で上がってきている。まだメンバーは固定できていないが、早く固定させていきたい。(声掛け)もちろんする。まず全員で雰囲気をつくろうと最初の集合で伝える。逆に誰かがやっているから自分もやらなきゃという気持ちになっているのもある。全員が一つの方向を向いていると実感する。(インカレの展望)トーナメントなので勢いのあるチームが勝ち上がる。中央抜いて、それ以外のチームに差はあまりない。そこで勢いと雰囲気を上げていくかが大事になるので、予選リーグから全力で内容にこだわりたい。(東日本の苦い思い出)3セットマッチで1セット目を絶対に取らないといけない状況が全カレでも続く。全カレは最初からスタメンで、とにかく勢いをつけたい。(最後のインカレ)去年のインカレで3位に入って、周りからも期待されていた。その中でふがいない結果が続いている。自分たちが本当に強いチームだったということを今回証明したい。勝てて笑って追われるようにやっていくだけ。(4位、3位ときているが)決勝立ちたいという思いはもちろんあるが、その気持ちだけではだめ。一戦一戦がむしゃらにやっていけば、気付いたら決勝になっているのが理想。先のことを考えずに目の前の相手に立ち向かうだけ。1年生から出ていて、色々な経験をした4年間だった。これまでは自分のことを考えて、先輩たちに支えられながら好きなようにやってきた。結果もついてきて3年間いい思いをさせてもらってきた。けど今年は僕らが支えて3年生以下にいい思い出をつくってあげたいし、来年に向けていいスタートが切れるようにしたい。プレッシャーもあって苦しい時期も続いたが、4年生も一つになってきている。同期に助けられている部分も多い」

小野寺徹(営4=東洋)
「調子は悪くはないですね。コンディションもそうですし、徐々に上がってきている。個人的にもチーム的にも。今日は負けてしまったけど、今までの課題だったブロックとレシーブの関係だったり、サーブカットをしっかり返すことでコンビも使えるようになってきたのはいいところ。ただあっちに比べてフィニッシュの3本目の決定率が低かったので、5連敗になってしまったけど、そこくらいでやっていることは悪くはなかったと思います。複合練習でAチームBチームに分かれてコンビ組んでやってというのをひたすら繰り返してきた。今日は本数はあんまり多くなかったけれど、ここ最近の練習や先週の練習試合でもクイックの本数も増えてきて、トスも上がってくるようになっているので個人としても、チームとしてもセンター中心のコンビバレーができてきている。(5連敗)やれることはやったというのと、練習できる機会ももうあまりないのでここで落ち込んだところで。自分たちの確認ごとができたのでいい。やることをやって3本目も決まれば結果も付いてくると思う。最終確認をしてインカレに臨みたい。(粘りについては)レシーブとブロックの関係ができてきた分、上がってくるようになった。強いて言うなら2本目のつなぎのプレー、2段トスの精度を上げられればそれも3本目につなげられると思う。(必要になるプレー)クイックの本数を増やしてもらって、コンスタントに本数を打てるようにしたい。ブロックは変に手を出しても関係が崩れてしまうので、今のままでやりたい。(組み合わせ)全然悪くない。どこのブロックに入っても勝つだけなので、一戦一戦大切に次の試合につなげられるような試合をしたい。(最後のインカレ)どこかで意識してるんだろうけど、そんなに感じてはいない。最後だから力入っちゃったりというのは特にない。今のところ。引退してから感じると思う。バレー人生の集大成をしっかり笑顔で終われるようにしたい」


「(専修との試合)悪くはなかったが、勝ち切れない。勝って波に乗ろうという話だったが勝てなかったので全カレに向けて不安は残った。(手応え)前よりは雰囲気がよくなってきている。チームとして同じ方向を向けている。モチベーションも上がってきている。(秋季リーグ終わってから)雰囲気が特に悪かったので、そこはよくなった。キャプテンがみんなに熱い思いを伝えてくれるので。(展望)トーナメントはしっかり確認している。学芸、東亜、順天と。でも予選リーグからしっかりやっていかないといけない。東日本で負けているので。どんな相手でも油断せずにやっていければ。(最後のインカレ)特に意識はしてない。いつも通りやりたい。最後自分が楽しくできればいいかな」

與崎風人(政経4=鹿児島商)
「調子は普通ですね。試合前は気持ちも上がりますけど、そんなどーんとはいかない。普通がベスト。チームの完成度的には上がってきていると思う。レシーブ面に関しては言うことはないなと思うけど、攻撃面に関して全くコンビが合っていなくて、3日4日前でこの状況は結構やばいかなと自分は危機感を持っている。それがチームにどれくらい浸透しているのか。原因がセッターとかコンビとか分かっている人は分かっているが、本人がどれだけ危機感を持ってやっているかが一番重要だと思う。それが改善できたらいいところまでいけるんじゃないですか。(ブロックとレシーブ)ブロックも1枚で行ったり、2枚でも抜かすところを形にして確認したりしてきた。その面に関しては今日もシャットもあったし、抜けたところのレシーブも上がっていた。そこからの展開だったり、2本目触る選手が2段トスをどれだけ丁寧に上げられるか。最後決める人の力量も大事になるけれど、そこまでの過程をもっと丁寧にできると思う。最近ずっと本数が少ない。少ない本数でも上がってきたらしっかり決めればいいかなと。雰囲気だけは落とさないようにというのを意識して、今日はチーム内でもできた。やることをしっかりやれば結果は付いてくるので、そこだけですね」