【瓦版】 天王山は宿敵対決 リーグVへ 2強激突

 春に続く、優勝を懸けた宿敵対決だ。勝ち点35で首位に立つ中大と、勝ち点3差の2位で追う明大。前半戦での2校の対戦は3―3の引き分け。勝ち点で並んだ場合は直接対決の結果で優勝が決まるため、明大にも勝てば優勝のチャンスが残る。爆発力の明大か、盤石の中大か。2カ月にわたるリーグ戦を締めくくる頂上決戦の火ぶたが切って落とされる。

勝利の方程式 
 苦しみ抜いた末の天王山だ。前半戦を5勝1分1敗の2位で折り返し、後半戦では1敗も許されない状況だった明大。しかし、前半戦で唯一黒星を喫した早大に前々節でまたも苦戦。1点ビハインドで試合終了まで残り30秒に迫った中、チームの窮地を救ったのはルーキーだった。ゴール前へとこぼれたパックを松本昴大(商1=北海道清水)が押し込み、値千金の同点弾。引き分けに持ち込み、優勝へ望みをつないだ。後半戦途中、ウイングから3セットのセンターへコンバートされた松本。そこから一気に才能を開花させ、早大戦に続き前節・東洋大戦でも貴重な追加点を奪った。
 中大戦の勝利に向けても、松本の活躍は欠かせない。「3セットに(得失点)プラス2点は計算している」と間中朗監督。得点のほとんどを1セットで奪う中大に対し、明大はどのセットでも得点を奪えるチームを目指してきた。上位セットを五分の戦いで耐え、下位セットで差を付ける戦いが明大の勝利の方程式だ。

最高峰の攻防  
 両校の1セットには、大学ホッケー界を代表する選手がそろう。明大のFWは日本代表にも選出された大津主将に、大椋とFW川村一希(商3=北海道清水)。3冠を達成した昨年の看板セットの3人がそのまま残る。実績は抜群だ。一方、春のMVP・中島主将が率いる中大の1セットも強力。FW3人がポイントランク上位3位までを独占し、DF2人もアシストランク上位に名を連ねるセットは他にない。驚異の得点力で今リーグ戦を席巻している。両校が誇る至高の1セット対決も見どころだ。
春の決勝は中大に軍配。中大が昨年無冠に終わった雪辱を果たし、1冠目を手にした。秋は明大が春の雪辱を果たし連覇を達成するのか、中大が昨年の明大に続く3冠へ王手をかけるのか。1秒たりとも目が離せない。

【髙田悠太郎・島村昭二】