青学大に完敗 インカレ4強入りならず/全日本大学選手権

 今年もベスト8の壁に阻まれた。インカレ3戦目、準々決勝は青学大と対戦した。第1クオーターで22―14と立ち上がりは良かったが、少しずつペースを握られる。第3クオーター序盤に一気に離されると、その後は一度も逆転できないまま61―74で敗戦した。目標としていたインカレ優勝の夢はついえ、5~8位決定戦行きが決まった。 
 スターターは會田圭佑(法3=市立柏)、吉川治耀(情コミ2=京北)、吉本健人(法4=藤枝明誠)、宮本滉希(政経2=明成)、伊澤実孝(政経4=愛知産大工)。

 名門校の意地に屈した。33―31で迎えた第3クオーター。スイッチの入った青学大の激しいディフェンスを前にトラベリング、オフェンスファウルなどターンオーバーが続きリズムがつかめない。一方で青学大はシュートが当たり出し、リーグ戦3Pシュート王の安藤のロングシュートを含む3連続得点などで着々と得点を重ね、逆転を許し引き離された。「相手のシュートが決まりすぎて、流れをもっていかれた」(吉本)。第3クオーター終了時点で11点ビハインドとなると、最後まで巻き返せず61―74で敗れた。リーグ戦では2戦2勝を収めた相手だったが、この日は完敗だった。

 気合十分だったが及ばなかった。第1クオーター、秋葉真司(政経4=能代工)がバスケットカウントを得ると試合序盤から雄たけびを上げ派手なガッツポーズを見せる。第3クオーターには黒崎海斗(営4=新潟商)がわずかなプレータイムながらチームを活気づける得点を決めた。しかし「チーム力の差だった。リーグ戦が終わってからの間で青学はやるべきことをやって、磨き上げているというのを感じた」(齋藤)。息を吹き返すプレーは度々あったが、その都度青学大がさらに1つ上をいった。試合終盤にはアンスポーツマンライク・ファウルで得たチャンスを生かし4点を挙げ、残り2分半で7点差と希望を見出したが、直後に大崎(青学大)に3Pシュートを沈められ万事休す。「あっちがメンタルの面で上回っていた。そこに関しては負けたくないが、認めざるを得ない」(秋葉)と勝負どころで力を出し切れなかった。
 
 悔しい敗戦も、戦いは続く。ベスト4入りは果たせなかったが、5~8位の順位を決める2試合が控える。「明治で学んだことはディフェンスなので、それを後輩たちに見せていきたい」(伊澤)。今後のチームのためにも、残り2試合が持つ意味は大きい。優勝はなくなったが、昨年の6位を1つ上回る5位を目指す。

[尾藤泰平]

試合後のコメント
秋葉

「やっぱり今年1年、インカレ優勝という目標をずっと持ってきたので、そこがなくなった今は何も言えない。でも試合は続くので、来年につなげることも含めて、もう一回1つになって明日の試合に臨んで、勝って5位決定戦で代々木に帰ってこられるようにしたい。そこに向けて4年生として引っ張ることも、あと2試合でできる、自分たちの最後の仕事だと思うので。悔しいのは本当に心底悔しい。けどそこはもう一回切り替えて、絶対勝って、最後にはみんなで笑顔で終わりたい。(リーグで2回勝った相手だが)1人1人がタフになり切れなかった部分がある。油断は特になかったと思うが、その分あっち(青学大)の方が気持ちが強かったかなと。あっちがメンタルの面で上回っていた。そこに関しては負けたくないが、認めざるを得ない。(前半に出た時は)最初は悪くはなく入っていったが、ガード陣に対するプレッシャーが強かった部分があったり、伊澤のシュートもあまり当たって無かったりして、あとはディフェンスとかもハードさが少し抜けた部分もあったので、それは自分が出た時にやっていこうと思っていた。入ったらタフにディフェンスから入って、チームを盛り上げられたらと。そういった部分ではあのドライブは自分的には良かった。でもオフェンスリバウンドを取られて得点されるシーンもあって、あそこで自分の仕事ができなかったと思う」

伊澤
「後半の入りとかでディフェンスが甘くなって、下がってしまったところで相手に打たせてしまった。前半の気持ちを継続できなかった。リーグでは2勝していたが、ディフェンスからという自分たちのバスケができなかった。相手のシュートがよく入っていたというのはあるんですけど、それを打たせてしまったのは自分たち。何とか修正したかったが、後半のディフェンスの崩れを修正し切れなかった。やりたいオフェンスを研究されていて、人数をかけて守られた。ああいうディフェンスはしてくると思ってて、周りにパスをさばいていこうと思っていたが、出しどころとかもなかった。自分の中でもオフェンスを組み立てることができなかった。ディフェンスの戦いに負けた。(青学大のフィジカルについて)個人的にはそんなに気にはならなかったけど、チームとして引いてしまった部分はある。審判との戦いもあって、ホームゲームのときはガードのところでファウルもあったけど、それを気にせずやれていた。今日は縮めるような内容がなかった。やっぱりディフェンスの崩壊っていうのは、うちとしてはやってはいけないこと。残り2試合、どう切り替えてディフェンスで粘って勝ち切れるようにしていくか。明治で学んだのはディフェンスなので、それを後輩たちに見せていきたい」

黒崎
「悔しい。目標としていたインカレ優勝に届かなかったこともそうですし、2年前自分が森山さんたちの代のときにベンチ裏で観ていたみたいに勝てないというのは悔しい。(第3クオーター途中で出場)監督から青学との相性が合うということで呼ばれて出してもらった。シュートを決められたのは良かったんですけど、試合には勝てなかったのでやっぱり悔しい。自分たちは2年前ああやって経験させてもらって、自分たちが4年になってここまでせっかく残れたので後輩たちにあの舞台を味合わせてあげたかった。それが2年のときからずっと自分の中のモチベーションとしてあった。自分たちが残していけるものだったと思う。でも負けは負けとしてしっかり認めて、自分たちの新人戦のときみたいにベスト4決めで負けてずるずるいったようにはならないように、切り替えて4年生が引っ張って盛り上げていきたい。難しい部分ではあると思うが、しっかり5位で終われるように頑張っていきたい。インカレは4年生の集大成だと思うので、そういう意味で今日自分が出てシュートが入ったのも、吉本のシュートにしても伊澤のリバウンドにしても秋葉のリバウンドにしても気持ちが出る大会だと思う。それを後輩にも示していければと思う。青学とはリーグで2勝していたので明日の国士も気を緩めることなく、ディフェンスの部分をしっかりやることが勝利のカギになると思う」

吉本
「ディフェンスは今まで通りやってる感じだったけど、どこかでやれていなかったのかもしれない。相手のシュートが入りすぎた。相手のシュートが決まりすぎて、流れをもっていかれた。詰めが甘かったんだと思う。リバウンドをもっとアグレッシブに固めれば違ったのかもしれない。あとは相手のディフェンスのプレッシャーに押し負けていた。前半で飛ばしすぎた。継続できなかった。こっちは外のシュートばっかりで、1試合通してなかなかリズムをつかめなかった。リーグ戦通して伊澤が調子悪い日とかなかったから、こういう試合のときになかなか打開策が見つからなかった。ディフェンスから、というのは意識していたけど、タフショット決められたのもあって乗り切れなかった。今日の気持ち的には落ちてますけど、最後までやりきらなければいけない。自分はここで終わりかもしれないけど、後輩は来年もあるので、もう1回やらなくちゃいけないことを整理して最後まで頑張りたい」

會田
「リーグ戦で2試合勝ってた相手で相性的にもいい相手だったので、ここで勝って東海にリベンジするというのが僕たちの目標に掲げていたもの。それがエイトで終わったことは残念。前半の入りは良かったが、後半の3ピリの入りで少しリバウンドも取れなくなってきて、相手に流れが行ってしまったと思う。(大崎を押さえていたが)押さえられている部分はあったと思うが、最後の2分半のところのスリーとかは、結構あそこで決着がついてしまったところもあると思うので、残念に感じている。(リーグでは2勝した相手だが)こっちがオフェンスの時の、相手のフィジカルを使っての激しいディフェンスとかはリーグでも同じだったのでそこまで変わった感じはしなかった。結構スクリーンが、僕についてた大崎とかはそいつに打たせるために多くて、そこでスクリーンにぶつかったりして体力を削られたところもあるし、そのずれができたところでコミュニケーションが取れなかったりというのはあったので、反省しなければいけない。優勝はもうないが、これまで4年生にずっとついてきてお世話になっているので、恩を返せるようにあと2試合全力でやりたい」

齋藤
「全体的に何で負けたかを振り返ると、チーム力の差だったと感じる。リーグ戦終わってからの2、3週間の間で青学はやるべきことをやって、磨き上げているというのを感じたし、それに対してうちは仕上げきれていなかった。青学は4年生の笠井さんだったり田中さんだったりはさすがだなというところが多々あったし、全体的な精度が高かった。相手のシュートが入り過ぎたっていうのはあったかもしれないけど、そう捉えるんじゃなくて自分たちのディフェンスがまだまだ甘かったと考えないと前には進めない。昨日に比べると入り自体はスムーズにいけたけど青学は立て直してきて、そのディフェンスに対して萎縮していた時にガードとしてもっと切り開いてあげないといけなかかった。伊澤さんのところに集めた時にダブルチームがくるのは分かっていたし、特に個人としては1ピリでサインプレーの勘違いが起きてターンオーバーしてしまったりして、そういう安易なミスがなければ1ピリは一桁失点に抑えられたと思う。2ピリ3ピリのピックからの合わせでさらにもう1個アシストできたのはこのチームの成長だと思うけど、相手が立て直してきた時の打開策がまだまだ足りないと感じた。リバウンドについてはディフェンスのポジショニングが悪かったから、ガード陣に限らず飛び込まれてしまった。最後のアンスポで4点取ったところですぐに3Pを決められて踏ん張れなかったのも、チーム力の差だったと思う。2年連続ファイナル4に入れなくて本当に悔しいけど、残り2勝して5位になって、去年より1つ上の順位で終わらせられるようにしたい」