
日体大に勝利しベスト8入り 青学大との準々決勝へ/全日本大学選手権
スターターは會田圭佑(法3=市立柏)、吉川治耀(情コミ2=京北)、吉本健人(法4=藤枝明誠)、宮本滉希(政経2=明成)、伊澤実孝(政経4=愛知産大工)。
逆転勝利は見えていた。0―8と、4分間無得点で始まった第1クオーター。快勝で終えた初戦の富士大戦とは打って変わって、関東2部リーグ3位と勢いのある日体大を相手に「予想以上に硬くなった」(吉本)とペースをつかめずにいた。そこに息を吹き込んだのが、開始5分に登場した齋藤拓実(営2=桐光学園)だった。「どこが悪くてどうしたらいいのかはベンチから見て分かっていた」(齋藤)。ディフェンスから試合をつくるという原点をコートの5人で再確認し、明大のペースに持ち込んだ。巧みなパス回しで得点シーンを演出した齋藤は、チーム最高の15得点も記録。同じくガードを張る吉川と、相手の攻め手を押さえながら得点の基盤となった。
1年生の今川友哲(営1=大阪桐蔭)も、本領を見せ始めた。初戦ではシュートミスを重ね「リーグ戦と違ってミスをしたら1個が大きい」と緊張のそぶりも見せていた今川。ミスをすれば大きく響くトーナメント戦に重圧を感じながらも、この日は自らのオフェンスリバウンドから、インカレでの初得点を決めた。
ベスト4を懸けて対戦するのは青学大。今季はリーグ戦で2勝している相性のいい相手だ。それでも選手たちが口をそろえるのは「やることは同じ」という、自分たちのバスケを貫く姿勢。積み重ねてきた、ディフェンスから組み立てるバスケを武器に準々決勝に挑む。
[渡辺由理佳]
試合後のコメント
税所啓主将(情コミ4=興南)
「前日のミーティングで1回戦とはレベルが格段に上がるから気を引き締めて自分たちのやることを徹底してやろうと話して今日を迎えたが、みんなの気合いが入り過ぎて逆に空回りしてしまっていた。でもシュートまでは行けていて、それがリングに嫌われて、相手が良かっただけ。1本決まったら落ち着くというのは分かっていたので焦りはしなかった。でも試合の入りは大事なので、もうちょっと修正していかないといけない。タイムアウトを取ったときには自分たちのバスケをしようと話して送り出したので、そこからは追い付いて逆転できた。そこは1年間通して明治の強みで負けている状況からはい上がって逆転するというのに強い。(第4クオーターの最後)富士大の時は伊澤と出れなかったけど、今回は出れて伊澤からパスをもらって3Pを決められたのはすごくうれしい。4年でああやって出た時に残せるものはしっかり残していきたい。今日も海斗(黒崎・営4=新潟商)がシュート決めて、杉本(真太郎・文4=光泉)もドライブ落としたけどああいう姿勢を後輩たちに見せられたのは良かった。富士大のときは4年で唯一俺だけ決められなくて絶対決めたいと思ったけどフリースロー来て自分だけ焦って外してしまった。でも最後伊澤からパスが来たときはいつも通りに打ったら入った。良かった。(次戦は)まだ通過点であって自分たちのやることは変わらない。しっかり勝って最後は代々木で締めくくりたい」
吉本
「1回戦をやってもここからが本当の勝負というか、そういう意識があって硬くなるのは仕方ないと思ってはいたが、予想以上に硬くて焦りはあった。そこから自分たちのやってきたことを思い返して、ディフェンスからというのを意識した。徐々に自分たちの流れにできたので、リーグ戦で学んだことというのがしっかりできていたと思う。(1つ目のスティールについて)あそこで自分としても落ち着いたし、チームとしても安心したと思う。(3Pは)リーグ戦中ずっと伊澤に助けてもらっていたので、最初点が入らなかった時に今日は自分がという気持ちがあった。しっかり仕切ったのがあの結果につながったので良かったです。2クオーターで1回離したときに相手がゾーンになってオフェンスがちょっとうまくいかなくなった時に、ディフェンスからという意識を忘れないように自分が声を出した。苦しいとこでもディフェンスで粘れていたと思う。4ピリも1度は10点差まできたけどそこでも焦らず自分たちのペースに持ってけたのも良かった。リバウンドはリングも跳ねるし高さの面で仕方ない部分もあったけどインサイド陣はよくやってくれたと思う。僕とかがもっと飛び込んでいければもっと良かったが。粘れたとは思う。明日はフィジカル的にももっとハードになるのでもっと意識を高めていかなくちゃいけない。やることは一緒なので、積み重ねてきたものをしっかり出すのと、アグレッシブにやっていきたい」
黒崎
「0―8からだったけどこっちのシュートが入ってないだけで焦りはなかった。タイムアウトのとき自分が圭佑(會田)にこうしたほうがいい、というのを言って、ディフェンスももっとハードに、とは伝えた。2戦目は初戦と比べてレベルが高いチームとやるので、こうなるのは3年間インカレ経験してわかっていた。相手はでかいチームで、赤土(日体大)がガツガツやってくる。赤土には今日は伊澤が付いてたので1対1で守ってくれると思ってた。今日あいつはシュートは入らなかったけどリバウンドとかディフェンスの部分でも頑張ってくれて頼りになる存在。1クオーター途中で拓実(齋藤)と治耀(吉川)が入ったときに、ディフェンスで前からプレスで当たって、そしたら相手も引き気味にオフェンスするようになった。ディフェンスしっかりやれたことが勝った一つの要因。(また4年生で出たが)出れて良かった。一人一人持ってると思う。啓(税所)はフリースロー外して3P入れるし、杉本もレイアップ外さないし、僕はなんか入っちゃったって感じ。吉本は出れなかったけど、6人で戦ってるという気持ちで戦えた」
齋藤
「(途中出場でいい流れをつくったが)入りが悪くオフェンスで攻めきれなくなってて、0ー8になった。どこが悪くてどうしたらいいのかっていうのはベンチから見て分かっていたので、それをガードとして他の4人に伝えて、5人全員でディフェンスからということでしっかり立て直せたのは良かった。ただそのいい流れの中でターンオーバーをしてしまって、あと4ピリの最後のところでもターンオーバーがあったのでそこはなくしたい。(15得点でチーム最高)相手がプレッシャーをかけてきたのをうまく縦に抜けられた。ただバンクショットやスリーをもっと高確率にして、決め切るところで決められたら良かった。(4ピリで8点差まで追い上げられた中で焦りは)相手にフリースローを与えたときに14点差で、時間もあまりない中で相手は早攻めしてくるだろうからそれに合わせないように、ということをしっかり話せていたし、前からのプレスに対してターンオーバーもなかったので、チームとして焦りとかはなかった。(日体大の高さは)後半に赤土さんが入りだしたり、リバウンドを支配されてたり、ヌダリーの大きさは仕方ない部分もあったが、もう一つ守れるとチームとして良かった。明日はそれぞれが自分の仕事をするだけ。青学にはいいイメージがある」
今川
「おとといがふがいなさ過ぎたので、ミスなくできて良かったなという感じ。自分では緊張してないつもりだったが、たぶんどこかで緊張してて、堅くなっていた部分もあった。昨日の練習でちゃんとやることを確認してきた。(得点を決めたこと)入って良かった。ディフェンスは自分のマークマンの特徴を消すことと、オフェンスは走って、走るのが得意なのでそこで点を取りたいと思って、一番最初に走るっていうことを考えてやっている。(唯一1年生でコートに)僕以外も普通に強いんで、もっと出れると思う。でも大事な試合なので、僕はもう出ないほうがいいです。危ないです。怖いです。リーグ戦と違ってミスしたら1個がでかいので。(出るとしたら)次からは関東でやってきたチームなので負けたくないです。リバウンドで活躍していきたい」
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