インカレ開幕! 富士大に快勝し初戦突破/全日本大学選手権

 危なげないスタートを切った。今年の集大成を見せるインカレが開幕。2回戦から登場した明大は富士大との初戦に挑んだ。立ち上がりから攻撃がかみ合い第1クオーターで12点のリードを得ると、第3クオーターでは伊澤実孝(政経4=愛知産大工)の活躍でその差を広げる。最終的には34点差を付ける快勝で、3回戦の日体大との対戦に進んだ。

 スターターは會田圭佑(法3=市立柏)、吉川治耀(情コミ2=京北)、吉本健人(法4=藤枝明誠)、宮本滉希(政経2=明成)、伊澤。

 不動のエースは揺るがない。11点リードで迎えた第3クオーター開始20秒、伊澤がスティールし一人で持ち込むと、落ち着いてレイアップを沈める。その後もバスケットカウント、ドライブと様々な形で得点を重ねた。前半での得点は4点と調子を出せず「フラストレーションが溜まっていた」という伊澤。後半では鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、打てば入る精度の高さを見せ、第3クオーター29点中21点を伊澤がたたき出した。リバウンドに飛び込む、インサイドでの仕事もしっかり果たした伊澤。ボールを持てば得点に結びつく活躍で、第3クオーターでリードを25点に伸ばしチームを勝利に導いた。

 最後は4年生でコートに立った。第4クオーター残り5分、税所啓主将(情コミ4=興南)と黒崎海斗(営4=新潟商)、杉本真太郎(文4=光泉)が登場。まず黒崎のシュートが決まるとベンチから大歓声が沸いた。残り3分になると吉本もコートに入り、伊澤を除く5人の4年生が同時に大舞台に立った。その後も杉本が黒崎のロングパスを受けて得点。杉本は「気持ちよくいこう」と3Pラインの少し内側からミドルシュートを沈め、この試合のフィニッシュも決めた。「4年生全員で出るというのはリーグの時には叶わなかったことなのでうれしい」(秋葉)とチームをけん引し続けた4年生が、最後のインカレで喜びの表情を見せた。

 勝てばベスト8以上が確定する次戦は日体大と対戦する。2部上位の日体大だが「インサイドが大きいチーム」(税所)と高さで劣る明大にとって油断できない相手だ。こちらは伊澤や宮本、今川友哲(営1=大阪桐蔭)などのインサイド陣に活躍が重要になりそうだ。「リバウンドをチームで抑えて、相手を走らせないように」と伊澤。リバウンドの奪取から相手の攻撃の芽をつぶし、まずはベスト8入りを決めたい。

[田中愛]

試合後のコメント
税所主将

「まず勝ったことは良かったと思うが、1クオーターの途中からこっち(明大)のディフェンスが甘くなって相手にぽんぽん入れられるようになって、相手に勢いを与える場面もあったし、2クオーターでも甘い部分が出て、離せるところで離せない場面が多かった。3クオーターになって伊澤の得点が戻ってきて、そこからみんなも乗り出していた。(次に対戦する)日体は今日の相手とレベルも全然違う。インサイドが大きいチームになってくるから、インサイドの活躍は相当大事になってくる。小さいミスを無くしていくことが大事。これから先はそういうのが勝敗を左右する。(コートに立って)富士大戦は点差がついて僕も出ると思っていた。その中で4年生でああやって全員がコートに立って、応援席も俺や杉本が打ったときに盛り上がってくれたのはうれしいし力になる。4年で俺だけ得点決められなかったんですけど。機会があるんだったらどんどん試合に出て、最後なので思いっきりやりたい。見に来てくれている人もいるので、そういう人たちの前で少しでも活躍を見せたい」

秋葉
「一安心。今までのインカレ3年間見てきた中でも良い形で入れたと思う。もちろんまだまだ途中崩れる部分もあったんですけど、声も出ていたし良かったと思う。今日はクオーターの頭をディフェンスじゃなくてオフェンスから入ってしまったので、そこは明日1日あるので話し合って改善していきたい。初戦が大事というのは一人一人が感じてやれていた。ルーズボール、リバウンド、ディフェンスは自分の一番の仕事。ファウルを恐れたりせず勢いをつけられたので良かった。これはリーグ戦をやっていく得られた自分の仕事なので意識してやっていく。自分自身インカレで代々木で出るのは初めてだったんですけど、落ち着いてプレーできたのは良かった。インカレの舞台は特別なものだと思うなので代々木でやれるというのは楽しいしうれしいこと。4年生全員で出るというのはリーグの時には叶わなかったことなので、ああやってコートに立てたことはうれしい。(次戦は)日体は2部の上位と1部の差はない。去年2回戦で同じ形であたって明治が勝っているので、その分日体の選手は明治に負けたくないという気持ちでくると思うので、受け身にならず跳ね返す力と今までやってきたことの集大成としてしっかり自分たちの力を出していきたい。あとは大田区なので一個人としてはもっと代々木でやりたいので勝つしかない。目標は優勝なので。うちのチームはリーグ戦通して継続性がなくてインカレもそこが課題だと思うので、出てる選手だけじゃなくベンチも一つになって期待に応えていきたい」

伊澤
「チームとしてインカレの入りは毎年悪いが、今年はディフェンスから当たって自分たちのオフェンスにつなげていけた。点差は離れなかったが、自分たちのリズムでいけた。(2クオーターは)インサイドにボールを入れるというのを意識しすぎていて、相手も対応してきてミスが多くなったので点が伸びなかった。ハーフタイム後半から切り替えができたのはリーグ戦の経験が生きたのではないかと思う。(第3クオーターは)前半自分が決まらなさすぎてフラストレーションが溜まっていた。最初に速攻でいい形でレイアップ決めれたので、そこからやりたいように発散する感じでできた。(自身のリバウンドは)相手も人数かけてきて、取り切れない部分もあったが周りのメンバーが拾ってくれる部分とか意識があったので良かった。ディフェンスは1線で当たれてはいたが、スクリーンかけられたときの声だったりが終盤から足りなくなった。日体はインサイド陣が豊富で高さがある中にも走ってくるチームなので、どれだけリバウンドをチームで抑えて、相手を走らせずに自分たちのバスケを展開していくかが勝つためのポイントだと思う。高さを意識せずにやっていきたい」

杉本
「最後の大会なので4年生全員で出れて良かった。伊澤はちょっといなかったですけど、点数も取れたので個人的には良かったです。ただ最後啓に点を取ってほしかった。パスを出したかったんですけど、ミスするかもしれないと思って、そこでミスをするくらいなら自分で気持ちよくいこうと思って最後いきました。(緊張はなさそうでしたが)代々木は新人戦とかで経験はあったし、緊張というよりは久しぶりだなという感じでした。中盤、伊澤が入ってたから良かったけど、ディフェンスが甘いところがあったのでそこを明日の中日で修正したい。やることはやってきたので、今日はまだ5割も出せてなかったと思う。ディフェンスをしっかりやっていくことで、優勝も近くなる」

會田
「初戦で硬くなるのは分かってたので思い切っていこうと思っていた。ディフェンスで全員でプレッシャーをかけてリズムをつかんで、相手の弱点のリバウンドに全員で飛び込むというのを決めてやった。少し緊張はあったけど、1本目のリバウンドから得点につなげられたのは個人的にも落ち着けたので良かった。相手が3Pを打ってくるチームだったので、そこで距離を詰めた分抜かれてカバーとかローテーションが遅くなってしまった。今日は伊澤さんがリバウンドを抑えてくれたけど、明日は相手の方がでかいので簡単にはいかない。相手のトランジションをとめてディフェンスから組み立てていきたい」

田中井紘章(政経3=山形南)
「いい形オフェンスが進んでいて、最後のフィニッシュで正確に決められなかったというのが今日の課題だと思う。そうやってオフェンスが駄目になってしまった時にディフェンスでもその空気に飲まれてしまったのが反省点。それで一気に点数を縮められてしまったところがあった。自分は去年も名古屋経済大に10点差をつけられた場面で出た経験があったので、自分が焦っちゃいけないということは意識していた。でも自分も不用意なターンオーバーなどもしてしまったので、それは良くなかった。もっと動きの質や5人の連携といったところを高めていかないと日体大には勝てないと思うので、明日の練習からしっかりやっていきたい。今日のディフェンスはそんなに悪い感じはしなかった。コミュニケーションの部分がもっと必要というのはあるので、自分がコートに出た時にはリーダーシップを発揮できるようにしたい。今日の相手は小さかったが日体大は大きい選手が多いし、今日のようにガードが簡単なミスをしてくれることもないと思う。1つ1つのディフェンスやボックスアウトといった基本が大事になる。ディフェンスからオフェンスの流れをつくるという明治のバスケットができるように原点帰って1日を過ごして、次の試合に臨めればと思う」