4人が入賞! 2日目は大山5位&山田7位の奮闘見せる/全日本大学選手権

2015.11.16
 紫紺の力を見せつけ、4人が入賞した。2日目は86㎏級の大山博貴(営3=仙台育英)が5位、125㎏級の山田高義(文4=名古屋工)が7位入賞。初日に入賞した97kg級の藤山徳馬(営4=池田)、74kg級の奥田海人(政経1=霞ヶ浦)に続き、明大勢がその実力を発揮した。
 
 悔しさの残る表情に、たくましさがのぞいた。5位入賞となった大山、今大会は苦手意識のあった内藤(国士大)との対戦から始まった。開始1分後に後ろを取ると、しっかりと最初の2ポイントを奪取。一進一退の攻防が続く中で「意外と動けた」と5-4で逃げ切った。続く1回戦も勝ち進むと、準々決勝では昨年3位の雫田(専大)に開始わずか5秒でタックルを仕掛け、得意技のアンクルホールドが炸裂。一瞬で試合を終わらせると、小さなガッツポーズと笑顔を見せた。準決勝ではテクニカルフォールで敗戦し、そこから臨んだ敗者復活戦。勝てば3位、負ければ5位の1試合勝負となったが「強くて焦った」という相手の榎本(同大)を前に惜しくも3-5で敗れた。5位の結果には納得のいかない表情を見せるも、昨年は1回戦敗退となっていた今大会。そこからの1年間で確かな成長を感じている。「最初は早く終わらせようという感じだったが、今は6分間を全部使って戦っている」。大会ごとに数字を残して成長を遂げてきた大山。あくなき探究心を胸に、まだまだ強くなる。
 忘れられない試合となった。4年生の山田は引退試合を7位入賞の形で飾った。予備戦、1回戦を勝ち進んで迎えた準々決勝。立て続けに後ろを取られると相手のペースに持ち込まれ、最後はテクニカルフォールで敗れた。敗者復活戦には出場できなかったが、7位以降は予備戦以降のポイント数で決定する。1回戦のフォール勝ちでポイントを稼いでいた山田が7位入賞となった。最後の試合となった準々決勝、対戦した橋本(日大)は奇しくも大学デビュー戦で対戦した相手。マット上での不思議な巡り合わせに「感慨深い試合となった」。最後の試合に、最初の自分の姿を重ねた山田。清々しい表情でレスリング生活に終止符を打った。

 新たな時代が幕を開ける。今大会終了後にチームは幹部交代となり、主将に大山、副将には寺田靖也(農3=八千代松陰)と喜多雄介(政経3=三井)が任命された。大山、寺田の実力者が軸となってきてやってきた世代、大山は主将として「楽しく厳しくやっていきたい」と背中でチームを引っ張る存在を目指す。チームとして、まず狙うのは春に行われるリーグ戦での上位進出だ。多賀垣雄副部長は「やっとここまできて戦えるチームになってきた」とさらなる期待を寄せる。チーム一丸となり、古豪復活への道を歩んでいく。

[土屋あいり]

試合後のコメント
中出幹児監督

「大山はジュニアオリンピックでも2位になっているし、さらにもうちょっと3位以内を期待していた。次の主将なのでぜひ自覚を持って来年以降は頑張ってほしい。みんなで支え合って、チームが一丸となってこれから来年度の試合に臨んでいきたい」

多賀副部長
「大山はやり方がまだまだ未熟なんだよね。1回チャンスはあった。足を持ち上げた時に下にいっちゃって、上にいけば取れたからもっと有利に試合を進められたんじゃないかなと思う。基本的な動きのところで少しミスが多い。(山田が7位)7位か8位の場合は、予備戦からの得点によって順位が決まる。山田は1回フォールを決めているのであれが効いた。フォールすると5点。(新チーム体制)大山がキャプテン、寺田と喜多が副将。やっとここまできて戦えるチームになってきた。負けても何とかなるかもしれないというそういう雰囲気が出てきた。十何年間の先輩の思いが込もっているから、さらにレベルアップしていこうという話をした」

山田
「やっぱり最後だったので、後悔しないようにと思っていた。階級は全然上だったけど、ガンガン攻めていこうと思った。(7位)あと一回勝って上の順位に行きたかった。大学最初のデビュー戦の相手と同じ相手で、その時はテクニカルで僕が勝てていた。そして今日、最後の試合でも同じ相手になって、やられてしまったけど感慨深い試合になった。すごい良かった。(初日で藤山が3位)やっぱりずっとライバルというか、同じ階級で、勝てる相手に勝てたりとどっちが上というわけでもなかった。同期で同じ階級でそういう人がいたからこそ、どっちも強くなれたんじゃないかなと僕はいつも思っている。藤山は体が柔らかいし、僕と全然タイプが違う。お互い持っているものが違うから、一緒に練習して。お互いライバルとして、2人ともいい刺激になったと思う。僕からしたら、尊敬していると言えば尊敬している。成績も残すし。一方では負けられないというのも自分の中であって、いい関係だったと思っている。(4年間)スパーリングとか学校の試合とかでは自分がポイントをやらずに勝てていた。インカレでは同じ階級で試合に出場できるけど、やっぱり内閣とかになると別々の階級で出なくちゃいけなくて。そうなったら97kg級の代表として徳馬に勝ってほしいし、徳馬も僕のことを応援してくれた。それで一昨年に徳馬がこの内閣で決勝にいった時は、自分の試合のように熱くなった思い出がある。あの瞬間は自分が上がっている気分になって、他の人とはやっぱりその辺は違うかなと。(新チームに期待すること)今年からレギュラーになっている寺田とか、大山とかがこのまま勢いに乗ってほしい。それに下の代もその勢いに呑まれてくれたら、かなり伸びてくると思う」

大山
「結果は全く納得いっていない。(予備戦)勝てなさそうと思っていたが、やっていたら意外と動けたので勝てた。(3決)3位に入れるかなと思っていたので、正直は負けないかなと。最初組んでみて、強くて焦ったという感じで負けてしまった。(昨年は1回戦敗退)この1年間で試合運びが一番変わった。最初は早く終わらせようという感じだったが、今は6分間を全部使って戦っている。(多賀副部長から)いつも同じことを言われているが、タックルを取ってからが下手くそだと。あと構えを安定させろと。いつもそれだけ。(今後の取り組み)守りに入ったら守れるとは思うので、ポイントを取れる技が欲しいというのが一番。やっぱり練習をすれば自信がつくので、そこで自信をつけたい。(来年度主将)まだまだ何もできないと思うが、去年よりリーグ順位を上げたりだとか、まとまって戦えるようにいいチームづくりをしたい。伝統というか僕は楽しくやりたいタイプなので、楽しく厳しくやっていきたいし、明るい部にしていきたい。今後はまず大きな大会での表彰台を目標に、リーグ戦はチームをまとめて順位を上げれるように頑張る」