池西、隈園が2位入賞 ルーキーが活躍見せる/東京六大学対抗大会
確かな成長を続ける。隈園は1分8秒37で2位。インカレの1分6秒603には及ばなかったが「ベストな結果が出たので満足」(隈園)と好タイムで他を圧倒した。
本格的に競技を始めたのは大学からだが、真面目さを武器に結果につなげている。「3年生の短距離班の先輩方のおかげ。先輩たちの後ろを付かせてもらって背中で鍛えられた」と隈園。インカレ前にもらったパワーマックスを使った高負荷でのキープ練習という過酷な練習メニューをこなし、インカレではベストを更新した。「(教えた通り)やったからあそこまで伸びているのかな」と曽我圭佑(法3=九州学院)も舌を巻くほどの成長だ。「来年までにはもうちょっとギアを踏めるようになりたい」と実力を高めてみせる。
スクラッチに出場した池西は大学入学後初の2位。500mバンクを20周し最後の着順で勝者が決まるこの種目。池西は12周で勝負を掛け、逃げを決めると青野(法大)が反応。2人の逃げが形成され集団とのタイムを引き離した。半周毎に先頭交代を繰り返し最終周からはスプリント勝負の一騎打ちに。高校選抜優勝の経歴を持つ池西だが「大学で周りのレベルが高くて自分のスプリント力が通用しない」(池西)と第4コーナーから突き放されると青野(法大)に先着を許した。展開には自信があったが、スプリント勝負で敗戦した。それでも「青野さんがいなかったら2位という成績もなかった」(池西)とスピードのある青野(法大)の走りに付いていき結果を残した。
夏休みには九州まで自転車で一人旅をした。「サボる癖があるので旅に出て九州まで行ったら走らないと帰れない。だから追い込むという意味も込めて旅に出た」と自分と向き合った。スプリント力に必要な上半身の強さを課題に挙げ「全体的に筋力の向上を測っていきたい」と来シーズンに向け成長を誓う。
新体制として初の公式戦となった。小林和希新主将(政経3=祐誠)は「インカレで総合優勝することを一番の目標に頑張っていく」と気合十分。トラック種目はオフシーズンに。筋トレ重視の練習に移行し来シーズンに向け照準を合わせる。
次戦は行田クリテリウム。現時点でRCS総合1位でリーダージャージーを保持している小林は「最後まで守り抜きたい」と昨年果たせなかった総合優勝へひた走る。
[橋本杏菜]
試合後のコメント
小林
「雨が降っていたので寒くて全然脚も回らず完走もできずにポイントレースは終わってしまった。(団抜きは)ペースは一定だったがそこまで速くなかった。法政は20秒台を出してきているのでしっかり照準を合わせて練習した方がいいと思った。(オフシーズンの練習は)朝はしっかり寝て昼間や夜に各自で筋トレして追い込んでしっかり寝て筋肉付けるという練習を始めた。春先に向けてしっかり体をつくっていこうと本格的に吉井コーチの案で。筋肉量が多い方がロードでもトラックでもいいのでとにかく筋トレをして筋肉量を増やしていくことに取り組んでいる。(吉井コーチは)聞けば何でも教えてくれる。毎日記録を取ることの大事さを教わって朝に血圧、心拍数を測って夜に体重を測ることを言われている。(新体制になって)同期もしっかり筋トレしていて最上級生がしっかりやることによって下もしっかりやる。インカレで総合優勝することを一番の目標に頑張っていく。(1年生の活躍は)来年のインカレでも1年生の力は必要なものになってくるので、トラックで走れてるのを潰さないようにインカレまでつなげられたらいいと思う。(隈園は)1kmタイムトライアルでも見ててかっこいいなと思う。雨で寒いからといって一切手を抜かないところが隈園のいいところ。スタートもしっかり突っ込めてますしこのまま練習したら来年のインカレで入賞、表彰台は狙える。自分たちが隈園に知識を伝えてモチベーションを上げてもっと強くなってくれたらと思う。(RCSは)最近は孫崎(早大)や荒井(法大)が強いので負けないように走ってポイントをしっかり取って神宮までに点差を開かせたい。出るからには最後まで(リーダージャージーを)守り抜きたい」
曽我
「1週間前に胃腸炎になって体調を崩していたが意外とタイムは出たが自転車に乗らずに筋トレばかりしていたので体力はなかった。自分のモチベーションは六大戦じゃなかったので今回は今回のことできっぱり割り切る。5カ月後の4月に全日本があるのでそれに向けて練習してる段階。これからちょっとずつ上げていけば十分だと思っている。(国体を終えて)たまたま大会新記録が出たので思っていた以上だった。そこから1カ月経って、自分は冬に弱いので工夫しないときついかなと思う。(レースの持っていき方は)勝ちにいこうとすると先攻する意識がなくなって後ろからいく癖が出てきてしまうので直したい。積極性がないと勝てない。高校時代は積極性のあるレースばかりしていたが大学になって弱気になってしまったので改善していきたい。(冬の練習は)去年結果を残せなかった分、筋トレばかりして今年は筋トレの成果が出て成績を残せた。去年以上に筋トレを頑張れば今年以上の結果は臨めると思う。インカレのチーム・スプリントで上位を狙うためにダッシュ力強化をしたい。全体的なバランスの取れた筋肉を付けていきたい。(吉井コーチからのアドバイスは)去年吉井さんからアドバイスを受けて筋トレをしていたので、吉井さんが一生懸命やってくれてるので選手たちもそれに応えないといけない。モチベーションも上がっている。(隈園は)1kmタイムトライアルを鍛えようと思って何回かメニューを教えたらその通りどんどん強くなって自分も焦りが出てきて、今無駄に闘争心が燃えてきている。来年は1kmタイムトライアル(で上位を)狙っているので負けられない。(メニューは)パワーマックスとローラーを教えた。自分はパワーマックスで強くなったので。高負荷でのキープ練習を教えた。やったからあそこまで伸びているのかな。(全日本は)チームスプリントとスプリントは出ようと思っている。全日本が強化指定の選考基準大会になるので、今年の全日本で結果を残せなかったので強化指定から外れてしまった。その悔しさをぶつけてもう一回強化指定選手に戻れたらなと思う」
池西
「逃げる脚と最後のスプリント力がなかったことが実力不足だった。(逃げを決めてから)本当はけん制的な意味も込めて逃げに賭けた。後ろの集団が追って来れば体力を減らすこともできるし付いてこないならそのまま逃げることで相手にプレッシャーを掛けるので、もがいてみた。(青野さんとは)半周毎に交代していた。青野さんは自分より実力があってすごいスピードで走るので、青野さんがいなかったら2位という成績もなかった。(最後のスプリント力は)大学で周りのレベルが高くて自分のスプリント力が通用しない。スプリント力は必要な力なので身に付けていきたい。(夏休みの一人旅は)自分探しの旅に出かけてみようかなと。サボる癖があるので旅に出て九州まで行ったら走らないと帰れない。だから追い込むという意味も込めて旅に出た。荷物を背負って重かったのもあって練習効率がとてもいいとは言えないかもしれない。(部の雰囲気は)チーム一丸となって来年のインカレで総合優勝しようという意思が感じられるので雰囲気はいい。(冬の練習は)上半身が弱いとスプリント力が付いてこないので、冬は上半身とかウエイトトレーニングを中心にやって、全体的に筋力の向上を測っていきたい」
隈園
「前日まで体調を崩していたがコンディションを持ってこようと努力はしてきた。500mバンクなのでタイムは期待しなかったが、ベストな結果が出たので満足。(500mバンクは)国体の予選でしか走ったことがなかった。今のところコーナーの技術がないので、ベロドロームなどのコーナーがきついところはまだまだ未熟。これからテクニックが必要になってくる。(タイムを出せる要因は)3年生の短距離班の先輩方のおかげ。先輩たちの後ろを付かせてもらって背中で鍛えられた。インカレ前にメニューをもらって練習したらインカレでベストを更新した。(メニューの内容は)相当きつい。1週間に1回できていい方。マシーンのトレーニングで負荷が高い回転練習系と重いギアを踏む練習。重いギアは慣れるしかない。最近は少しずつギアを掛けてきて安定してきた。来年までにはもうちょっとギアを踏めるようになりたい。オフシーズンはメニューをコーチ陣にいただいたのでそれをこなしてさらにタイムを更新したい。(走るときに気を付けていることは)最初から全力で何も考えずに前だけを見ること。(調整は)昨日スタミナ付けなきゃと思って豚肉、ニンニク、りんごを丸ごと食べた。高校のときからスタミナを摂るときに親がつくってくれた。(行田は)今の調子だと分からないがスプリント力はあるので狙っていきたい」
関連記事
RELATED ENTRIES